感染拡大と緊急事態宣言のいたちごっこで我慢を強いられる生活が長丁場となっています。そんな新型コロナの煽りを受けているのが大学生たちで、貴重な収入源であるアルバイトが満足にできない状況に陥っています。経済的な苦しさを感じている学生を支援する動きが、少しずつ広がりを見せています。

ジャケットの着心地を確かめる学生たち。お目当ては、就職活動の必需品「リクルートスーツ」。一見、デパートの売り場のような雰囲気ですが、ここに並んでいるものは、スーツも鞄もすべて無料なんです。

来場者「働いていたところが潰れちゃって、新しいバイトを探して、今始めたばっかりです」「飲食店のアルバイトをしていたんですけど、コロナの影響もあって、閉店、一時休業しますっていうので、アルバイトもなくて、こういう機会があったら、とてもありがたいと思います」

コロナの影響で、アルバイトの収入が減った学生などをサポートしようと、先月、沖縄銀行が支援に乗り出しました。従業員らが過去に就職活動で利用したスーツや鞄をリサイクルして、就職活動を控えた学生に対し無料で提供します。

県内の大学や専門学校に通う学生であれば誰でも利用することができるとあって、用意された40着のスーツや鞄は、瞬く間になくなりました。

沖縄銀行総合企画部・原千春さん「とても興味をもっていただいて、嬉しいと思う反面、これだけの方がこんなに必要としているんだというところを見て、すごく考えさせられた。また必要なものを必要な方へ届ける取り組みを今後も継続していきたい」

こうしたコロナ禍の学生を支援する動きは、県内で広がっています。

このうち、西原町の社会福祉協議会では、2月から継続して学生向けの食料支援に取り組んでいました。

経済的な苦しさ抱える学生への支援

琉球大学などに通う学生が多く暮らす西原町。社会福祉協議会では、平日の午前9時から午後5時まで、窓口で1週間分の食料と日用品を配布しています。

受付「1週間過ぎて、また足りないというのであれば、また、こちらに用意してありますので、いつでもお気軽にお越しください」

町内在住の大学生や専門学校生が対象で、先月までにおよそ400人が利用。その多くが、親元を離れて暮らす県外出身の学生や留学生でした。

西原町社会福祉協議会・比嘉若奈さん「学生は制度の狭間というか、支援の網に引っかからないという部分で見落とされがちといいますか、私たちも実際に見落としていた」

食料支援を利用した静岡出身の大谷さん。琉球大学の2年生です。

琉球大学2年生・大谷さん「(Q:友達とご飯行ったりとかは?)ないです。本当に行ったのいつだろうっていうぐらい、行かないです」

家賃や食費など、月8万円の生活費はすべてアルバイトと奨学金でまかなっています。

昼は食堂、夜は居酒屋と2つバイトを掛け持ちしていましたが、緊急事態宣言の影響で、バイト先の居酒屋が休業となり、今は、貯金を切り崩しながら生活しています。

経済的な苦しさ抱える学生への支援

琉球大学2年生・大谷さん「今は勉強の不安よりも生活していけるかの不安のほうが大きい。生活していかなければ、家賃とか払えなくなったら学校にも行けないので、まず、先に生活の不安があって、その次に勉強みたいな感じになります。ちょうど妹も高校受験の年で、学費とかにもお金がかかる、生活にもお金がかかるという状況で、むこうもむこうで大変な思いをしているので、頼めない。頼んでもたぶん、ちょっと厳しいかなという状況です」

まわりに頼れる大人がいない中での食料支援は、大きな支えのひとつです。

琉球大学2年生・大谷さん「すごく助かったっていう気持ちになります。見えないところでたくさん困っている学生もいると思うので、本当に少しだけでも学生に目を向けてほしいです」

西原町では今、より多くの学生に手を差し伸べようと、大学と協力して、周知の方法を模索しています。

西原町社会福祉協議会・比嘉若奈さん「もし学生さんから何かありましたら、一度問い合わせてごらんっていう感じで伝えてただけると、提供できると思います」

この日は、琉球大学の学生支援課と情報交換をしました。

琉球大学・金城徹学生部長「大学としても非常にありがたいことだと思っています。特に今年については、入学料免除の申請が去年の2倍以上になっていることを考えると、経済的に困窮している学生増えていると認識しております」

西原町社会福祉協議会・比嘉若奈さん「学生には、みんなが見守っているよということで、何かあったらSOS出してくださいということで『ちゃんと見守られていますよ』ということを伝えていきたい」

学生たちが抱える経済的な苦しさや不安。その小さなSOSを聞き逃すことなく、支援を行き届かせることが今、求められています。