琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊 和雄(みなと・かずお)さんです。
湊 和雄さん「宜しくお願いします」
今回のテーマは「短い秋見つけた!」です!「小さい」ではなく「短い」ですか?
湊 和雄さん「亜熱帯沖縄の季節は、温帯の四季とは異なります。春、梅雨、夏、秋、冬の五季でしょうか。この中で暑くもなく寒くもない秋はとても短く、あっという間に通り過ぎてしまいます。昆虫の世界で感じる秋を紹介しましょう」
どんな秋が見つかるでしょうか、VTR見てみましょう!
湊 和雄さん「次第に秋らしさを感じる日も多くなり、森でもススキの花穂が目立つようになってきました」「ウスイロコノマチョウは一年中成虫の活動が見られるチョウです。そして季節によって翅の模様が異なるのです。その変化が見られるのがちょうど今頃。画面には2匹いますが、上が春から夏に見られる「夏型」。下が秋から冬に見られる「秋型」です」
湊 和雄さん「夏型の一番の特徴は、翅の裏側に眼状紋(がんじょうもん)と呼ばれる目玉模様が並び目立つことです。そして、この時期はもう少なくなり、いても翅が損傷を受けているチョウがほとんどです」「画面内には2匹の秋型がいますが、眼状紋がほとんど消えて、目立たないですね」
湊 和雄さん「眼状紋が消えると、まるで枯葉のような姿となります。このように動いていれば、そこにいるのが判ります。しかし静止していると、目の前にいても気づかないことが多くなります」
湊 和雄さん「そして、枯葉模様にはとてもバリエーションが多くリアリティが増します。状況によってはコノハチョウ以上に枯葉に似ているように感じます」
湊 和雄さん「次に、ナナホシキンカメムシ。冬は集団で越冬する習性があります。その越冬集団が次第に形成され、さらにその規模が大きくなりつつある、今の季節なのです。まだ多いものでも10匹から20匹程度ですが最も多くなると、ひとつの集団で100匹以上になることもあります。昨年はとても少なかったのですが、今年は期待できるかもしれませんね」
湊 和雄さん「さて、もう一度ススキに戻りましょう。とても珍しい光景に遭遇しました。ススキの花はイネ科で風媒花なので、蜜や香りで昆虫を誘引することはありません。なのに、このススキの花穂には複数のチョウと蛾がとまっていました。
休んでいるのでしょうか?
湊 和雄さん「そう思うかもしれませんが、アップで見るとストローのような細長い口を伸ばして何かを吸っています。これはツマムラサキマダラの雄です。こちらはイシガケチョウ。やはり熱心に何かを吸っています。そしてこれは蛾の仲間、シロスジヒトリモドキ。チョウのように昼間に花の蜜を吸う種類です」
湊 和雄さん「蜜を出さないススキの花穂で熱心に何かを吸う謎の行動。SNSでこの行動を紹介したところ、このような情報が寄せられました。イネ科植物の穂に麦角菌(ばっかくきん)が寄生すると、蜜を分泌されてチョウや蛾がやって来ることがあるのだそうです。しかし、ススキでの観察例は珍しいとのこと」
湊 和雄さん「麦角菌は毒も生成し、これに感染した麦や稲(コメ)を人間が食べると死に至ることもある恐ろしいものなのだそうです。しかし同時に薬効も認められたり、麻薬の合成に利用されるなど、不思議な存在のようです」
さて次回は湊さんから年末恒例の視聴者のみなさんにプレゼントがあります!ぜひお見逃しなく!湊さん今回も貴重な映像ありがとうございました!以上、リュウキュウの自然でした。
