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県内の失業率は高く、就職場所もなかなか見つからない今日ですが、それならば起業しようという学生たちがいます。そんな彼らをサポートし、育成しているのが県内の民間企業なんです。なぜ、企業が育成を?そして彼らの奮闘ぶりを取材しました。

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英語で自己紹介しているのは、国立高専などに通う学生たち。一見、学校の英語の授業にみえますが、そうではありません。彼らは、起業家を目指すメンバーです。

実は、これ沖縄の若者をITで世界で通用するような次世代のビジネスリーダーを育成し、発掘しようと始まった本格的な実践型人材育成プロジェクトなんです。その名も「ITフロッグス」。今回は80人の応募の中から5人が選抜されました。

このプロジェクトを仕掛けたのは株式会社レキサス。インターネットのサービスの提供や携帯電話などのアプリを開発している会社で社員数60人。社員の平均年齢が30歳と若くて勢いある企業です。

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レキサス・比屋根隆社長「補助金を使う人材育成たくさんあるんですけど、一つ、自立というテーマを掲げて、民間でお金も人もだして、知恵もネットワークも使うような、そういう人材育成の事業モデルを作っていきたい」

比屋根社長は学生の頃に会社を起業。その後、世界一流のIT企業が集まるアメリカのシリコンバレーを訪ねたとき、日本とのスケールの大きさの違いに驚いたといいます。

比屋根社長「若いうち、社会に縛られる前に、自分の可能性や沖縄のよさや課題を通して、将来沖縄で何をしたいのか?と考える気づくきっかけになれば」

こうして、4年前から始まったシリコンバレーへの派遣研修。

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ITフロッグスから育った1期生の一人前田さん。彼は、シリコンバレーで刺激を受け、今、比屋根社長のもとで来年の独立を目指し、新たなサービスを開発中です。

前田俊博さん「ただ起業するだけじゃなくて、どうせならITを使って沖縄の為になるサービスを作りたい」

前田さんが開発したのは、沖縄のNPOに寄付が出来る携帯電話のサービス「琉球AID」。どこからでも簡単に寄付が出来るサービスを来月から配信予定です。

前田さん「シリコンバレーに行くというのは、すごく刺激がもらえて、自分を成長させるきっかけにしか過ぎないと思っていて。実際の勝負は帰ってきてから何をするかというのが大事だと感じるようになりました」

シリコンバレーでは、訪問したい企業や会いたい起業家などのアポイントや企画提案のプレゼンテーションも当然全て英語です。少しでも英語になれるために研修三昧の日々を送っていました。

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なかなか話せない英語に四苦八苦するメンバー。メモを取りながら英語になれるのに必死でした。ところが、研修の担当者からは、さらに厳しい言葉が・・

山崎さん「フロッグスは学校でも何でもないし、すごい人数から選ばれてここに来た。民間企業が本当は社員に還元しなきゃいけない、汗水働いて貯めた利益を、みんなに沖縄の未来をかけて投資しようとしている。その投資対象に見合わないな。伸びしろがないと思ったら、今でも止めようかなって覚悟があるわけ」

「ちょっときょうは悔しかったです」「もっともっと食いついていくべきだったけど、そういうのがまだできていない」

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2ヶ月の厳しい研修を経てシリコンバレーへの派遣目前に控えたメンバー。ビジネスにつなげるアイデアを出し合っていまいた。

照屋さん「僕ら実際にやっていて思ったことなんですけど、中部にいたり、南部、北部にいたりと全然集まれない。それを集まらずにウェブ上でできるように考えてつくったのがこのアイデアです」

のぞみさん「英語が好きで話したいけど、そんな達者じゃないって言う人たちは、もしかしたらよく使うフレーズみたいなものが簡単に引き出せたらうれしいのかもしれない」

今自分に必要なものや欲しいものから生まれたアイデアを膨らましていました。自分の課題に真剣に向き合うようになったたメンバー。あさってシリコンバレーへ出発です。

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照屋さん「今抱えているもっているアイデアとかプロジェクトをできる限り、本場の人たちの目から見て何が悪いのか何がいいのかしっかり確認して、どんどんブラッシュアップして、どんどんいいものを作っていきたいと思っています」

當原さん「沖縄が起業しやすい文化、ITが活性化するためのヒントをあちらで体感できてもって帰れたらいいなと思っています」

のぞみさん「シリコンバレーのように次々と発信していけるような、アジアの中心のような島にしていきたいので、ちゃんと肌で感じてきてそれを沖縄で生かしていきたいと思っています」

比屋根社長の熱意に賛同した企業も当初7社だったものが現在は32の企業や団体が出資し運営しているということです。自立した沖縄にするためには県だけに頼るのではなく、こうしてみんで若者を育ててく土台を作っていく必要があります。