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スポーツをお伝えします。10日から甲子園では、交流試合が始まりましたが先週幕を閉じた、県独自大会にはその夢舞台を追いかけ台湾からやってきた選手たちが多く出場していました。甲子園のない最後の夏を終えた彼らが今思うこととは。沖縄カトリック高校の3人の3年生に話を聞きました

沖縄の頂点をかけ、およそ1カ月に渡って熱戦が展開された県高校野球夏季大会。この大会で多く見られたのが、台湾出身の選手たちの姿。今大会には全体で10人の台湾球児が夏の舞台に臨んでいました。

彼らは日本の高校野球に憧れ、甲子園を夢見て、沖縄にやってきた選手たちです。

台湾から夢見た夏の先に

李明峰(リーミンフォン)選手「初めて外国で野球をやって最初来たときは緊張して何もわからなかったり言葉も通じなかった」

沖縄カトリック高校の3年生。李明峰(リ・ミョンフォン)君。秦逸文(チン・イウェン)君。柯苡豪(コ・イホウ)君。3人は台湾の中学を卒業後、親元を離れ沖縄へとやってきました。

柯苡豪(コ・イホウ)選手「小さい頃に(台湾の)テレビで甲子園を見ていて感動しました。それで日本の高校野球に憧れてここに来ました」

秦逸文(チン・イウェン)選手「(日本の高校野球は)負けない気持ちがすごく感じて逆転されたらし返すみたいな感じで」

憧れの日本の高校野球をするために。最初は苦労したという日本語も地道に勉強を続けてきました。

李明峰選手「カトリックの先生たち、仲間たちが優しくてゆっくり教えてもらって今よくなってきて」

そんな彼らにとって、国を越えて追いかけてきた夢の舞台がなくなったことは受け入れがたい現実でした。

台湾から夢見た夏の先に

秦逸文選手「今コロナだからしかた…(悩む)3年やってきて最後の夏だから今やってきたことを最後の夏に出せないのはちょっと…」

やりきれない気持ちも抱えながら。それでも彼らにとってこの夏は特別なものでした。

台湾から沖縄にやって来て、高校最後の夏。沖縄カトリックの3年生3人はそろって先発出場を果たしました。

李明峰選手「先発と言われた時はうれしかったです」

強豪・沖縄尚学を相手に苦しい試合とはなりましたがたとえその先に夢の甲子園はなくても3人はここ沖縄で培ってきた力を存分に発揮しました。

柯苡豪選手「ここまでやってきて間違いなく将来役に立つと思うので、自分たちは野球から学んだこと感謝の気持ちを持って将来いい大人になって恩返しできるようになる」

秦逸文選手「2年生たちは力を持っているので絶対甲子園目指せると思うので頑張ってください」

高校野球最後の夏を終えた3人。戦いの場は、野球から受験へ。

3人ともに沖縄県内での進学を望んでいます。

台湾から夢見た夏の先に

沖縄カトリック 柯苡豪君「志望校に一発で合格できるように頑張っています」

沖縄カトリック 李明峰君「沖縄も好きだからここに残りたいです」

引退からおよそ1カ月。甲子園のなかった夏は3人にとってどんな夏だったんでしょうか。

沖縄カトリック 柯苡豪君「切り替えるのは難しかったんですけど最後甲子園がなくても試合ができて良かったと思います」

沖縄カトリック 秦逸文君「自分のすべてを最後の大会に出すのが3年間やってきたことだから、それは変わらない。最後の大会ができてよかったと思います」

台湾から夢見た夏の先に

県独自大会の開催に感謝していると話す3人。夢の舞台こそ失ったものの彼らにとって沖縄で高校野球をした経験が大きな力となっていました。

沖縄カトリック 秦逸文君「日本に来て最初は言語もできなくてそれでも乗り越えて将来につながると思います。何があっても努力して乗り越えるのが大事だなと思っています」

沖縄カトリック 柯苡豪君「思ったよりはきつかったんですけどつらい時に支えてくれた人がたくさんいて感謝の気持ちを持って野球をやることを日本で学びました」

そして高校野球では叶わなかった夢があることが彼らの次のステージへの糧になっていました。

沖縄カトリック 李明峰君「甲子園は行きたかったんですけどこれは変わらないことなので叶わなかった夢の力を、次の目標に使って頑張っていきたい」

台湾から甲子園を目指してきた球児たち。また新たな夢を追いかける日々がすでに始まっています