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自転車を運転するすべての人を対象にヘルメット着用の「努力義務」が呼びかけられるようになってからきょうで1カ月です。努力義務とは「着用に努める」というものであって「被らなければいけない」という義務ではありません。なぜ、ヘルメットを着用したほうがいいのか?きちんとした理由があるようです。

自転車を使う機会増えるゴールデンウィークを機に、自転車を使う時の心得を改めて確認してみてはいかがでしょうか。

通勤・通学など日常でよく使われる自転車について先月、新たなルールが設けられました。「乗車用ヘルメット着用の努力義務化」です。改正道路交通法でこれまで13歳未満の子どもを持つ保護者に課されていたヘルメット着用の努力義務が先月1日から、自転車に乗る「すべての人」に対象が広がりました。

自転車のヘルメット着用「努力義務化」から1カ月

新しいルールが始まってから1カ月、県民の意識はというと。

通勤中の男性「法改正があったということで、(ヘルメットを)急いで買いに行って」

去年からかぶり始めた男性「(ヘルメットを)被った方がいいかなと思っています」

ヘルメットに関心を寄せる声がある一方で。

通勤や保育園の送迎などに使用している女性「やっぱり邪魔だし、子どもに着けてればいいかなって思ってしまって」「そんなに必ずつけないといけないとはまだ思えていないのでつけてないです」

通勤に使用している男性「必要だろうなとは思ってる」Q.まだ被っていないが?「まだだね」「今の(ヘルメット)は見てくれが悪いから、(帽子を指さして)こんな感じで中がヘルメットになったら買うよ」

必要性を感じなかったり、恥ずかしかったりで着用に踏み切れないという声も少なくありませんでした。県庁前で平日朝8時から1時間、ヘルメットを着けた自転車を数えてみると自転車利用者129人のうち、わずか15人しか着用していませんでした。その中で、女性は一人も被っていませんでした。

自転車のヘルメット着用「努力義務化」から1カ月

通学中の中学生「前髪が崩れたりして「あ~」ってなっちゃうことがある」

ヘルメットの着用はあくまで「努力義務」のため、罰則や罰金はありません。「個人の判断」にゆだねられているのが現状です。

ヘルメットの「ある」「なし」が生死を分けた事故がありました。京都府で自転車どうしがぶつかり、ヘルメットを着けていた40代の女性は頭や肩を打撲する軽傷で済みましたが被っていなかった60代の男性が、頭を強く打つなどして死亡しました。

県内では去年1年間で自転車が絡む事故が246件発生していてこのうち、重傷を負った35人のおよそ9割がヘルメットを着けていませんでした。

JAF沖縄支店・平良克哉さん「速度が出ていない自転車だと大けがをしないと思われがちなんですけども、決してそうではなくて、例えば道路と歩道の緩やかな段差に速度が遅くてもハンドルを取られてしまって、転倒して大けがということも多くあります。」

自転車事故は頭を打つことが多く、後遺症が残るケースも目立ちます。命を守るツールとしてヘルメットの果たす役割が高まっています。

事故に遭った場合どのぐらいの衝撃が、頭を襲うのでしょうか。JAFが実験した映像で検証します。親子3人と男性1人が乗る2台の自転車、双方が、時速20キロで衝突しました。ぶつかった反動で、うしろの子どもが左右に大きくゆさぶられた後3人乗りの自転車がバランスを崩して転倒した時に頭を地面に打ちつけました。

ヘルメットを被っていれば脳へのダメージを17分の1に抑えることが出来るといいます。ただ被っていればいいというわけではありません。あごひもを締めないなど「誤った着用」で障害物にぶつかった時にヘルメットは投げ出されとばされることもあります。

自転車のヘルメット着用「努力義務化」から1カ月

JAF沖縄支店・平良克哉さん「頭のサイズに合ってないと万が一の事故のときにせっかくかぶっていてもそれが外れたり ずれたりして頭が結局はぶつかってしまってけがをしたりする」

浦添工業高校では先週、ヘルメットの着用を促す締結式が開かれました。

浦添警察署 砂辺操署長「県民になかなか周知が徹底されていないのかな?ということで」

この日は自転車のロードレースでリオ オリンピックにも出場した内間康平さんが競技中に遭遇した自身の体験をもとにヘルメットの重要性を訴えました。

内間康平さん「コンクリートとぶつかって、例えばこんなガーってぶつかって、へこんでそのままガーっといくんですよ。そしたら無くなるんです、半分くらい。3分の1か、ヘルメットのこの部分が(なくなる)でも、それがあったからこそ無事で、走って来れた」

自転車のヘルメット着用「努力義務化」から1カ月

講義を受けた生徒「ヘルメットが削れる、転んだときとかに削れて3分の1ぐらい無くなるとか聞いたときに着けてないと死にそうだなと思いました」「まだ持ってないので買おうと思います」

今回の締結式で地元の交通安全協会から浦添工業に5つのヘルメットが手渡されました。生徒たちがヘルメットを試すきっかけになるよう貸し出すことが検討されています。

ヘルメット着用を体験した生徒「もっと重いのかなと思ってたら結構軽くて、動きやすくて守ってくれるのでいいのかなと思いました」

ヘルメット着用を体験した生徒「安心感はすごいでかいですね、なんか頭が守られている感というか」「日頃自転車使うので、ヘルメットをちょっと着用していこうかなと思いました」

自転車のヘルメット着用「努力義務化」から1カ月

自らの命を守る大切な必需品として今一度その重要性を認識し、着用することが求められています。