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第2次訴訟がスタートです。県と沖縄市に対し、泡瀬干潟の埋め立て事業に対する公金の差止めを求める裁判がきょう15日、那覇地裁で開かれました。

泡瀬干潟の埋め立てをめぐっては2009年、福岡高裁那覇支部で開かれた第1次訴訟で、県と市側への公金差止を認める判決が出されていて、一時工事がストップしていました。しかし、2011年に入って、沖縄市がこれまでの計画を見直し、県も埋め立て許可を承認したため、工事が再開。市の新たな計画での支出は、およそ177億円。市では、スポーツコンベンションの拠点を合言葉に、人口ビーチや多目的広場を作り、およそ1350人の雇用創出を予測しています。

前回の判決では、新たな計画の経済的合理性について「相当程度に手堅い検証」が必要だとされ、この手堅い検証と経済的合理性が第2次訴訟の争点のひとつとなっています。

15日の裁判の前に開かれた事前集会では、原告団長の前川盛治さんが「泡瀬干潟は世界に誇る宝」だと述べ、新たな訴訟の始まりに決意を新たにしていました。

15日の法廷では、原告側の意見陳述が行われ、原告の漆谷克秀さんが「新たな計画では、首里城や美ら海水族館よりも多い327万人が泡瀬に来ることになっている」と市の需要予測の甘さを批判。「事業を税金で補填することを望んでいない」と公金差止めを求めました。

それに対して、県や市では請求の却下か、棄却を求めています。

守る会の前川盛治事務局長は「世界的にも重要な場所である、生態的な特徴を持ってる場所が失われてしまう恐れがあると書かざるを得ないぐらい非常に大事な場所。裁判だけじゃなく、色んな運動と連携しながら進めていきたいと思っています」と話します。

前回は判決が確定するまでにおよそ4年半かかっていて、原告側は裁判中も進められる工事で、泡瀬干潟の生態系が後戻りできない状況になることを危惧しています。