きょうからスタートする新企画「つながる」。私たちの暮らしの中で起きる様々な課題や問題について、掘り下げて考えていきます。きょうは、多様性が求められる社会の中にあって性同一性障害について考えます。

去年、文科省は、性同一性障害、LGBTの児童生徒に対しきめ細やかな対応を求める通知を出しました。通知から1年、今、学校現場ではどんな取り組みがされているのでしょうか。

ことし3月に行われた沖縄大学の卒業式。当時、福祉文化学科に通っていた性同一性障害の與那覇裕和さんら2人は、全ての学生が自分らしく堂々と学校生活が送れるようにと活動を行い、表彰を受けました。

『通称名の使用を正式に認めるなどなどの要望書を大学へ提出しました。自分たちの力で大学を変えていきたい。という気持ちを持った彼らの行動はきっと同じような思いを抱える学生、これから続く後輩たちの心を救う勇気ある行動です』

沖縄大学では、與那覇さんたちの働きかけや、那覇市が性の多様性を尊重するレインボーなは宣言を出したことなどから、医師の診断書を提出するなどの条件の下、通称名の使用を認めました。

沖縄大学・山代学生部長「障害者差別禁止法が施行されて、合理的配慮が求められるようになった。LGBTに限らず、生きづらさを感じる人たちすべてがちゃんと学べるという大学をつくっていかなくてはいけない」

こちらは、先月1日に全国の教育委員会向けに出されたパンフレット。

2014年度、学校における性同一性障害に係る相談件数は606件、個別の対応例としては、トイレ、更衣室、制服など服装の配慮の順に多かったこと、また、家庭や医療機関との連携などについて記されています。

当事者たちは、どんな環境の中、学校に通っていたのでしょうか?

下里さん「『女子生徒の制服をきたいですか?』とか、小学校まで中学の先生が出向いてくださった。それを話すことについて、まわりと違うとうような現実をみせつけられてしまって」

性同一性障害に悩む子どもが、ストレートに浴びせられる言葉で傷つくこともある一方、学校への相談ができず苦痛な思いを抱えながら女子の制服を着ていたという宜保さん。

ですが、高校2年からは、性同一性障害に関わらず女子生徒もズボンがはけるようになり、気持ちが一変しました。

宜保さん「ストレスが半減どころじゃない。自分を出してもいいじゃないですけど、ちょっと出せるようになったと思います」「(Q学校現場へ求めることは?)当事者がいるかもしれないと思って接して。事前に対応ができるような状況をつくってもらいたい。(Q当事者と学校側の配慮にずれが生じないためには)当事者にどういう風な対応をしてほしいのかしっかり聞いて、一緒につくっていく形が一番いいんじゃないか」

那覇市の上山中学校。文科省からのパンフレット配布をきっかけに一般教員への周知が始まりました。

上山中学校 養護教諭・外間さん「LGBTという言葉が浸透するまでにまだ時間がかかるかなとう感じは受けました。他の人がどうだとかアンテナがいかないので、自分がおかしいのではないかと思って打ち明けられないというような時期でもあると思う」

性についてのゆらぎも生じるという思春期。上山中学校では、悩みをきくために継続的にアンケートを実施しているほか、今後はトイレや更衣室の整備、性同一性障害に関する本を図書館に置くなど、声をあげやすい環境にしていきたいとしています。

上山中学校 養護教諭・外間さん「自分の性を決めるのは本人である。これまでの男性女性という概念ではなくて、その人本人が決める性というもので、制服も選ぶ。ということを私たち職員も考え方として柔軟に取り入れて対応する必要があると思う」

あくまで自分の性を決めるのは個人であるということに社会が理解を示す。

その第1歩として、社会の一歩手前とも言える学校現場での寛容さや許容する姿を通して学んだ子供達が社会に出た時にLGBTに対する認識をより理解する社会につながることを期待したいですね。

つながる × LGBT “学校”で考える性同一性障害