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楽園の海、案内は水中ビデオカメラマンの長田勇さんです、よろしくお願いします。
長田勇さん「よろしくお願いします。今回は前回紹介したヤンバルの海で、サンゴの産卵を狙って潜ってきましたのでその時の様子をご覧いただきたいと思います」
楽しみにしていました、ずっと見ていられますよね。さっそくVTRをご覧ください!
長田勇さん「辺土名漁港の沖合およそ1kmにあるサンゴ礁、日没間際、サンゴの産卵を狙ってダイビングをします」
綺麗な夕陽ですね!

長田勇さん「午後7時15分、Sea Life(シーライフ)の森 友秀さんとともにエントリー、まずは、ふわふわベッドのイソギンチャクに住むカクレクマノミがお出迎え!可愛らしいですね。『水中ライトが眩しくて眠れないぞ!』と言いたげでした」「森さんの前にあるのは水深5mにあるウスエダミドリイシ、時刻は午後7時40分、指差ししていますね、産卵が始まったようです」

いよいよですね。
長田勇さん「枝の付け根を見てみると、ポリプからゆっくりとバンドルが出て来ています。やんばるの海で今シーズン初観察!」「どんどん放出されているバンドル、森さんにとってはおよそ2年ぶりの観察となりました」「産卵開始から5分もすると、ピークに達します。本当に溢れ出てくる感じですね」
「透明で薄い膜のカプセルに入っている精子と卵子。よく見ると、いくつかの卵子が入ってるのが分かるんですよ。月がヤンバルの海を照らし始めた午後10時15分、水深は3m、遅い時間帯に産卵するサンゴ、枝状のミドリイシの仲間が産卵を開始。枝が太くバンドルのサイズも大きい、見応えがあります」
「アップで見るとこんな感じ、少しずつ時間差で出てきます。サンゴによっては、いっぺんにドバッと出る種類もあるんですよ」

面白いですね。
長田勇さん「森さんが撮影しているのは、死んでしまったサンゴの横で元気に産卵するサンゴたち。去年、サンゴが全滅してしまっていたら、このような光景は見られなかった訳ですから森さんにとっても感慨深いものがあると思います」
生き残ったサンゴたちがこれからたくましく成長して欲しいですね。
長田勇さん「そうですよね、こちらは台風の影響でひっくり返ったテーブルサンゴ、その周りの枝サンゴもたくさん産卵。仲間たちが一生懸命産卵してくれています。藻が生えたテーブルサンゴの周りも産卵開始。藻が生えた状態のままだとサンゴの赤ちゃんが、そこに着床するのは難しいかもしれませんが、スペースも広いので、ぜひ跡地利用してもらいたいですね」

「さらに午後10時40分を過ぎると、尋常じゃないくらいのバンドルの数、圧巻です!今度は、そこら中にあるテーブル状のミドリイシが産卵開始。やんばるの海で今シーズン初の一斉産卵に立ち会う事が出来ました」
豊かな海に戻る第1歩ですね。
長田勇さん「はい、その第1歩の瞬間をアップで撮影、プリップリです。全部のサンゴのバンドルが丸い形って訳ではないんです。ヤドカリの前にあるポリプからバンドルが出る瞬間まで長回しで撮影してみました。ご覧ください!30倍速です。ゆっくり回りながら外へ出ようとするんです。最後の力を振り絞って放出。ヤドカリくんも産卵の一部始終を観察出来ました」

特等席ですね。
長田勇さん「普段は、なかなか細かく観察していないんですが、よく見るとサンゴにも様々な形と色があるんですね。この日は流れがあったため、バンドルは上昇せずに横へ流れていきました。それにしても凄い数。去年、海水温の上昇による影響で辺土名沖の浅瀬のサンゴ礁が壊滅的な被害を受けました。
「同行した森さんは『この海域のおよそ7割のサンゴが死滅、でも、残ったサンゴたちが頑張って無事産卵してくれた事で一安心しました』と話していました。これだけ沢山の産卵を見届けることができて、私も嬉しい気持ちでいっぱいになりました」

自然豊かなやんばるの森と同様に海の中も早く元通りの豊かなサンゴ礁が帰って来て欲しいですね。
長田勇さん「そうですね、時間はかかるかもしれませんけれどもいつの日か、やんばるのサンゴ礁が元の姿に戻った姿を、また撮影しに行きたいと思います」
今から楽しみにしています。今回も貴重な映像をありがとうございました。以上、楽園の海でした。