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県立図書館八重山分館の存続を求める会 大田静男代表「図書館とはやはり私たちの知る権利とか学習する権利とか、そういうところの一番根幹のところですから、やはりそういうところは、図書館というのは潰してはならない」

県教育庁は2006年に策定された県の行財政改革プランに基づき、県立図書館の宮古と八重山の2つの分館を2009年度末で廃止する案を示しました。廃止理由は、市立図書館がある。分館の利用比率が悪い。

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特に離島の竹富町や与那国町には公立の図書館がなく、八重山分館の移動図書館が唯一、本に触れる機会となっています。廃止案に反発した八重山の人々は、62団体が分館の存続を求めて県議会に陳情を行い、今年1月20日の県教育委員会では分館廃止に反対する意見陳述を行いました。

大田静男代表「国民読書年に当たる本年、文字、活字によって人類はその英知を後世に伝えてきた」「このような中で八重山地域の知を捧げてきた96年の歴史を持つ八重山分館が詐術や背信によって廃止されるならば、沖縄県教育行政史上、最大の汚点と断言しても過言ではありません」

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知の宝庫を行財政改革の対象とすることに反発する大田さん。

比嘉梨香県教育委員会委員長「みんなで議論しましょうということです」廃止問題を議論した教育委員らは、2010年度は存続を決定しました。この決定を受けた翌1月21日、県の金武教育長は石垣市で説明会を行いました。

冒頭、1月13日の説明会で金武教育長は「行財政改革プランは県議会が決定した」と、分館廃止は県議会決定ともとれる発言を行い、これに県議会が猛反発したいきさつがあったため、地元に謝罪しました。

金武正八郎教育長「県の行財政改革につきましては県の執行部で施策を策定し、県全体で取り組んでいることでございます。この場をお借りして前回の発言を撤回し、お詫びをしたいと思います」

説明会に参加した女性「約束が違うのではないか。私たちがこれまでずっと存続という形で望んできて、その中でいろいろ問題があると言われたことについての解答は頂いていない」

県教育庁職員「目標というのはあくまで目標なんですよ。それを実行するだけの状況があるかということについては、まだまだ我々としてはそういう状況にないんではないかと」

参加者「学校の図書館、とっても厳しいんです。生徒たちはどこで勉強しようか、どこで本を読むかといったら、あまり人から見られない公共図書館に行くんですけど、今度はこの公共図書館が少ないのに、2つから1つなくなるといったら、ますます生徒は読めないんです」

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2月議会に県は分館を含む県立図書館管理運営費を計上。八重山分館は向こう1年間は、存続されることになりました。

親川實県生涯学習振興課長「今までは原則論の話し合いだけでお互い物別れになってきていますので」「じゃ、最終的な決着地はどうなるのかということについては、先方も考えを県に上げてもらって、我々も上げてもらって、その俎上でいろいろ整理整頓させていただくと」

そういう中、3月30日には県立図書館宮古分館が閉館。82年の歴史を閉じました。市町村合併と島々が橋で結ばれ、離島と呼べなくなった実情からというのが理由にもなっています。

県内で公立図書館を設置しているのは22市町村のみです。県は今年度から離島読書活用支援事業を実施するとしていますが、それよりも県全体としての図書館行政をどのようにするのかが見えてきません。

八重山では来月22日に図書館を考える集会を予定しています。

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大田静男代表「八重山の図書館だけの問題ではなくて、沖縄全体の図書館行政をぜひ考えて頂きたい。つまり離島である小さな島にも図書館の光をあてるべきだと思います」「ですから本土の離島における図書館行政とかそういうものを、もっともっと研究して提言をしていただく、そういう話し合いをする場をつくっていただきた」