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ここからはスポーツです。今日はパラスポーツの話題。視力を失いながらも水泳やトライアスロンへの挑戦を続ける男性がいます。まもなく青森で開かれる全国大会へ。練習を重ねる日々を取材しました。

水をかき、まっすぐ前へ。壁が迫る、その手前。頭に触れる一本の棒がゴールのタイミングを伝える。

鍼灸師の大久保篤志さん54歳。全盲のスイマーだ。

広島県出身の大久保さん。25歳の時、国が指定する難病「ベーチェット病」と診断され、徐々に視力が低下した。

大久保篤志さん「(難病と診断された時)どうなっていくかが分かるので」「ちょっと落ち込みはした」

今の自分を超えて 全盲スイマーの挑戦 今の自分を超えて 全盲スイマーの挑戦

寒い時期に体調を崩しやすかったことから27歳の時に温暖な沖縄へ。そして30歳で全盲に。見えない生活を自分なりに歩んでいこうと決めた。

大久保篤志さん「どこかで切り替えて(人生の)レールを“よいしょ”って」「見えない人生を歩まないといけないと思って」

視力を失う前、体力づくりやストレス発散のために始めた水泳。見えなくなってからも泳ぎ続けた。動きを目で確認することはできない。指導者の言葉と自分の感覚を頼りに、一つひとつ泳ぎを身につけてきた。

今の自分を超えて 全盲スイマーの挑戦

大久保篤志さん「見えないので見て習うことはできないので」「先生も(教えるのが)難しいとは思ったが」「お願いして」

その挑戦は水泳にとどまらない。ランニング、そしてトライアスロンも。そこには楽しさをともに分かち合う仲間がいる。

今の自分を超えて 全盲スイマーの挑戦

大久保篤志さん「サポートしてくれる方が、すごく熱心にやってくれて」「そうすると楽しい」「やっていくと楽しさも加速していく感じ」

今の自分を超えて 全盲スイマーの挑戦

大久保さんの姿は泳ぎを支える人たちにも力を与えている。

寿スイミングスクール平良寿成代表「その前向きさは我々にも大きな勇気をくれる」「その勇気をもらえるからこそ我々も頑張れる」

今の自分を超えて 全盲スイマーの挑戦

妻の美幸さんも大久保さんの生き方に心を動かされた一人。出会いは沖縄。視力が低下していく中でも大久保さんはやりたいことに向き合っていた。

大久保さんの妻美幸さん「(出会った当初)見えなくなるのが分かりながら」「自分の見たいものをとにかく見て」「楽しいことをして過ごしたいという」「その気持ちにすごく感銘を受けた」「いろんなことに真面目すごくストイック」「私だったらまねできないようなことを」「どんどんしていく」「頼もしい」

今の自分を超えて 全盲スイマーの挑戦

今月、青森市で開かれる全国障害者スポーツ大会。県代表として25メートルの平泳ぎとバタフライに出場する大久保さん。ゴールの合図は田中淳一(たなか・じゅんいち)さんに託す。

3年ほど前にランニングクラブで出会った2人。これまでも伴走で支えてきた田中さんが初めて大会で担当する。その田中さんも大久保さんが挑戦する姿に刺激を受けている。

今の自分を超えて 全盲スイマーの挑戦

田中淳一さん「何事にもチャレンジするところが」「すごいなと思う」

田中さんも水泳に取り組み、今年はトライアスロンに出場。大久保さんにとっても挑戦を続ける尊敬する先輩だ。

大久保篤志さん「田中さんもいろんなことにチャレンジしている」「すごい先輩で尊敬できる方だなって」

25メートルのレースにターンはない。田中さんはゴール側で待ち棒で大久保さんの頭に触れてゴールを知らせる。合図が早すぎても遅すぎてもいけない。泳ぐスピードに合わせてタイミングを確かめる。

田中淳一さん「もちろん彼が賞をもらえるようにお手伝いできれば」

今の自分を超えて 全盲スイマーの挑戦

練習を重ね合図を頼りに最後まで泳ぎ切る自信がついてきた。

大久保篤志さん「最初はやっぱり怖かったのでスピードを緩める感じになっていたが」「最後まで突っ込める感じになってきている」

支えてくれる仲間とともに今の自分はどこまで泳げるのか。

大久保篤志さん「今の年齢と体力で出せるギリギリのタイムを狙って」「できたら楽しい」「ゴールした時に(周りと)一緒に喜べる」「今持っている自分の能力の限界までいきたい」

今の自分を超えて 全盲スイマーの挑戦

今の自分の、その先へ。沖縄から遠く離れた青森での舞台に挑む。

大久保さんが出場する「第25回全国障害者スポーツ大会」は、今月23日から25日まで青森市で開かれます。練習の成果を発揮してともに笑顔になれるレースにしてほしいです。

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