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仲間の大切さを改めて感じるひと時となったようです。毎年行われている不登校の子どもたちと音楽家たちの発表会。コロナ禍で例年通りとはいきませんでしたが、心の繋がりはそのままに、元気な音楽が響きました。

先週土曜日、不登校の子どもたちと音楽家による音楽発表会が開かれました。

コロナ禍で配信にも挑戦 不登校の子どもたち 音楽で心つなぐ

対人関係や家庭の事情など様々な理由で学校にいけなくなった子どもたちを音楽で元気づけたいと、県内で活動する音楽家団体が2年前から始めたものです。

毎年2月の発表会に向け、月に1回、子どもたちの居場所となって自立を支援する「kukulu」でワークショップを開き、練習を重ねてきました。

しかし今回は、新型コロナの影響でkukuluでの受け入れ人数が制限される時期もあり、ワークショップの開始も延期になってしまいました。

国吉英樹さん「誰ともしゃべることがないまま一日が終わるってことが多くて。ちょっと寂しかったです」

おととし、大学生になった英樹さん。授業がオンラインに切り替わり、家にいる時間が増えました。友達とも会えない日々はどこか物足りなかったといいます。

英樹さん「人ってしゃべらないと心が腐るというか。しゃべるとすごく楽しかった」

高校を卒業し、働き始めた人もいます。いつもみんなを引っ張ってきた飛翼さんです。

コロナ禍で「不登校の子どもは外出自粛にストレスを感じない」という世間のイメージに違和感を感じました。

コロナ禍で配信にも挑戦 不登校の子どもたち 音楽で心つなぐ

新城飛翼さん「不登校イコール外に出ないというのは、ちょっと違うなと思う。学校に行きたくないというだけで、外に出ないというわけじゃないから。みんな外に出たいわけです」

例年より1カ月遅れでスタートした今年のワークショップ。気心の知れた仲間と再会し久しぶりの楽しい時間でした。

毎年、たくさんのお客さんを前に1年の集大成を披露してきましたが、今年は無観客での発表です。しかし、こんな時だからこそ仲間との繋がりを大切にしたいと、うるま市にある子どもたちの居場所「カラフル」や「うるまkukulu」とも中継を結びながら、会場の様子をYoutubeで生配信することにしました。

コロナ禍で配信にも挑戦 不登校の子どもたち 音楽で心つなぐ

作曲家・鶴見幸代さん「今まで大事にしてきたものを続けていくかっていうのは本当に共通の課題で。なんとか続けていきたいから、どうやってやろうかっていうのは年中話し合ってました」

飛翼さん「コロナだとか不安だというのじゃなくて。じゃあまた頑張ろうみたいな。こういうのを見て希望を持てたらいいなと思います」

コロナ禍で配信にも挑戦 不登校の子どもたち 音楽で心つなぐ

演目は合わせて10以上。アドリブ満載の演劇や…遊びの中で見つけた音などが発表されました。そして、英樹さんの実体験をもとにした朗読劇も…。

英樹さん「むかしむかし…」

大学の授業を受けて、将来への不安が高まったことをきっかけに考え出されたのは「絶望太郎」。希望を持てず孤独だった主人公が仲間と出会い、居場所を見つけることで絶望に打ち勝つ物語です。

コロナ禍で配信にも挑戦 不登校の子どもたち 音楽で心つなぐ

「少しずつ打ち解けていきました」「これが友達なんだと思うと、うれしくて飛び上がりました」「絶望はどこかへ飛んでいき…」

英樹さん「もし今苦しいとか生きづらかったら、広い世界で居心地のいい場所を見つけよう」

コメント欄には配信を見ていた人からの感想が寄せられました。

『たのしそう』『BGMが最高だ』『面白い音がいっぱい』

作曲家・鶴見幸代さん「きょうの創作は自由な発想の創作なんだけど(来年度は)もう一歩上の音楽に挑戦したいと思っています」

コロナ禍で配信にも挑戦 不登校の子どもたち 音楽で心つなぐ

英樹さん「別に人と関わらなくても生きていけると思ってたんですけれども、全然そんなことなかった。(コロナが)収束しなくても、みんなとの関わりは大事にしていきたいなと思っています」

音楽でつながった仲間との時間。コロナ禍での孤独や不安を吹き飛ばすあたたかい発表会となりました。