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SDGsプロジェクト「ニコッと笑える未来へ」です。一つの企業だけではどうしても限界があるところを、複数の企業が力をあわせて進めていこうとしているSDGs活動があります。

会社の中で育てた野菜が子どもたちのもとに届くというもので、どうすれば長期間続けられるのかというところにこだわり、少しずつ輪が広がっていました。

笑い声が響き渡る和気あいあいとした雰囲気のなか、小さな口を大きく開けて野菜を頬張る子どもたち。先月、宜野湾市にある子ども食堂にレタスやキャベツなどの野菜がパックに詰められ届けられました。実はこの野菜、畑の中で育てたものではなく、「オフィスの中で」つくったものなんです。

子どもの貧困問題の解消に貢献したいと県産食材を使った食品の加工、販売に携わる企業が「478ファーム」と銘打って8カ月前に始めました。

SDGsプロジェクト #5 オフィス野菜 子どもの「食」支える

478COMPANY・與那覇仁社長「毎食食事がないっていう子も、実は見た目は普通の小学生だったりもするんですけど、これは貧困をなくすというよりも、大人たちが関わって何かやっているということの方が大事だなというのが先にありまして」

協力したいと名乗り出た企業がサラダ菜やサニーレタスなどの葉物野菜をオフィスで育てられるキットを購入するところから始まります。虫や雑菌の心配が軽減できる特殊な土が使われていて、水を与えるだけで3週間で収穫できる仕組みです。

収穫量が異なる3つのプランが用意されています。次のキットと交換するときに大きくなった野菜が回収されて、子ども食堂に届けられます。

478COMPANY・與那覇仁社長「きっかけ作りなのかなと思って、子どもたちの自尊心芽生えさせるというか、私たちは1人じゃないというか、社会に関わって生きているんだって実感をしてもらえるようなことになればいいなと」

「貧困をなくそう」や「飢餓をゼロに」「住み続けられるまちづくりを」など、17の開発目標のうち12項目に該当するということです。

SDGsプロジェクト #5 オフィス野菜 子どもの「食」支える

478COMPANY・與那覇仁社長「もっと前から色んな方々がボランティア的に食料だったりだとか基金だとかをやって、ずっとそれをやっていったことだと思うんですよ。でもそれを17に分けて、そこに向かいやすいようにという一つの指標ができたという風に思っていて、でそれを広めて継続させるにはどうしたらいいのかと。半年やりました。1年やったから私の番は終わりです。ということではなくて、少しずつでもずっと続けていくことが大事だと思ったんですね」

栽培キットには野菜だけではない、意外な効果がありました。スタッフ同士の新たなコミュニケーションが生まれたり、オフィスに緑があることで癒しにもなったりしているといいます。

新規の導入企業・あったかJAPAN・崎原友明 社長「植物とか置いてなかったんですけど、(きょう改めてこういう形で置かせていただいて)会社の雰囲気がちょっと明るくなったような印象は受けますので、ちょっとうれしいですね」

現在、プロジェクトに賛同する企業は20社以上になっています。

SDGsプロジェクト #5 オフィス野菜 子どもの「食」支える

既存の導入企業・ポイントピュール・大道敦社長「1社で全部できないから、できるところができることを少しずつね。例えば我々だったら環境問題やっている、478COMPANYさんは貧困問題やっている。できる人ができることを少し、みんなで協力しながら循環していくのがぜひ沖縄から発信していった方がいいと思います」

既存の導入企業・トランスコスモス・久米愛子さん「(SDGsは)結構身近な所からできるんだなという印象は持てるようになりました。託児所の子どもたちが水やりをしてくれるので、その子どもたちの水やりやっている風景とかもすごく癒される光景になっています。食育とか貧困のサポートとかそういった所もトータルでできるすごい良い取り組みだなと思います」

野菜の支援は、子どもたちの栄養バランスや経費の面も考えたい子ども食堂にも喜ばれています。

SDGsプロジェクト #5 オフィス野菜 子どもの「食」支える

子どもの居場所「にじいろかかず」富田杏里 代表「お肉とかお魚、たんぱく質を準備することで精一杯なので、こうやってお野菜サラダの状態でいただけると添えるだけですぐに食べさせられるし、あとはタコライスのお野菜として使ったりとかすごく便利で栄養バランスも取れて助かってます」

子どもたち「食感はシャキシャキだった」「美味しい」

支援や助け合いの輪は徐々に広がってきています。78ファームでは100社の協力を得て、月におよそ7000食から1万食のサラダの提供を目指しています。

478COMPANY・與那覇仁社長「みんなで良くなっていこうというような気持ちが育っていけばいいなっていう、今の大人もそうですけど、子どもたちもそういう関係性になっていければいいなって思ってます」

将来を担う子どもたちが安心して成長できるよう支えたい!そんな思いの種がまかれ、根を張り、社会に芽を出して、幸せという大きな実りをもたらそうとしています。