浦添市 アイム・ユニバース てだこホールの練習室。新崎誠実(あらさき なるみ)さん洋実(ひろみ)さん姉妹は宜野湾市出身。国内外のイベントやコンサートで活躍するプロのピアニストです。

姉の誠実さんは沖縄を拠点に妹の洋実さんは大阪・豊中市を拠点に音楽活動を続けています。この日、2人が行っていたのはリモートによるコンサートの打ち合わせです。

「聞こえてる?」「うん」「3,4回目にさやかちゃん入ってくる」「入る入る」

あさっての日曜日、てだこ小ホールでは新崎さん姉妹、それに埼玉県在住の打楽器奏者野尻小矢佳(のじり さやか)さん、3人のアーティストによるコンサートが行われます。

当日は姉の誠実さんと野尻さんが会場のてだこホールで演奏。妹の洋実さんは大阪・豊中市からリモートで演奏に参加します。

コンサートは300人規模のホールに1組4人までの24組限定と観客数を少なくして開催されますが、てだこホール公式チャンネルでもWEB配信されます。会場に来て生演奏を聞く人オンラインで演奏を聞く人どちらにも楽しんでもらうため工夫が必要です。

表現の場を守りつなぐコロナ禍のてだこホール

新崎洋実さん「コロナ禍においていろいろな方々に見ていただいたり、いろいろな方々と時間を共有するという意味でもこの距離(リモート)というのはすごくメッセージになる。強いメッセージになるのではないかなと思うので、そういう意味ではすごくうれしい。私にとっては」

新崎誠実さん「リモートではアンサンブル(複数での演奏)とは言えないとかマイナスな意見を私自身も持っていたが実際にやってみると生演奏が一番良いだろうという気持ちはありながらも、それで叶わなかったこと(コンサート開催)が叶うということに気づけた」

「奥からでも吹いてくれたらいいな。」「土屋さんてだこスタッフで指笛を吹ける人はいます?」「館長さんあたりどうかな」「ちょっと聞いてみます」「できそう!!」

アーティストを裏方として支える1人がてだこホールのスタッフ 土屋和歌子(つちや わかこ)さん。今回のコンサートを始めてだこホールでのイベントをどうすれば開催できるのか、知恵を絞ってきました。背景にはコロナ禍で厳しさが増すホール運営があります。

土屋和歌子さん「令和2年度の状況でいくと740件強の(ホール利用の)キャンセルが出ている状況」

てだこホールでは県外の劇場やホールの例にも学びながら密を避け、こまめに手指消毒ができることを徹底するなど独自のガイドラインを作成して感染防止に努めています。

表現の場を守りつなぐコロナ禍のてだこホール

土屋和歌子さん「コロナで(ホールを)借りる主催者の方も「やって大丈夫か?」とかどういう対策をしたら大丈夫か?というふうに不安な方々がいっぱいいるので、そのガイドラインに基づいて利用いただけるように話しながら貸し出しをしているという状況」

その一方で

土屋和歌子さん「(新崎)姉妹のデュオコンサートが中止になってしまったという、ちょっと落ち込んだ状況の中でも二人はすごく前向きに、遠いところにいてもアンサンブルがずれ(タイムラグ)なく合わせられるというシステムが結構発展したと(2人から)聞いてリモートのアンサンブルというのが今回ある」

コンサートを運営するホールそしてアーティストにとっても苦難の時期。しかしそこから表現の場を守り、続けるための新たな方法が模索されています。

新崎洋実さん「リモートでは音楽ではないのではないかという意見もあるが、新しい可能性としてこれまで実際にコンサートに来られなかった人にも音楽を聴いてもらう、日常生活の中で音楽を聞けるということはとてもいいこと(アーティストの)原点に戻れたという意味ではすごく良かったと思う」

表現の場を守りつなぐコロナ禍のてだこホール

新垣誠実さん「コンサートは本当に私たちアーティストにとって生きがいというか生きる糧というか全てだったりするが、ステージという素晴らしいものに挑んでいくということがいかに貴重かということが分かったのでそういう気持ちを大事に持ちながら演奏したいと思う」

あさって日曜日のコンサートについて詳細はアイム・ユニバース てだこホールのウェブサイトに掲載されています。WEB配信で楽しむこともできます。

新型コロナの影響が長引く中でさまざまな仕事の分野でも活動が制限され生きる糧さえ失いかねないという状況が続いています。医療を守る、生活を守る、そのバランスは大切でかつ難しいところではありますが、てだこホールとアーティストのみなさんのチャレンジは1つそのヒントになるのではないかと感じます。あさってのコンサートの様子は来週のQプラスでご紹介する予定です。