南城市議会からの不信任決議を受けている古謝景春市長は、10月6日に進退を表明する見通しです。
市長のセクハラ疑惑を発端に一連の混乱が続くなか、市民からは戸惑いや対応への不満などの声が出ています。9月26日、南城市議会が古謝景春市長に対する不信任決議案を可決したことを受け、市長は10月6日に、不信任への対応を文書で議会に通知するとしています。
地方自治法上、市長が取りうる選択肢のうち「議会解散」を行うとの見方も広がっています。
南城市民は「古謝氏は自分のやったことの重大性が分かっていない、選挙でお金を使うんだったら、これは市民の税金。辞職、きっぱりやめた方がいい」と話しました。
別の南城市民は「往生際が悪い、ちゃんと説明したつもりでも、世の中の理論に合っていない。それで市議会を解散するなんてもってのほかだと思いません?」と話しました。
他の南城市民は「市議会が決めるしかないんじゃない。みんなが選んだ人が集まって会議して決めるしかないんじゃない?」と話したました。南城市民は「ごたごたがあって、長年やりあっているという感じ。横断幕まで出るくらい。どっちがあっているのかが分からない」と話しました。
今後の南城市 記者解説

古謝市長の不信任決議が通るまで実に4回、市議会で採決が行われていて、市政運営に影響を与えていました。ここからは、この取材を続けている濱元記者とお伝えします。
濱元記者「はい、自身のハラスメントに端を発した今回の問題、これまでの経緯をVTRにまとめました」
ことの発端は、2022年12月、公用車の運転手だった女性が、古謝市長からのセクハラ被害を受けたとして県警に相談したことでした。
2023年12月に古謝市長のセクハラ疑惑が報道されると、議会に不信任決議案が2024年3月以降3度出されますが、いずれも否決されました。
古謝市長「これから始まる検察の捜査にも全面協力し、無実が証明できるよう引き続き取り組んでまいります」
県警は去年11月、古謝市長を強制わいせつ容疑で書類送検しましたが、那覇地検は、ことし2月に不起訴処分にしています。

赤嶺真也委員長「市で1番の責務を負う市長において、セクハラ行為を繰り返していた」「認識、理解が欠如しているのが大きな原因と考えました」
一方、市が設置した第三者委員会はことし5月、古謝市長のセクハラ行為があったと認定し市長の辞職を提言。市長は一部の行為を認めたものの、辞職はしませんでした。
音声データ 市長「それ以外変なことをやられていないって言ってね」「聞かれたならね」女性「ハグとかされたことですか?」市長「そうそう ハグはやったさ」
事態が大きく動いたのは先月、市長が女性職員にセクハラ行為の口止めを迫る音声データが明らかになったのです。

安谷屋正南城市議「これ以上、市政の混乱状態を放置することは、今後の南城市、また市民にとって避けなければならないとの判断から、市長の不信任やむなしとの決断に至り」
こうした経緯を経て南城市議会は4度目にして、先月26日、市長の不信任決議を賛成多数で可決しました。
これまでの経緯をVTRで振り返りましたが、改めてですが、今後の南城市政はどうなっていくのでしょうか?
濱元記者「はい、市議会から不信任決議を受けたことで古謝市長は、来週6日までに『辞職・自動失職・議会解散』の3つの選択肢のうち、一つを選ぶことになります」

こうしたなか南城市は、市議会に対して市長が今後の対応を通知すると発表があったんですよね?
濱元記者「きのう南城市は、市長が議会に対して『不信任を受けての対応を文書で通知する』と発表しました」「当初は、きょう午前に行われる予定でしたが、発表から1時間半後に『市長の体調不良』を理由に6日に延期になったと日程が修正されています」
来週の通知はどういった内容になりそうですか?
濱元記者「市議会の関係者によると、今回の不信任決議が審議されることになった際、市長は『議会の解散』をにおわせていたということです。また、これまで市長は、セクハラ問題を調査するとして市が設置した第三者委員会からセクハラを認定されて、辞職の提言を受けるなどしても、一貫して『辞職はしない』と表明していました。こうしたなかで『議会を解散させるのではないか』見方も広がっています」
市長が自動失職・辞職、議会解散の選択肢があるということでしたが、どの場合でも選挙は行われることになるんですよね?
濱元記者「はい、まず市長が辞職・自動失職をすると、50日以内に市長選挙が行われることになります。そして、議会を解散した場合には40日以内に市議会議員選挙が行われます」
濱元記者「市の選挙管理員会によりますと、2022年に行われた市長選挙では1000万円、市議会議員選挙では2000万円の費用がかかっていて、物価高騰などの影響で今回はさらに費用がかかるとみられています。また、仮に市議会を解散し、新たな選ばれた議会で『不信任決議案』が提出されると、可決されやすくなる仕組みになっています」

濱元記者「全体の3分の2以上の出席が必要というのは変わりませんが、可決に必要な賛成数が、出席議員の「4分の3以上」から「過半数」になります。ここで決議案が可決されると、市長は通知を受けたその日に失職し、その後、新たな市長選挙が行われます」
どちらにしても、影響を受けることになる南城市民はどのような受け止めをされているのでしょうか?
濱元記者「取材をした範囲では『市長に潔く辞職してほしい』という声があがっている、一方、市長を応援する支持者も一定数いました。また『一連のセクハラ問題の真偽が分からない』と判断に迷う声もあります」
濱元記者「市長は不信任を受けた際に『どういう形で今回の決着をつけるのかみんなと相談する』とコメントをしています。来週月曜日の古謝市長の判断が、一連の問題や混乱に決着をつけるのか、注目が集まっています」
ここまで、濱元記者とお伝えしました。