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ここからは「早わかりビズ」です。きょうは、琉球銀行 営業統括部の稲嶺さんに解説していただきます。

稲嶺さん「よろしくお願いします」

テーマはコチラです!「終活、はじめてますか?「遺言書」で守る家族のこれから」です。いま「終活」という言葉はよく聞きますが、今日はその中でも「遺言書」に絞って、お話を伺っていきます。まず、そもそも「遺言書」ってどれくらいの人が用意しているんでしょうか。

早わかりビズ終活、はじめてますか? 『遺言書』で守る家族のこれから

稲嶺さん「コチラのグラフをご覧ください。全国の調査で、シニア世代のおよそ7割が『遺言書に前向き』と答えています」「一方で、コチラは『遺言書の準備状況』です。すでに用意している人は全体の1割にも満たず、『そのうち』と先延ばしになりがちな実態があります」

意識はあるのに行動まで行かない人が多いんですね。では、実際に遺言書があった家庭では、どう感じているんでしょうか。

稲嶺さん「コチラは、実際に親の相続を経験した人への調査です『遺言書があった』のは約1割と少ないんですが、そのうち8割以上が『遺言書があってよかった』と答えています」

早わかりビズ終活、はじめてますか? 『遺言書』で守る家族のこれから

8割以上ですか。数字で見ると、満足度の高さがよくわかりますね。具体的には、どういった点で「よかった」のでしょう?

稲嶺さん「多いのは、兄弟でモメずに済んだ、手続きがスムーズだった、親の思いが分かって納得できたといった声ですね」「残されたご家族にとって、気持ちの面でも手続きの面でも、負担を軽くしてくれるものだと思います」

早わかりビズ終活、はじめてますか? 『遺言書』で守る家族のこれから

なるほど、数字だけではなく、声を聞くと満足度の高さがより伝わってきますね。ただ、こうした話を聞くと「うちは財産もそんなに多くないし」と感じる方も多いと思うんですが、そのあたりはどうでしょうか?

稲嶺さん「実は、その考えが落とし穴になることがあります。相続トラブルの7割以上が『一般家庭』で起きています。財産の額ではなく、価値観や感情のすれ違いでこじれることが多いんです」

7割以上が「一般家庭」というのは、かなり驚きですね。どのご家庭でも起こり得る問題ですね。

稲嶺さん「さらに、自分で書いた遺言書が、日付や署名、押印の不備、訂正の仕方が法律どおりでないといった理由で、無効と判断されてしまうこともあります」

早わかりビズ終活、はじめてますか? 『遺言書』で守る家族のこれから

せっかく作っても「無効」になってしまうのはツライですね。

稲嶺さん「『家族のために』と書いても、形が整っていないことで、かえってトラブルを生んでしまうこともあるんです」

では、実際に作るときに気を付けるべき点を教えてください。

稲嶺さん「きょうは大事なポイントを3つにまとめてみました。1つ目は、自宅や土地、預貯金など「誰に」「何を」「どんな思い」で残したいのかを、一度、書き出してみるところから始めます」

早わかりビズ終活、はじめてますか? 『遺言書』で守る家族のこれから

いきなり「遺言書を書く」のではなく、まずは頭の整理からなんですね。

稲嶺さん「はい、そうですね。そのとき、「なぜそうしたいのか」という理由も一緒にメモしておくと、あとでご家族が読んだ時の納得感が違ってきます。

なるほど。では、2つめのポイントは何でしょうか。

稲嶺さん「2つ目は『法的に有効な形で作る』ことです。遺言書には、自分で書く「自筆証書遺言」や、公証役場で作る『公正証書遺言』などの種類があって、それぞれ法律上のルールがあります」「形式の誤りは無効の原因になるので、公証役場・弁護士・司法書士などの専門家や、ご利用されている金融機関などに相談すると安心です」

形式面のチェックが大切なんですね。では、遺言書を作る上で他に注意すべきポイントはありますか?

稲嶺さん「はい、3つ目として、『保管場所と存在を、必要な範囲で共有する』ことです。せっかく作っても、誰も知らなければ意味がありません。最低限『どこに保管しているか』だけでも家族に伝えておくことが大切です」

内容を全部話さなくても「遺言書を用意しているよ」という一言だけでも違いそうですね。

稲嶺さん「そうですね、それだけでも、いざというときに慌てなくて済みますし『自分たちのことを考えて準備してくれていたんだ』と受け止めてもらいやすくなります」

それでは最後に、視聴者のみなさんへのまとめをお願いします。

早わかりビズ終活、はじめてますか? 『遺言書』で守る家族のこれから

稲嶺さん「はい、遺言書を用意している人は少ないが、作った家庭の満足度は高い、相続トラブルは特別な家庭でなく、一般家庭でも起こる。そして『誰に・何を・なぜ』を整理し、法的に有効な形で作り、保管場所と存在を家族に伝えておくことが大切だということです」「身近な専門家や金融機関、公的な相談窓口もうまく活用しながら、ぜひ早めの準備を考えていただければと思います」

「終活、はじめてますか?」というきょうのテーマ。まずは、家族で少し話題にしてみるところから始めてみてはいかがでしょうか?稲嶺さん、きょうはありがとうございました。

稲嶺さん「ありがとうございました」