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障害者サッカーのひとつ、アンプティサッカーをご存知でしょうか?杖をつかって片足だけでプレーする、この競技の体験会が行われました。

切断手術を受けた人という意味のアンプティ―サッカー。フィールドプレイヤーは片足でクラッチとよばれる2本の杖を使い、キーパーは片腕でプレーします。

きのう東風平運動公園には全国から18人の選手が集まり、参加希望者をつのった沖縄での体験会に参加しました。

日本では2010年から普及活動が始まり、アンプティ―サッカー協会に加盟している全国9チームがリーグ戦やカップ戦を行っています。

また日本代表チームはワールドカップにこれまで4回出場。去年行われたメキシコ大会では、予選リーグを突破して過去最高の10位に入りました。

代表の中心メンバー、エンヒッキ・松茂良・ジアス選手はブラジル出身の県系3世です。5歳の時に交通事故で右足を切断。18歳でブラジル代表に選ばれた翌年に就職で来日しました。以来日本での競技普及に汗をかきながら、神奈川県にあるチームでプレーしています。

エンヒッキ選手「沖縄にいるサッカーを愛する皆さんと、障害を持っている方でもサッカーができるというメッセージを伝えるため、いいきっかけになるのではないかと思った。」

キーパーを務めるのはブラジル生まれの県系2世、渡名喜陽堅(となき ようけん)選手。現在は沖縄在住の渡名喜選手は、20代のころ機械で指を切断。しかしそれまでプレーしていたフットサルの技術を生かし、51歳の今も大阪のチームに所属して活躍中です。

渡名喜選手「(体幹の)バランスも大変。片手は固定してやるので。」「これがきっかけで沖縄の方が知ってくれたらうれしい。」

体験会には那覇や浦添の中学生たちのチーム、EACフットボールクラブのメンバーたちが参加しました。普段は手慣れたボールの扱いも、杖を使って片足だけとなるとたいへんです。

参加した中学生「筋肉を片足(のみ)使うので、ちょっときつかった。」

参加した中学生「速く走ったり遠くまでボールを飛ばせたり、すごいなと思った。」

選手たちと一緒にプレーを楽しんだ中には社会人の姿も。宮里和明(みやざと・かずあき)さんは5年前交通事故で左足首から下が義足に。それまで続けていた大好きなサッカーができなくなりましたが、アンプティ―サッカーのことは知っていて、関心はあったそうです。」

宮里和明さん「ずっと運動をしたい、サッカーをしたいという気持ちはあったので、事故してできなかったものがちょっとでもできるとうれしいし楽しい。」

選手たちも関心をもってもらえることに感謝し、努力を続けています。

渡名喜選手「(宮里さんと)一緒に練習できて良かった。うれしい。将来的に沖縄にチームをつくる期待をしている。」

エンヒッキ選手「足がなくてもできるものだねという風にメッセージが伝わったのではないかと思う。ぜひ今後沖縄でもチームができたらと思う。」

障害者サッカーでは、知的障害者や車いすのチームなど、沖縄でも活動しているチームがあります。このアンプティ―サッカーの存在も、県内でプレーしたいという人たちに届けばと思います。