「たどる記憶つなぐ平和」きょうは県立博物館・美術館から中継でお伝えします。今、こちらで行われているのが「戦災文化財」と題した企画展です。
世界のどこかで今も続く戦闘によって失われている文化財。それは80年前も同じでした。一度は失われた沖縄の文化財を取り戻そうと40年に渡って力を尽くしてきた男性に話を聞きました。

県立博物館・美術館の敷地内にある「大聖禅寺鐘(だいしょうぜんじしょう)」現存する琉球鐘で最も古いものとされています。80年前の沖縄戦でアメリカが戦利品として持ち帰り1991年に沖縄に返還されたものです。
その返還に力を尽くしたのが沖縄から流出した無数の戦利品を取り戻そうと1980年から活動してきた喜舎場静夫さんです。
琉米歴史研究会 喜舎場静夫 理事長「返還はそんなに簡単ではない」「(アメリカとの)交渉は2回くらい失敗した」「3年くらいかかった」「返還される時はうれしいはうれしい」「しかし心は痛い」「沖縄の場合は命・財産・文化財をたくさん失っている」「全国では沖縄が一番の被害」
激しい戦闘の末、沖縄から流出した数えきれないほどの文化財。その返還は戦後80年が経った今も叶っていません。
この企画展は喜舎場さんが尽力した品も含め、一度は失われた沖縄の文化財を通して戦争と平和について考えてもらおうというものです。復元された品も含めて540点が並んでいてどれも沖縄戦の凄まじさ・傷ましさを感じるものです。

学芸員の崎原恭子さんです。よろしくお願いします。展示が始まって2週間が過ぎましたが、反応はいかがでしょうか?
以降は動画をご参照ください。
特別展「戦災文化財」は県立博物館・美術館で来月30日まで開かれています。また期間中には様々な講座や解説会も予定されています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。
沖縄戦後80年「戦災文化財」 失われた沖縄の文化財と取り戻した軌跡 2025年09月30日(火) ~ 2025年11月30日(日)