辺野古新基地建設の埋め立て承認をめぐり、基地周辺住民が「県の承認撤回の効力回復」を求めた裁判。6月15日に上告審の口頭弁論が開かれました。国は「住民には争う資格がない」と訴えの却下を求めています。
この裁判は、辺野古の住民らが、県の埋め立て承認撤回を無効にした国の裁決は違法だとして、承認撤回の効力回復を求めるものです。
2019年に提訴し、一審の那覇地裁では、住民に対して新基地建設によって直接の影響を受ける当事者とは認められず、裁判を起こす資格「原告適格」がないとして訴えを退け、この判決を不服だとして住民が控訴します。
2024年、福岡高裁那覇支部は、一転して影響を受ける当事者として原告適格を認め、那覇地裁へ審理を差し戻す判決を言い渡し、今度は国が上告したことから、審理の舞台は最高裁へと移っています。
6月15日に最高裁で開かれた裁判で国は「住民が訴える騒音などの被害は、埋立てをすること自体から生じる直接的、必然的な関係にない」と、従来の主張をしたうえで「住民らの原告適格は認められず、これを認めた高裁判決は破棄を免れない」と、控訴審判決の取消を求めました。
一方、住民側は「原告適格は、訴訟の入口論にすぎず、判断を不当に複雑化、長期化させようとする国の主張は退けられるべき」と上告の棄却を求めました。
また、意見陳述で、辺野古に住む金城武政さんは「完成後、基地やアメリカ軍機から発せられる騒音、兵士による犯罪行為などの実害を被る立場です」と訴え、高裁判決を覆さないよう強く求めました。
最高裁が弁論を開くのは、二審判決を見直す可能性がある場合で、その判断が注目されます。
最高裁の判断は?辺野古住民訴訟 争点のひとつ「原告適格」とは 記者解説
ここからは、取材を続けている新田記者とともにお伝えします。新田さん、今回の住民訴訟ですが、改めてどのようなことを訴えているのでしょうか?
新田記者「この訴訟は、県が国に行った辺野古新基地建設にかかる『埋め立て承認撤回』の効力回復を求めるものです。これまでの流れを見ていきます。まず県は、2018年に国に対して埋め立て承認撤回を行います。これに対して国は、撤回の取り消す裁決を出して、工事を強行します。この裁決に県は、国を訴えましたが、裁判所は『争う資格がない』として却下する判断をします。これとは別に、辺野古周辺の住民が、提訴していたのが今回の裁判となっています」
では、今回の裁判で争点となっている、「原告適格」とはどのようなものでしょうか?
新田記者「簡単にいうと『裁判を起こせる資格』のことです。今回、住民が国の裁決の違法性を訴えていて、県が行った撤回処分の回復を求める資格があるのかどうかが、問われています」
国、住民、それぞれの主張はどのようなものでしょう?
新田記者「国は『住民が訴える騒音などの被害は、埋立てをすること自体から生じる直接的・必然的な関係にない』と従来の主張を繰り返し、住民の原告適格は認められないと訴えています」「一方、住民側は、埋め立てそのものではなく、その後に派生する基地やアメリカ軍機の騒音や軍関係者による犯罪被害などを受ける恐れがあるとして、原告適格は認められると訴えています」
ここまで見てきても、新基地建設を強行する国の姿勢が改めて浮き彫りになっています。
新田記者「原告適格は、あくまで『裁判を起こせる資格』があるかを判断するものであって、肝心の『承認撤回』の効力が回復できるのか?という審理には至っていないのが現状です。最高裁が、どのような判断をするのか判決は7月13日に言い渡されます」
ここまで、新田記者とお伝えしました。
