草柳:取材にあたっている野島記者です。辺野古を巡り、国と県が再び法廷で対立ということになりましたね。

野島:翁長知事が、辺野古の埋め立て承認を取り消して以降、国はその判断が違法だとして、知事を相手に訴訟を起こしていました。しかし、ことし3月、裁判所は双方が訴訟を取り下げ、円満解決に向けて協議を始めるよう和解案を出し、国と県は「話し合い」を始めていました。

しかしその内容は「和解」とはほど遠いものでした。

県が求めている負担軽減、普天間基地の5年以内の運用停止は目途が経っていない上に、さらに国は陸上部分の工事を先行して進めたいと言ってきています。

草柳:翁長知事の訴えも非常に強いものでしたが、今回の裁判、双方は何と訴えているんでしょうか

野島:はい。国は、国の指示に、県が従わないのは、違法だと訴えています。これに対し翁長知事は、承認を取り消した後も、県は法的な手続きを踏んでいて、国のこうしたやり方は「地方自治制度そのものをないがしろにするもので、もはや沖縄県だけの問題に留まらない」と反論しています。

さらに国は裁判所にすぐに判決を出すよう求めていて、辺野古の作業を早く進めたいという姿勢が色濃く出た格好となっています。

草柳:かなり政府側が強引に進めている印象を受けますね。

野島:政府のこうした強引な姿勢は、裁判以外でも激しさを増しています。

辺野古に反対する民意が示された参院選の翌日には、東村高江でのヘリパッド工事に向けた作業を始め、22日には、500人の機動隊を動員し、反対する人々を、徹底的に排除しました。実は防衛局は、きょう5日を、反対する人たちに求めたテント撤去の期限としていて、きょうも暑い中、高江では多くの人たちが、警戒を強めていました。

草柳:きのう、菅官房長官の言葉にも驚きましたよね。

野島:これまで政府は「基地負担」と「振興策」はリンクしていないと言い続けていましたが、きのうの発言では、跡地利用の予算などを引き合いに出した上で、一部リンクしていると明言しました。そして、それが減らされる要因として、普天間基地などの移設が進まないことなどを上げました。アメとムチで翁長知事を、ひいては沖縄を揺さぶっているのがわかります。

草柳:県と国との信頼関係は、かなりゆらいでいるように見えますね。

野島:法廷に立った翁長知事は、「自国の政府にここまで一方的に虐げられる地域が、沖縄県以外にあるのか」と強い憤りも示しました。

先ほど入ってきた、知事のコメントです。

「(今回は)地方自治の根幹、ひいては民主主義の根幹が問われる裁判であると考えております。短期間での結審となったことは、大変残念であります。裁判所においては、法の番人として、憲法を起点として保障されている地方自治の本旨に鑑み、公平な判断が示されることを期待しております。」

改めて、司法の判断に注目が集まることになります。

記者解説 国と県が再び法廷闘争へ 裁判の意味とは