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長崎出身のフリーダイビングの世界記録保持者・木下紗佑里さん(30)が今年7月、亡くなりました。夢と感動を与えてくれた彼女の功績を見つめます。

木下紗佑里さん「体全身で自由を感じながら泳いで海を感じて、水を感じてというのは、すごく私にとってずっと魅力的なものだなと思う」

木下さん「息を止めて自分の体と対話するというか、陸上ではできない。それが本当に2分、3分しか持たないので、すごく私にとって貴重な時間だなと思っています」

長崎が生んだ世界一のマーメイド、木下紗佑里さん(30)。6年前にフリーダイビングを始めると数々の国際大会で優勝、わずか2年半で世界記録保持者にまで登りつめました。

類稀な身体能力で、世界にその名を轟かせていましたが、今年7月、30歳という若さでこの世を去りました。

木下さん「もういいかなとか、もう十分かなとかは全然思わなくて、まだもっとしてみたいし、もっといろんな海で潜ってみたいし、いろんな大会にも出てみたいし…」

地元の長崎県大村市で執り行われた告別式。受け付けには生前の写真や世界一のメダル、競技用のウェットスーツなどが飾られました。祭壇は「波」をモチーフに作られ、愛用のフィンが飾られました。遺族や友人、知人、国内外のフリーダイバー仲間など、およそ250人が参列し、別れを惜しみました。

廣瀬花子さん「紗友里が笑顔で I am OK と言って帰ってくれば、紗友里が出来たんだったら私だって絶対できる。貴女が初めて世界記録を獲った時の笑顔も涙も本当に一生忘れられない私の大好きな瞬間です。紗友里本当にありがとう。どうぞ安らかに海の中からみんなの事見守っていてください」

2015年9月、フリーダイビングの世界選手権でアジア人初の優勝を果たした木下さん。2016年4月の国際大会では水深72メートルまで潜り、世界記録を樹立。日本人初の快挙です。

さらに2018年7月の国際大会でも、ロープを引っ張りながら潜る種目で97メートルの世界記録を打ち立てました。

大村市の実家はスイミングスクールです。帰省した際は、必ず子どもたちの指導に当たっていました。

木下さん「水の中の楽しさとか水泳が基盤になっているので、これをやることの良さっていうのは私がたくさん伝えていきたいなって思います」

多くの子どもたちに夢と希望を与えてくれた木下さん。

世界を舞台にさらなる活躍が期待されましたが、7月11日、練習先の沖縄県読谷村の自宅アパートから不慮の事故で転落し、15日に亡くなりました。誤って転落したとみられています。

木下さん「結果は今よりもいいものを常に求めていきたいと思うんですけど、何よりも一番自分が楽しいと思いながらやることとダイビングをやってる幸せを常に感じながらやっていきたいなって思っています」