2025年11月9日に投開票が行われた南城市の市議会選挙で、古謝市長の不信任に賛成を表明している候補が18人当選。市長が失職する公算が大きくなりました。
古謝景春南城市長が、議会の不信任を受け解散したことで行われた南城市議会選挙。定数20に対して25人が立候補し、2025年11月9日の投開票の結果、前職17人・新人2人・元職1人が当選しました。
当選した中村直哉・前市議は「まずは不信任案の可決に向けて臨時会が早々に招集されると思いますので、そこでの不信任案の可決に向けてやりたいと思います」と話しました。
当選した宮城尚子前市議は「(不信任を)実行できなかった議会の不作為という意味では、一日一分でも早く(不信任決議を)しなければならない。議会が一丸となって全会一致でするべきだという風に考えております」と話しました。
QABが、報道各社と合同で行った候補者アンケートでは、当選した20人のうち18人が、不信任決議の再可決に「賛成」と回答していて、市長が失職する公算が大きくなりました。
古謝南城市長は「市民がですね、(市議選で)誰に投票するかが分からないということで、古謝景春を応援してるメンバーが多いです」と話し「(投票した)8割が市長派ではない方に投票していますが、民意を無視したことにはならないか?」との記者の質問に市長は「あんたがた(マスコミ)が、悪いです」と答えました。
古謝市長は記者陣の取材に応じましたが、市長選挙については明言を避け、記者の質問に「内緒です」と繰り返し、市役所を後にしました。
市民は「無駄な選挙かもしれないですけど、南城市が良い方向に変わればいいと思います。「(市長は)辞職して欲しいと思います、個人的には」と話しました。
別の市民は「市議選は、市長が辞めてくれればせれで良かったんだけどね、お金無駄遣いさ、選挙が」と話しました。
市民は「まあ、あきらめの気分ですかね、この市議とか市長のレベルがいまの南城市民のレベルだったらもう納得するしかないですね」と話しました。
2025年11月17日の週にも、臨時議会が開かれる予定で、市長への不信任案が採決される見通しです。
記者解説 南城市議選の結果を受けて市長失職の公算際大 出直し選挙も
ここからは、取材を続けている濱元記者です。濱元さん、今回の選挙は、議会に不信任を突きつけられた市長が、議会をを解散したことで選挙が行われました。南城市民は、どのような判断をしたと言えるのでしょうか?
濱元記者「ことの発端は、古謝景春市長自身のセクハラ疑惑など一連の問題です。この問題を調査していた第三者委員会は、市長のハラスメント行為を認め、辞職を提言しましたが、市長はそれを拒否。議会は、不信任案を可決し辞職を迫りましたが、市長が議会を解散をしたため、今回の選挙が行われました。まさに『市長の続投を認めるか否か』それだけを問う選挙になってしまいました」
「当選した20人のうち、QABなどが合同で実施した事前のアンケートで『新たに不信任決議案が出た場合』に賛成の意思を示したのは18人、未定としたのは2人でした。『不信任賛成』の意思を示した候補者全員の得票の割合は、全体の87%だったの対して、反対・未定・無回答とした候補者の得票数の割合は、およそ11%。結果として、投票した有権者は市長に『NO』を突きつけた形になっています」
今後、市議会が執る手続きはどうなるのでしょうか?
濱元記者「来週にも、今回、当選した議員が集まり臨時会を開きそこで再度、市長の不信任決議案が採決される見通しです。不信任決議案を可決するには、市議会議員の3分の2以上の出席と、出席議員の過半数の賛成が必要になりますが、18人が『不信任の意思』を示しているので市長が失職する公算が大きいです」
今回の結果を受け、対決姿勢を鮮明にしている古謝市長の対応の変化はあったのでしょうか?
濱元記者「これまで市長は、失職した場合は出直し選挙に出馬する意向を示していましたが、きょう改めて問われた際には『後援会と相談する』などと述べるにとどめています。当選した議員からは『市長は、市議選の結果を受け止めて市長選への出馬は取りやめるべき』という意見や『結局、市長選に出るのなら今回の解散は大義のないものだった』と批判する声も聞こえています」
およそ2400万円の費用がかかった今回の市議選が本当に必要な選挙だったのか?
有権者は、これまでの状況を判断をしながら、市長の選ぶことも含めて市政に対して厳しい目線が必要です。
