ひとりの女性の命が奪われたこの事件を受けて、8日、アメリカから一人の元兵士が沖縄にやってきました。彼女が語ったのは、私たちの知らない”軍隊と暴力”の深い関わりでした。

被害女性への追悼と事件の抗議のために開かれた昨夜の集会。そこでマイクを握ったひとりのアメリカ人女性。アン・ライトさん。元アメリカ陸軍大佐で、外交官も務めた女性です。

アン・ライトさん「軍隊の任務、それは暴力的になることです。合衆国の命令の下に人々を傷つけることです」

およそ30年間、アメリカ軍のために仕事をしてきたライトさんは、イラク戦争が始まる直前、陸軍時代の写真ブッシュ政権に異議を唱えて辞任しました。

ライトさんは、この事件では、元海兵隊員だった容疑者が軍隊で受けた訓練が犯行に影響しているのではないかと指摘します。

アン・ライトさん「見ず知らずの女性を襲ったこの事件は、イラクやアフガニスタンで米軍が行った軍事行為を思い起こさるのです。みんな幼いころから『人を殺してはいけません、傷つけてはいけません』と親から教えられて育ちます。しかし軍隊に入ると同時に『人を殺せ』と命令されるのです。それを出来るようになる方法は“人間性を失う”ことです」

暴力を強いる軍隊の訓練が、時に社会の犯罪につながっていく。そう訴えるライトさんを前に、講演会で沖縄の女性も登壇しました。彼女自身も17歳の時、アメリカ兵に暴行された体験を誰にも話せずに生きて来たといいます。

金城葉子さん「その頃はPTSDとかフラッシュバックという言葉も知りませんでしたから、何度も何度も自分の中で起こる恐怖と闘いながら、いつそういう状態になるか怯えながら暮らしていました。これは米軍基地があるがゆえの被害だったんだとつくづく思って。私はこうやって声を出して訴えることができますが、まだまだ黙って何も言えない人は私の後ろにいっぱいいっぱい、たくさんいます」

「誰にも言えない」それは、ライトさんも多くの被害者から聞いていたことでした。数年前、軍隊時代の友達から「基地内で暴行された」と告白を受けたのです。

アン・ライトさん「『なぜ誰にも言わなかったの?』と聞いたら、彼女は『言えなかった。犯人は軍医だったから』と言ったんです。軍医ですよ。(私が米軍にいた頃)基地内でレイプが起きていることはみんな知っていたんです。しかし女性兵士たちは声を上げることが出来なかった。」

アメリカ軍の中でも、声を上げられない被害者たちがたくさんいると訴えるライトさん。「米軍基地内の被害者と沖縄の人たちが協力することがこの問題を訴える方法だ」といいます。

アン・ライトさん「基地の内外を問わず、軍隊の暴力は家族や隣人に向けられ続けている」

アメリカ軍基地の中でも性暴力被害者は4人に1人。軍隊と暴力は切り離せないというのは衝撃的ですね。

アメリカ軍絡みの事件事故は、個人の問題ではなく、組織の問題。「軍隊の暴力をなくすには、基地をなくす以外に方法はない」とライトさんは訴えていました。

軍隊の暴力性を問う