コロナ禍を経て国内外からの観光客で賑わいを取り戻した沖縄。しかし、その裏で課題となっているのが人材不足です。沖縄の観光を支えるホテル業界では外国人労働者の存在が欠かせないものになっています。彼らはどのように沖縄の観光を支えているのでしょうか。今回は、北部のリゾートホテルで働く外国人スタッフを取材しました。
名護市喜瀬にあるリゾートホテル。24時間、止まることのないホテルの現場では観光需要の回復とともに忙しさを増しています。
キムガンさん「本日から1泊2名様でお間違いないでしょうか?ありがとうございます」
流暢な日本語でフロント業務を担当しているベトナム出身のキムガンさん。入社7年目の彼女は現在、アシスタントマネージャーを務めていて主にチェックイン・チェックアウトの案内や、電話応対など数多くの業務をこなしています。
キムガンさん「お客様から日本語が上手と言われたり、サービスが良いと言われたら一番うれしい」「日本語が理解できないときは、日本人スタッフがちゃんと教えてくれる」「お客様に対しては」「プラスアルファのサービスも対応していきたい」
現在、このホテルでは従業員のおよそ15%が海外出身者。ポーランドやベトナム、インドネシアなど、さまざまな国からインターンシップや技能実習生として訪れ、ホテル業務を支える重要な戦力となっています。
この春、ホテルに入社した新入社員の中に海外から技能実習生として入社を決めた人がいます。ポーランド出身のアドリアナさんです。アドリアナさんはポーランドで日本語を学び、接客に興味を持ったことがきっかけでホテルに就職を決めたといいます。
アドリアナさん「やっぱり日本語、特に敬語の使い方はちょっと難しい」「丁寧な言葉使いは大事だと思います」「今は研修中ですが、最初はいろんな部署で働いて、フロントスタッフになりたいので、もっと日本語が上手になりたいと思う」
彼女らは同時期に入社した日本人スタッフとともに研修を受け、それぞれの部署に配属されます。この日はレストランサービスの知識について国家検定の内容に沿って講師から指導を受けました。
テーマは朝食時の接客です。水の次ぎ方やトレーの持ち方、配膳の仕方などホテルサービスの基本となる動きを実践で学びます。
「お水をお注ぎいたします」「バスケットをお皿の近くに近づけて。そうです」
外国人スタッフたちは言葉の壁を越え、沖縄の観光を支えるプロをめざしてこのあと現場に挑みます。ラウンジでは片づけの指導を受けるアドリアナさんの姿がありました。先輩社員からゲストが使用した食器類を片づけるよう指示を受けます。
食器が乗ったトレーを片手に待ちながら、テーブルを拭くなど手際よく仕事をこなすアドリアナさん。安心した表情を見せていました。
アドリアナさん「仕事の雰囲気も良く、スタッフはみんな優しい、沖縄も大好きになった」
フロント業務のキムガンさん。普段から日本語や英語などを使い分け、施設の案内や食事について丁寧に説明していました。
キムガンさん「ご予約者のお名前と、最後にご署名お願いします」
文化の違いに戸惑いながらも、現場で経験を積み、仕事をこなす外国人スタッフたち。フロント支配人の上原正成さんは、現場で活躍できる外国人スタッフを育てていきたいと話します。
フロント支配人上原さん「ホテル全体で約15%」「33名の外国人スタッフが働いている」「今の時期は約半数近くが海外のお客様が多いので、そういった方が来られた時に安心して滞在できるように、海外スタッフがすぐ対応できるようにしている」
「人材不足でなかなか厳しい状態ではあるんですけども」「笑顔を絶やさず温かくお迎えして、また楽しい滞在期間を過ごしていただいて、また来たいと思ってもらえるようにしている」「ちゃんと、一スタッフとして、(外国人スタッフを)かなり重要視しているところがあるので、今後もぜひ育てていきたいと思っている」
母国を離れ技術を学び、沖縄で活躍する外国人スタッフ。沖縄観光を支える存在として成長し続けています。
記者解説
ここからは取材をした當山記者に解説をしてもらいます。入域観光客数が増加する中、人材不足が問題となっているようですが、実際に外国人労働者を受け入れている事業者はどれほどあるのでしょうか。
當山記者「去年10月の沖縄労働局外国人雇用状況によりますと、県内で働く外国人労働者の数は2万300人あまりとなり外国人労働者を雇用する事業所もおよそ3700ヵ所と、いずれも外国人雇用状況の届け出制度が始まった2007年以来、過去最多になっています」「国籍別で見ると最も多いのはネパールの5300人あまりで、外国人労働者全体のおよそ4人に1人となる26.5%を占めています」
ネパールからの労働者が最も多いんですね。そのような外国人労働者は実際どのような分野で働く人が多いのでしょうか。
當山記者「外国人労働者を産業別にみてみると『宿泊業、飲食サービス業』が23.2%で最も多く、観光需要の回復や人手不足を背景に主に宿泊業での需要が高まっている状況が伺えます」
多くの旅行者が訪れることから観光業界の人手不足が問題となっているんですね。
當山記者「そうですね。県内では幅広い業種で外国人の人材が欠かせない存在となっていて今後も受け入れ環境の整備や人材確保の取り組みが課題となりそうです」
ここまで當山記者がお伝えしました。ありがとうございました。
