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美ら島の提案です。きょうは、環境問題をユニークな視点で訴えるアーティストを紹介します。エコとアートの融合をテーマに制作活動を行うギマトモタツさん。ギマさんが作品に使うその材料は、捨てられるはずだったもの。不用品から環境を考えます。

那覇市のカフェで行われた個展「GIMAPOP」

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親しみやすくてかわいらしいイラストや置物が店内の雰囲気を明るくしています。これらの作品をよく見るとイラストが描かれているのは空き箱の裏側。この置物は実は新聞紙を丸めて作られたもので、こちらは、使用済みのコースターが利用されていて会場のカフェに溶け込んでいます。

ギマトモタツさん「アートとエコロジーっていうものを融合できないかなって」

「GIMAPOP」の制作者ギマトモタツさん。企業からの依頼でデザインの仕事も行うギマさんは、愛知の芸術大学を卒業し、東京やニューヨークで活動後地元の沖縄に戻り様々な作品を発表しています。

「GIMAPOP」とは? ギマトモタツさん「捨てられていく紙、ごみとなるはずだったものの裏側を使って制作される「GIMAPOP」には、今の環境問題に対するメッセージがこめられています。」

ギマトモタツさん「これがごみだと思う人にとっては一生ごみだと思うんですよ。そこでこんな風にもっていっていいんだねって、新しい考え方にもっていける人にとっては、もしかしたら新しい価値として作品が見えてくるかもしれないですね」

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消費されることが当たり前になったもの「身近なもの」の見方を変えていくきっかけ作りができればとギマさんは考えています。

児童館絵画教室/ギマトモタツさん「普段みんな絵はどんなものに描いてる?(紙)どんなかみ?(真っ白い紙)」

ギマさんが行う図工教室でも使う材料は、空き箱や紙袋の裏側です。

ギマトモタツさん「(裏紙を使うことは)ご年配のおじいちゃんおばあちゃんからしたらすごい当たり前のことなんですよ」「でもどっかの段階で紙は新しいものを使ってそこに絵を描いたり文字を書いたりしようよっていう考えが生まれてきちゃって」

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描きなれないはずの裏紙ですが子ども達は、気にすることもなく楽しそうに思い思いの絵を描いていきます。

ギマトモタツさん「どの絵も楽しくて僕が教えることないんですよ。僕が逆に教わることが多いので、楽しんでいます」

女の子「(Qたいがくんってだれ?)弟(何歳?)2歳」家族で仲良く手をつないでいる絵を描いたあやめちゃん。家族の絵を描いたバック完成「わあ。すごい!あやめ、きれい」あやめちゃんの家族への思いをこめたこの紙袋には新しい価値が生まれました。

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ギマトモタツさん「たぶん今あの子達にエコロジーがどうのっていってもピンとこないと思うので、でもいろんな紙、もしかしたら捨てるような紙でも絵もかけるし文字も書ける」「きっかけをあたえておけば、何かのタイミングで、あっこれってエコロジーにつながることなのかなって気付いてもらえればいいのかなって思います」

現在、沖縄の環境をテーマに次の個展に向けた準備をすすめている儀間さん。次の作品の材料は、実家の近くの海におちている死んだ珊瑚です。

ギマトモタツさん「小さいときはなんとも思っていなかったですけどね」「(サンゴより)かにを捕まえたり魚をつかまえたりって行為のほうが楽しくて」

ギマトモタツさん「泳がずに上からサンゴの姿はみえましたね。それが今はみることはなくて」「こういうのも落ちてるんですよ3(そういうのもひろうんですか?)一応拾える範囲は」

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幼いころの遊び場だった美しい海の急激な変化。石ころのように落ちている死んだ白いサンゴを拾いつなぎ合わせて昔みたサンゴの形を再生させようと考えています。

サンゴの制作現場・ギマトモタツさん「一つ一つ小さい枝ですけど昔はきっとこういう形だったんじゃないかなって。そのイメージに近づけることができたら、ちょっとでもできらたらできあがった珊瑚はなにかしら力を持つものになるんじゃないかなと思います」

「GIMAPOP」と同様にめざしているのは、きっかけ作りです。ギマトモタツさん「僕が作った珊瑚を別の人が見て、また何か自分達でできることをやるか、もしくは海のことにもう少し目をむけてくれるか、それがきっかけとなる作品になれば僕は一番うれしいですね」

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アーティストならではの発想で様々な提案をし続ける儀間さん環境問題がある限りその制作活動がつきることはなさそうです。

「SANGO SHOW3」8月11日〜16日 県立博物館・美術館 県民ギャラリー 

「夏休み親子 エコポップワークショップ」8月22日 10〜12時、14〜16時 県立美術館・博物館 こどもアトリエ)