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きょうは現在、桜坂劇場で上映中の海兵隊の新兵の訓練をテーマにした映画の話題です。どこにでもいる若者が1人の兵士として作り上げられていくおよそ4カ月の過程。訓練を終えた若者たちが続々と送り込まれてくるキャンプシュワブに隣接する名護市辺野古の人達はこの映画をどう見たのでしょうか? 岸本記者の報告です。

「このチャンスをものにせよ!海兵隊の称号を手にせよ!」「マリンコー!マリンコー!」

アメリカ・サウスカロライナ州にある新兵の訓練所。新兵のほとんどは高校を卒業したばかりの若者で、その表情には、若干あどけなさも残ります。英語を母国語としない外国からの移民も多い新兵。

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ここでおよそ4カ月、基礎的な訓練を受け、さらに国内の別の基地でさらに実践的な訓練を積んだ後、海外に派遣されます。「第一海兵隊航空基地は?」「沖縄です!」

新兵の一部が続々と派遣されてくる名護市辺野古。ここで去年、全国に先駆けてこのドキュメンタリーの上映会が行われました。

藤本監督「辺野古で見かけた兵士たちが・・・」目と鼻の先で生活する海兵隊員がそれぞれどんな人生を背負い、どんな訓練を受けてきたのか。辺野古の住民らは、食い入るように。ある人は苦しそうな表情で画面を見つめました。

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訓練も終盤。すっかり別の顔になった新兵達。辺野古区民「まさに組織の恐ろしさですか 洗脳ですよね。はっきり言えばあんな無垢な若者たちを戦場に駆り出して・・」「軍隊というのはそうしないと組織は成り立たないと思いますので」「私の孫もアメリカにいるけど、戦争に行ってます、アフガニスタンに。」「私も自分の孫のことを考えて涙が出そうになった」

藤本監督「本人の非常に前向きな人生を変えたいという動機で入ってくるんだけど、戦争にいかなくてはならない。人が殺せるようになる訓練をされていく。そんな若者たちが何万といることを私達は知らない。」「本当にこのような形の戦争や軍隊が21世紀もこのまま続いていっていいのか・・」

日米両政府はきのう、安保改定50年にあたって「同盟の深化」に関する具体的な協議をスタートしました。しかし、本来、同盟の前提となるはずの相手に対する理解が不足したまま日米の軍事的な結びつきがますます強まっています。

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これほど短期間に人間を兵器として仕上げてしまう。そのシステムが工場のように完全に出来上がっていることが非常に恐ろしいですね。

藤本監督は、「一般人を軍人に育てる方法はあるが、軍人を一般人に戻す方法が無いことも大きな問題」とも指摘しています。 映画「ワンショット・ワンキル」は今月12日まで桜坂劇場で上映されています。