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人手不足が叫ばれている今、県内の医療業界でも医療機関の減少や後継者不足など『事業継承』と『人材育成』が課題となっています。

きょうのビジネスキャッチーでは、県内医療をどう次の世代につないでいくのか?専門家を迎えて医療業界の未来を考えていきます。

私たちの暮らしに欠かすことのできない医療。その医療を支える現場で大きな課題となっているのが『医療機関の事業継承』です。

県内では過去10年間で20の医療施設が新たに開業した一方、それを大幅に上回る50の施設が閉院しています。地域の医療機関が減少している背景にあるのは医師の高齢化や後継者不足。医師の診療継続が難しくなった時、「その医療を誰が引き継ぐのか」という問題に直面します。

こうした課題に対応しようと今年4月、県医師会は沖縄銀行・琉球銀行・沖縄海邦銀行の3つの地銀と連携協定を結びました。医療機関の事業継承をめぐる相談を県医師会が受け付け、金融機関と連携しながら医療継承や経営面などを支援する仕組みです。

県内医療を考える 事業継承と人材育成/ビジネスキャッチー

しかし、医療を次の世代につなぐために必要なのは「施設」だけではありません。これからの沖縄の医療を担う人材をどう育てていくのか?未来に向けた取り組みがありました。

先月、県内の医療団体が初めて開いたイベント「美らLIFEフェスおきなわ」17の医療団体が集まり、薬の調剤や健康チェックなど、医療現場を疑似体験できるブースが設けられ、多くの人でにぎわいました。

県内医療を考える 事業継承と人材育成/ビジネスキャッチー

「緊張したけどできて嬉しかった」

医療や介護の仕事を「知る」だけでなく「疑似体験する」イベントには、未来の医療を担う人材を育てたいという狙いがありました。

県内医療を考える 事業継承と人材育成/ビジネスキャッチー

「このイベントを通して未来の沖縄を支える健康・介護に関わる人材が増えることを心から願ってる」

県内医療を考える 事業継承と人材育成/ビジネスキャッチー

県内の医療を守るために。今、「医療継承」の取り組みが始まっています。

ここからは県医師会の会長、田名毅(たな・たけし)さんをお迎えしてお伝えします。よろしくお願いします。

田名会長「よろしくお願いします」

県内医療の今後を考えると医療施設が継続できないという、不安にもなる話もありましたが、まず県内医療の現状について教えてください。

田名会長「医療機関の『閉院』は単に一つの事業所がなくなることを意味するだけではありません。その地域で通っていた患者さんにとっては身近な医療を失うことにもつながり深刻です。医療施設が継続できない背景には、その施設を運営する医師の高齢化が最も大きな要因ではありますが、それだけでなく、医療施設で働く人材自体も不足している現状があります」

県内医療を考える 事業継承と人材育成/ビジネスキャッチー

こうした現状を変えていこうと取り組んでいるのがVTRでも紹介した金融機関との連携ですが、具体的にはどのような支援を想定しているのでしょうか?

田名会長「例えば、ある地域のクリニックの院長が『そろそろ引退したい』と考えます。これまでは家族や知り合いに相談し、事業(医療)を引き継ぐことが大半だったと思います。その相談窓口が今回、県医師会になりました」

ということは、院長(経営者)が後継者をより探しやすくなるということですか?

田名会長「はい。小さなクリニックなどには医療(診療)と経営を両立する難しさがあります。そこで医師会が窓口になることで、相談の門戸を広げるとともに、連携する銀行には事業承継の部分を担ってもらうことができ、医師の負担は軽くなって地域の医療を継続させることができます。そして『地域のクリニックを引き継いでみたい』という志のある若い医師とをつなぐことができると考えています」

県内医療を考える 事業継承と人材育成/ビジネスキャッチー

県医師会はこのような取り組みで『目の前にある課題』を少しずつ改善していこうとしているのですね。

田名会長「そうなんです。若い医師の場合資金面だけでなく経営面や人材面など、さまざまな課題についても今回の連携が役立つと考えています」

県内医療を考える 事業継承と人材育成/ビジネスキャッチー

そして次の世代への長期的な取り組みとして先日行われたユニークな企画がありましたが、改めて企画の目的を教えてください。

田名会長「今回のイベントでは実際の医療器具を使った手術体験や薬の調剤体験など、かなり具体的な体験ができるようになっていました。医療というと医師や看護師を思い浮かべますが、実際には薬剤師・臨床検査技師・放射線技師・リハビリ職など、多くの専門職が医療を支えています。そういった『医療全体』を支える人材は誰一人欠けても医療を支えることはできません」

「県民の命を支える重要なチーム」が作られてこそ医療の未来は継続できるんですね」

「そうした人材を育てていくためには、これからの若者・子どもたちに医療の仕事を知ってもらうことが大切で、その〝種まき〟のための企画であるとともに、大人にもそうした人々の存在を知ってもらう大切な企画だったと考えています」

県内医療を考える 事業継承と人材育成/ビジネスキャッチー

最後に、沖縄の医療を次の世代につないでいくために、県医師会としてどんなことに取り組んでいきたいと考えていますか?

田名会長「人がいなければ医療機関は続かない。若い医師に地域医療を担ってもらう。次世代へ医療機関を残すだけではなくそこに働く人を育てる。施設と人の両方を次の世代につないでいくことが沖縄の医療を守ることになります。そのためには現場の理解とともに多くの人の理解と協力も必要になってくると思います」

きょうは県医師会の田名毅会長にお話を伺いました。ありがとうございました。

田名会長「ありがとうございました」