琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊 和雄(みなと・かずお)さんです。
湊 和雄さん「宜しくお願いします。
今回のテーマは「チョウたちはどこへ?」です!
湊 和雄さん「亜熱帯のチョウは、基本的に年3回発生のピークがあります。春、梅雨明け後、秋。従来、この中で梅雨明け直後からの約1ヵ月が最大のピークでした。ちょうど今頃ですね。しかし、この10年ほどで、梅雨明け後よりも秋のピークのほうが多くなる傾向が徐々に強くなってきました。そして、今シーズンはかなり極端な状況なのです」
さてチョウたちはどこに行ったんでしょう。VTR見てみましょう!
湊 和雄さん「これは3年前の10月の映像です。センダングサの群落にこんなにたくさんのチョウが集まっています。種類だけでも10種類ほど。数は当然数え切れません。これは最近の状況。同じセンダングサの群落ですが、チョウの姿が全く見られませんね。決して特別な状況ではりません。今、あちこちでこんな光景なんです」
湊 和雄さん「こちらは、ネムノキの仲間の花に群れるチョウたち。これまた、数だけではなく多くの種類があつまっていますね。これも3年前の10月です。これは最近の全く同じ場所。花は咲いていますが、チョウはほとんど見られません」
湊 和雄さん「これはシマヒギリの花に群がるシロオビアゲハ。シロオビアゲハは、かつて最も普通に見られるアゲハチョウというか、沖縄を代表するチョウだったのですが、最近激減しています。これは、全く同じ場所のシマヒギリですが、やはり全くチョウが見られませんね」
湊 和雄さん「フウリンブッソウゲの花もアゲハチョウをはじめ、多くのチョウに人気があります。これも全く同じ場所のフウリンブッソウゲの花。しばらく待ってみましたが、全くチョウはやって来ませんでした」
湊 和雄さん「唯一、最近でもよく見かけるアゲハチョウの仲間がこのナガサキアゲハ(雌)。以前は、アゲハチョウの中でも、少ないほうの種類だったのですが、不思議な傾向です」
湊 和雄さん「一番不思議なのが、一年を通して一番多く活動しているマダラチョウの仲間をこのところほとんど見ないのです。まぁ、遠くの空を舞っている姿くらいは目にしますが。このツマムラサキマダラの雌は、ほぼ1ヵ月ぶりに遭遇して撮影できた1匹です。ほんとうにこの1匹だけでした」
湊 和雄さん「最近でもまぁ普通に見られるチョウに、このキチョウが挙げられます。近年、キタキチョウとミナミキチョウに分けられましたが、外見では区別が出来ないチョウです」
湊 和雄さん「そして、最近最も多く見られるというか、これまでとほとんど変わらないのが、クロマダラソテツシジミです」「大型のアゲハチョウやマダラチョウの仲間が激減して、このような小型のチョウが中心なのが余計にチョウが少なく感じる要因なのでしょう」
湊 和雄さん「唯一、梅雨明け直後に多くなるチョウで、ほぼ例年に近いと感じるのは、意外なことにコノハチョウだったりします。決して多くはないですけれど」
湊 和雄さん「チョウの種類によっては一年に6回も新しい成虫が出現するものもいます。種類によって回数は違いますが、それが巧く重なるのが、上記の3つの季節なのです。以前より梅雨明け直後に少なくなった原因に温暖化で夏が暑すぎるという説もあります。今年の秋はどの程度の数のチョウが見られるのか気になりますね」
湊さん今回も貴重な映像ありがとうございました!以上、リュウキュウの自然でした。
