11月に正殿の完成を控える中、今年度の首里城復興祭などの国王・王妃役を選ぶ大会が開かれました。ファイナリストの中に、教え子への思いを胸に挑んだ二人の先生がいました。
鮮やかな琉装に身を包み、首里城の行事を彩る国王と王妃。王国時代の歴史や文化、そして復興の歩みを県内外へ伝える役目を担います。その大役は年度ごとに県内在住の18歳以上から一般公募で選ばれます。
正殿完成の節目の年となる今年は過去最多、148人の応募がありました。その中から書類審査を通過した10人が最終審査に臨みます。
王妃候補・大学生 金城姫愛(きんじょう・ひな)さん「この日のために伸ばしました」
代々受け継がれる専用の衣装や、王国時代の髪形を再現するため、〝身長〟や〝髪の長さ〟も応募条件になっています。
王妃候補・気象予報士 當銘菜奈さん「沖縄気象台の中の那覇航空測候所に勤めている。航空会社やパイロット 管制塔向けの予報を出している」
国王候補・会社員(元アナウンサー)大城良太さん「ずっと首里城が復興していく様子を取材していて、職人の思いなども伺っていたので、その思いを背負いながら、大役を務められればと応募した」
候補者は職種も経歴も様々ですが、それぞれが自分の経験を生かし、首里城の力になろうとしています。
王妃候補 小学校教諭 綿引輝来鈴(わたびき・きらり)さん「あまり実感がない、泣きそう」
今回初めて王妃役に挑む綿引輝来鈴さん。南城市内の小学校で先生をしています。
王妃候補 小学校教諭 綿引輝来鈴(わたびき・きらり)さん「(首里城を)単なるお城としてしか認識していない子どもたちが多い。どんな場所だったのか、また歴史の深さを子どもたちに一番身近に伝えていけると思って。挑戦というか、やってみようと思った」
そしてもう一人、国王候補の宮城律希さんも那覇市内の小学校で教鞭をとる先生です。
国王候補・小学校教諭 宮城律希さん「3年生のかわいい子たちの 担任をしている」
大会への挑戦は、教え子たちにはまだ内緒です。
国王役候補・小学校教諭 宮城律希さん「いい報告ができれば、私もとてもうれしい。子どもたちもすごく喜んでくれると思う。そこを目指して頑張ります!」
普段は教室で、子どもたちの挑戦をサポートする二人がこの日、自ら一歩を踏み出します。
多くの観客が見守る中で始まった最終審査。
国王候補・喜久里 達也さん「力強い首里城の歩みとともに、みなさんに感動を届ける手伝いができれば幸いです」
王妃候補・ツアーコンダクター 玉城実夏さん「耳が聞こえる、聞こえない、日本人、外国人といった違いを超え、すべての人に届けたいです」
国王役候補・小学校教諭 宮城律希さん「私は沖縄県で学校教諭をしています。歴史は知識として学ぶだけではなく、未来へ受け継いでいくことが大切だと、そのような使命感を持って取り組んでいます」「自然豊かな沖縄。歴史文化ある沖縄。万国津梁の精神を受け継いできた沖縄。その象徴ともいえる首里城は私たちの心のよりどころです」「子どもたちに沖縄の魅力を伝え続けるとともに、多くのみなさまに発信していきたいと思っています」
王妃候補 小学校教諭 綿引輝来鈴さん「『首里城ってお城なんだけど 何をする場所だったの?』」「小学校教員として子どもたちと向き合う中で実際にかけられた言葉です」「首里城は沖縄を代表する存在でありながら、その役割や込められた思いを知らない子どもたちが少なくないことを感じています」「王妃として琉球王国の文化や誇りを分かりやすく伝え、未来を担う子どもたちが『沖縄に生まれてよかった』『この文化を誇りに思う』と感じられるきっかけをつくれる王妃になりたいです」
そして、いよいよ発表の時。
司会「それでは発表いたします。令和8年度、首里城復興祭の新国王に選ばれたのは、エントリーナンバー5番 宮城律希さんです」
子どもたちへの思いを胸に宮城さんは見事、新たな国王に選出されました。
新たな王妃には、ツアーコンダクターの玉城実夏(たまき・みか)さんが選ばれました。
あと一歩届かなかった綿引さん。ただ、その表情には清々しさがにじんでいました。
王妃候補・小学校教諭 綿引輝来鈴さん「普段から『何事にも挑戦して』と私が言っているので、この機会を通して先頭を切って私が挑戦する姿を見せられたのはすごく大きいことかなと思っている」
一方、新国王となった宮城さん。
新国王役・小学校教諭 宮城律希さん「選ばれちゃいましたね。琉球の歴史について伝えるきっかけになれたら。子どもたちの自慢になれるような先生でありたいと思う」
11月に完成を迎える首里城正殿。その歴史を次の世代につなぐための新たな歩みが始まります。
宮城さんにとっては教え子たちへのうれしい報告になりましたね。
玉城アナウンサー「そうですね。二人の先生は子どもたちに伝えてきた『挑戦すること』を身を持って示しました。審査の基準は、国王王妃にふさわしい品格と気品ある姿や立ち居振る舞い、琉球沖縄の歴史に対する理解が問われました。10人のファイナリストそれぞれの個性が光っていて誰が選ばれてもおかしくなかった。新たな国王の宮城先生、そして王妃役の玉城(たまき)さんが正殿完成の節目をどのように伝えていくのか注目です」
