モニターに表示されている「3万9460」この数字、何を意味していると思いますか。これは、県内におけるひとり親家庭の世帯数です。
県が5年ごと1度実施するひとり親世帯の実態調査では「現在の暮らしの状況」について大変苦しい、苦しい、やや苦しいと回答したのは母子世帯で76.7% 父子世帯で59.6%と生活が逼迫している状況が伝わります。
QABでは、ひとり親世帯を支援する団体を取材。家庭内の悩みと、求められている支援について取材しました。
おととし10月に県が実施した「県ひとり親世帯等実態調査」この調査は、母子・父子世帯などの生活実態を把握し福祉施策の強化・推進するために実施されています。

調査は「就労」や「制度の利用」など多岐にわたり今回は、県内のひとり親家庭 3万9460世帯のおよそ1割にあたる3981世帯にアンケートを配布。1089世帯から回答がありました。そのなかで、「現在の不安や悩み」についての質問では、「家計(生活費)」と回答する家庭が母子世帯で75.9% 父子世帯で64.6%「子育て・教育」においては、母子世帯では42.5% 父子世帯では45.5%が不安を抱えていることが分かりました。
家計への悩みが多く寄せられるなか、ひとり親家庭の自立とこどもたちの成長を支援する団体があります県母子寡婦福祉連合会です。
沖縄県母子寡婦福祉連合会 伊江玲美会長「就業支援の講習会を開いていたりとか日常生活支援事業だったりとか給付型の奨学金、それはお子さんのための奨学金ですよね。いろんな多方面での支援っていうのをご提供させて頂いている団体です」
会長を務める伊江玲美さん伊江会長自身も子どもの貧困問題を支援してきました。連合会ではニーズに合わせた支援を行っていますが、ひとり親世帯から寄せられる相談は後を絶たないと言います。

沖縄県母子寡婦福祉連合会 伊江会長「その進学費用、(子育て)相談の7割がそれになる(奨学金を借りれた場合)日本の奨学金の多くは返済型の奨学金じゃないですか。そうすると、受かりました返済型をいただけるかもしれない。けれども先に待ってるのはお金の返済なんです」
ひとり親世帯を対象にしたアンケート結果には様々な声が寄せられました。子どもの大学や専門学校の進学への大きな壁は学費などです。学力もあり進学を希望する子どもに生活のために諦めてとは言えないこれまでの子育ての中で1番ツライのが、学びたい事やりたい事を経験させてあげられないことです。
色々な面で知識がなく相談員の方に教えていただいていますが、情報があればこちらからも相談したり活動がしやすくなります。
ひとり親世帯のいちばんの悩みは、やはり収入です。正規職につけず、パート、アルバイトでの低賃金子どもの進学については、今の生活状況では厳しい。
経済的負担から、進学を諦めるひとり親世帯が多くいるなか伊江会長は「学ぶこと」を諦めてほしくないといいいます。

沖縄県母子寡婦福祉連合会 伊江会長「やっぱり学校に行けなかった子供っていう時間が3年間短くなる。大学に行けなかった4年間短くなる。子供でいられる時間を延ばせるっていうことを社会全体でやっていくことによって、夢ある人間を育てて夢ある大人っていうのを沖縄からどんどん出していけば、沖縄も変わるしそっと手を差し伸べてくれる優しい人がいてくれたらちょっと嬉しいかなっていうのが社会全体として応援できるんだったら嬉しいと思う」
県のアンケート結果で寄せられた声には、「物価高騰で生活費や食費はあがるのに、賃金は変わらない」「子どもの大学や専門学校の進学の大きな壁は学費」といった声が寄せられると共に、県母連の伊江会長からは、「子どもの養育費や家計を支えるのに必死で自分の健康を後回しにしてしまう方もいらっしゃる」など、ひとり親家庭が抱える負担というのが取材を通して見えて来ました。
今回 QABでは未来を担う子どもたちの進学支援することを目的にした「羽ばたけQごろ~募金」を始めました。「羽ばたけQごろ~募金」は広く県内の個人や、企業、団体などから募りひとり親家庭で大学や専門学校へ通う子どもたちへ送られます。
皆さまの暖かいご支援、よろしくお願い致します。募金の詳しい内容はQABウェブサイトをご覧ください。
