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先週、那覇市の三大祭りのひとつである「那覇ハーリー」が4年ぶりに帰ってきました。最初に中止が決定した2020年から、開催を熱望していた2人の「ハーリージョーグー」がを取材しました。

仲本興平(なかもと・こうへい)さん「年もできなかったというのは予想もしていなかったので、今回4年ぶりに開催できるというのは本当に待ちに待っていましたし、ぜひ無事安全に、大いに盛り上げてすごい祭りにしたいなという風に思っています」

玉城亨(たましろ・あきら)さん「このコロナ禍でなかなか仕事外で会社のメンバーで盛り上がるイベントがなかったので、唯一みんなで出られるイベントが那覇ハーリーだけなので、とっても嬉しい気持ちです。」

先週行われた那覇ハーリーには3日間で17万3000人が訪れ、古くから行われてきた 海の戦いに胸を躍らせました。

出場した男性「きついっすよ、きついけど楽しいのがいちばんですね」

訪れた男性「3年くらい来ていなかったもんだからきょうは本当に感激です」

4年ぶり復活!たぎるハーリー魂

4年ぶりに海を泳ぐ爬龍船を見つめるのは 仲本興平さんです。12歳からハーリーをはじめ、那覇ハーリーの運営をしながら泊地区の代表として本バーリーにも毎年出場してきました。

先月上旬からは 中学生から社会人までのチームに向けて毎週末エークの漕ぎ方の指導を行っていて、大好きなハーリーの再開を誰よりも待ち望んでいました。

仲本さん「ハーリーに関してはやはり、私も父や祖父の姿を見ながらですね、こうやって引き継いできましたし、その伝統を守りつつ、さらにまた発展させて、素晴らしいハーリーにしていきたい」

ハーリー鐘の音ともに幕を明けた那覇ハーリーには、中学校17校と一般などの73チームが出場して熱い戦いを繰り広げます。競漕が見える岸壁にはたくさんの人が詰めかけて応援するなど、大いに盛り上がった会場には、たくさんの笑顔が溢れていました。

訪れたこども 「おねいちゃんがいたから、パチャパチャ(ハーリー)していたから(来た)がんばれしていた」

見に来ていた中学生「みんな声を出して、こっちまで声が届くくらいのエイエイっていう掛け声が一番元気もらえました」

出場した男性「自治会のチームなのでしっかり地域の人たちと一緒に漕げたのがとても楽しかったです」

この日のために新調した真っ白なユニフォームで競漕に挑んだ宇那志豆腐店は、2回目の挑戦です。4年前に初出場した際に僅差で逃した優勝を勝ち取るため、忙しい仕事の合間を縫って練習に励んできました。ほとんどが糸満ハーレー経験者という強みを活かし、持ち前の技術で勝負します。

玉城さん「チームが一つにならないと勝てないので、会社もみんな一つになって、うまくいい方向に言っているような気がします」

対戦相手は那覇ハーリー常連で、鍛え上げられた屈強な体をもつアメリカ海軍と消防士です。強大な相手に負けじと、スタートとともに練習よりも声を張り上げて前へ進みます。必死にくらいついていたものの、あと一歩及びませんでした。

4年ぶり復活!たぎるハーリー魂

ただ、仲間たちと全力で漕ぎ切った表情はとても晴れやかなものでした。

宇那志豆腐店のスタッフ「先輩方ともかかわりをもてたのでとても良かったです。来年は優勝できるように頑張ります、もっと練習しないといけないですね」

玉城さん「強いチームにうまく食らいついていって、大健闘だとおもいます。きついときにみんなで声出そうって何回も言っていたので、最後はみんなひとつになって頑張ってくれたと思います。レースが終わって乾杯のビールがあるんで、もっともっと(絆が)深まると思います」

一般の部が終了した後には、那覇・久米・泊の3つの地域の代表による本バーリーです。黒い泊の爬龍船の上には、8年越しの勝利をつかもうと、空手で仲間を鼓舞する仲本さんの姿がありました。

仲本さん「家族もやはりすごく楽しみにしていて僕の子供たちもですね、恐らく楽しいにしているだろうと思っていますので、いい姿を見せられたらなという風に思っています」

実力は拮抗していて各チームほとんど差はありません。前回優勝者の那覇地区と泊地区が目視では、ほぼ同時にゴールしたように見え、勝敗は判定にゆだねられます。

泊地区が1秒差で勝利し、8年ぶりに王座を奪還しました。

仲本さん「感極まって泣いてしまったんですけど、、すごくうれしいです」

競漕後に戻ってきた仲本さんのもとに、駆け寄る人の姿がありました。

仲本さん「(家族の応援は)力になります。家族の支えがあって、こうやってかかわっていられるのも家族の理解がないとできませんので、本当に感謝しています。勝ててよかったなと声かけてもらったので、ありがとうってつたえました」「やっぱりこの伝統を絶対に途絶えさせないという使命、繋いでいかないといけないという使命と、個人としては生きがいを感じていますので、楽しみながらしっかり続けていきたいなと思います」

4年の時を経て止まっていた時間が再び動き出しました。ハーリージョーグーたちの爬龍船は、これからも未来に向かって突き進んでいきます。