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コロナの感染拡大とともに先が見えない不安が夜の街には広がっていて、そのしわ寄せがそこで働く人たちに及んでいます。苦境に立たされた人たちに手を差し伸べようと那覇の繁華街・松山に支援の輪が広がっていました。

松山の飲食店で働くAさん「昼と夜ダブルワークをしている状況で、夜は松山の一区で感染リスクが高かったのでお休みしてたんですね。生活面でも経済が悪くなっていく」

7月以降、県内で蔓延したコロナで収入が減ったと苦しい胸の内を明かしてくれたのは30代女性のAさん。那覇の繁華街・松山の接客を伴う飲食店で働いています。

Aさん「夜休むと夜の分の給料が無くなるので、貯めている分でやりくりしている状況でした」

Qプラスリポート 松山に広がる支援の輪

2つのキャバクラで客や従業員あわせて38人の感染が広がった松山地域のクラスター。こうした事態を受け、今月1日と2日、この地域で働く人を対象にした大規模な検査が実施されることになりました。

Aさんは検査が行われる4日前に観光客を接客していたことが気がかりだったといいます。

Aさん「夜出勤していて、内地からのお客さんが来ていたので、団体で。それでかかっているのかなと不安になって受けに行きました」

検査を受けた人は2000人以上にのぼり、その結果86人が陽性でした。また20代から30代に感染した人が多く、全体の75%を占めていました。Aさんは検査で陰性でしたが…

Aさん「ただ陰性でも後々出るかもしれないという報道もあったので、いつどこでかかるか不安ではある」

感染に対する不安や家計の問題。松山で働く多くの人がいま、苦境を耐え忍んでいます。

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こうした不安を解消しようと、県や那覇市は8月15日までの休業要請に応じた事業者に協力金を支給することを決めました。受け取ることができるのは最大30万円。経営を維持するには十分とは言い難いのが現状です。

玉城知事「ある一定、集中してクラスターを封じ込めることには成功しているだろうということで、休業要請をあえてこれから先も求めることをせずに8月15日までとさせていただいた次第」

8月29日まで延長された県の緊急事態宣言。しかし、松山の休業要請は延長とはなりませんでした。

那覇中央社交飲食業協会・伊波興治会長「いま再開しても(客が来ない状況が)9月半ば、10月に食い込んでこないかなとみなさん不安がっていますね。見通しが見えない世界になっています」

Aさん「(昼間)働きに本人が出た時に、子どもを預ける施設でコロナが発生しているとかがあったので、預けることもできなくなったり。家庭を持っている子とか、子どもがいる人とかは、生活していくのが苦難だと言っていた」

なかでも深刻な影響を受けているのが、仕事と子育てを1人でやらないといけないシングルマザーなど、ひとり親家庭の人たちです。

こうした苦境に立たされた人たちを支えようと、無償で食品を提供する取り組みが始まりました。

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那覇市社交飲食業協会・伊波興治会長「困っている人がどれくらいいるかも漠然としている。でも一日でも早く食料を提供したい。子どもたちがもしかしたらお腹がすいてるんじゃないか、食べるものあるのかなとか、そういった思いから走りました」

およそ50の企業や個人から協力を得て、米やレトルト食品、お菓子などの支援物資が100セット以上集まりました。

那覇中央社交飲食業協会・伊波興治会長「これだけの支援が集まったことに感謝ですね。うれしい限りで、感謝です」

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食料配布は事前予約制でしたが、今月8日から14日までの1週間で63組の予約が入りました。

受け取りに来た女性「とても助かります。いまこんな時期なので、買い物とかも簡単に行けないし、シングルマザーということで、家計的にも助かりました。ありがとうございます」

続々と食料を受け取りに来る女性たち、なかには小さな子どもを連れた人もいました。

幼い子どもがいるひとり親家庭にとって、満足に収入が得られない今、このような取り組みはとてもありがたいといいます。

受け取りに来た女性「いまは夜はお休みしている状態で、緊急事態宣言も延長になったので、いつ復帰できるかわからない状態です。収入も無くなって、支出は増えるので、助かります」

受け取りに来た女性「(子どもは)2歳と4歳です。いっぱい食べるし、すぐお腹空いたというので、助かりました」

新型コロナでにぎわいを失った松山。そこで働くひとり親家庭の人たちのため、支援活動はこれからも続きます。

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