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きのう提出された辺野古アセスに対する知事意見。ふたりの識者にこの内容をどうみるかを聞きました。その前にそのアセス評価書が去年末の未明、強引に県に提出され、審議会が開催されるまでを振り返ります。

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沖縄防衛局が環境影響評価書を県庁に運び込んだのは、暮れも押し迫った去年12月28日未明のことだった。年が明け、県は正式に評価書を受理。飛行場部分に関する知事意見作成のため、合わせて3回の審査会が開催された。

毎回傍聴者で満席となった審査会では、本来の手続きにはない、住民の意見を聞く場も設けられ、10人が様々な視点から意見を述べた。

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非科学的、非民主的と厳しく指摘された評価書に対し、審査会は2月8日、「環境の保全は不可能」とする答申をまとめ知事に提出。

20日に提出された知事意見も、ほぼこの答申を踏襲し、175点の不適切な事項を挙げて「自然環境の保全を図ることは不可能」と結論付けた。

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こうしてまとめられた20日の知事意見をもう一度見てみます。環境アセス手続きは、あくまで「環境」にどのような影響があるかを調べるものです。ですから、知事意見の本文には環境の保全上重大な問題があって、環境保全を図ることは不可能という、たった6行の結論を示しています。

ただ、その結論にたどりつく前に、本来は書かなくてもよい前文で2ページにわたって、知事のスタンスやあるいは沖縄の人々の思いを凝縮させる形になっています。地元の理解のない移設は事実上不可能、住民からやり直しの要望があったこと、国はもっと真摯に対応すべきだった、と書かれています。

今回の知事意見を、審査会にかかわった有識者の方はどう評価しているのでしょうか。審査会会長を務めた沖縄国際大学の宮城邦治教授、専門家としての知見を述べた沖縄大学の桜井国俊教授に話を伺ってきました。

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沖国大・宮城邦治教授「極力多くの住民の意見も拝聴し、そしてそれを審査会の答申の中にも組み入れたと思っております。同時にそれをしっかりとまた知事が受け止めていただいて、審査会の意見が十二分に知事意見の中には反映されていると、非常に評価しております」

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沖大・桜井国俊教授「この間、一貫して方法書の段階からあの海を守りたいという多くの県民の意見を述べている。私もその一人として意見を述べました。その意見の重要な部分を、今回の知事意見は汲んでくれたと思います。ここまで明快にアセスの結論を全否定したものは、今回が初めてだと思います。そういう意味で極めて異例なアセスであると」

今後の手続きについて

沖大・桜井国俊教授「知事は限りなく埋め立てに関してはNOと言う、それ以外の選択肢はないと思います。ただNOと言っても、その後の代執行ですとか、特措法ですとか、ウルトラCが過去になかった訳ではありませんので、この先は非常にそういう意味では不透明だと思いますね」

沖国大・宮城邦治教授「ここからは審査会のステージから、政治のステージに移ったと思う。知事があれだけ強い文言で辺野古移設は不可能だと断言しているわけですから、日本政府としてはその知事の意見、これは沖縄の住民の意見だと思っていいと思う、それをしっかりと正に誠意をもって受け止めって判断してほしい」

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では、今後の手続きを確認しておきます。3月27日に埋め立て部分に関する知事意見が提出され、県側の手続きは終わります。国は、知事意見で指摘された項目について評価書を補正し、1ヵ月間の公告・縦覧を経て、アセス手続きはすべて終了します。これで国は、公有水面の埋め立て許可を申請できるようになります。秋頃か?とも言われていますが、まだわかりません。当然、知事は許可しないものと思われますが、その場合、裁判を経て行政代執行、あるいは特措法で知事権限を奪うという強制的な方法があり得ますが、政府は今のところ、こうした手法は考えていないとしています。

今回ここまで厳しい知事意見が出されたとはいえ、政府がやめたといわない限り、直接基地建設を止める力にはならないわけです。

あくまで環境保全に対する意見で、建設の是非を問う場ではないのは明らかです。今回のアセスは、軍事的な運用も見えない、アセスが扱えない内容だったことで、県民が意見を言う場もない中、本来のアセス手続きを超えるものを含んで突き進んできた状況があります。多少の補正で手続きを終えていいのかという重い問いが残されています。