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戦後、沖縄を占領したアメリカ軍のある将校が、終戦直後の沖縄の様子をカラーフィルムに残していました。

1945年、伊江島で微笑むアメリカ海軍、ニール・ローレンス少佐。海軍軍政府の経済部長として、沖縄の戦後復興の足掛かりを作った人物です。

彼が壺屋焼の陶工をいち早く那覇に呼び戻し、窯の再建に着手したのが、65年前の11月。初窯出しは12月25日でした。残りちょうど1ヵ月、準備は佳境に入っていたはずです。

在任中に彼が撮影したカラーフィルムには、当時の様子が色鮮やかに残されています。銃撃され穴だらけになった戦闘機や沈没した軍艦。戦争の傷跡が生々しく残る一方で、子どもたちの運動会や琉球舞踊の様子など、懸命に日々の生活を取り戻そうとする人々の姿からは「生」への力強さが伝わってきます。

ローレンスは後に、外交官や大学教授として活躍しますが、沖縄で経験した戦争の記憶は人生半ばにして、彼を聖職者の道へと突き動かすことになります。

1945年。沖縄で、そして伊江島で、彼は何を感じたのか。運命の糸は彼と日本をこの後も生涯、繋ぎ止めることになります。