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割引きや特典が受けられるクーポンは新聞のチラシや雑誌など本当にいろんなところで見かけますが、クーポンを発行する側にとっての問題はその費用対効果です。1000枚印刷しても、利用率はその1%から3%というクーポンがほとんどということですが、県内では、このお店の利用率を飛躍的に高めるクーポンの開発に成功した会社が2つあります。果たしてどんなクーポンなのか? 岸本記者の報告です。

那覇市の産業支援センターに本社を置くアイディーズ。この会社では全国の28社、2300の店舗と契約し、クーポンを個人の自宅に発送しています

「これはダイレクトメールで自宅に届きますけど、この会員さんが先月いくらお買い上げになったかという金額が(クーポンに)印字されていて、それによってサービスの内容が個人個人で変わってくる」

驚きはそのクーポンの利用率です。

「最低でも(利用率は)75% 通常では80%から90%を超えます。」一般的なダイレクトメールの利用率は1%から3%。ではなぜこの会社のクーポンはその驚異的な数字を実現できるのか?

その理由は、送付先を一定の額以上の買い物客に絞り、さらに購入履歴から、その人が日頃から良く買う商品のクーポンをつけたこと。有効期限も設け、買い物客が「期限内に使おう」という動機付けにつなげています。

しかし問題は「コスト」でした。

「チラシとコストを比べると100円くらいします。一通あたり。郵送費込みで。」「スーパーでこんなクーポン券を持ってくることはありえない」

社長はクーポンの効果を示すため、賭けに出ました。

「九州の最初のスーパーの挑戦の時には、成果報酬型と言ってクーポンの製作費も郵送費も私達で負担しまして、クーポン券を(お客さんが)持ってくると一枚当たりいくらという契約交渉をしました。」

こうして実績を積み上げ、北海道のスーパーではアイディーズのクーポンを導入後、3年半でひと月の購入が3万円以上の買い物客が6万人から15万人へと2、5倍も増加。那覇市のペットボックスも去年12月からこの割引クーポンを導入しています。

店長「(ひと月で客が)2000人から3000人くらいは増えているかなという感じですね」

この店では、ひと月の購入金額が3000円以上と6000円以上の買い物客に対し、それぞれ1割の割引券を送付。割り引き分を差し引いても売上げは月平均で800万円増加しました。

お客さん「あれば便利ですよね。これを使いたいと思って来た』

お客さん「私はお魚とか飼ってるので、水草とかそういうところにクーポンを使う」

店長「差別化できるというか、クーポンがあるからペットボックスに買いに行こうというのはお客様には広がっていると思う」

一方、こちらはインターネットと携帯を使ったクーポンを開発したネットリンク。

「アフィリエイトというのが非常に伸びてきていると、そこに我々も注目しまして」

アフィリエイトとは日本語で『紹介』のこと。ウェブサイトやブログの中で、店舗の情報を得た利用者が携帯電話にその特典クーポンを取り込み、お店で提示。実際にクーポンが利用されると、その店舗からネットリンクに広告費として300円、その中からブログなどで店を紹介した人に90円が支払われるという仕組みです。

『我々の場合は成果に対してかかる費用ですから、無駄な広告費が一切かからない。低コストでまた無駄な広告費がかからない広告宣伝ができるという特徴が出来るということですよね」

2年前に本格的にスタートしたこのサービス。今は加盟店舗も800に増え、沖縄タイムスなど、10のポータルサイトや370人のブロガーがお店の情報をネット上で紹介しています。

「携帯クーポンでお願いします。」店員「特典をサービスさせて頂きますね!」

浦添市にあるエステと喫茶店を合わせたこのお店。この日の特典は「除菌スプレーかローズウォーター」。店は、ネット上で特典の種類も自由に変更できます。

女性客『いろいろ割引とかついてるので、持っていけば得にはなるので』『加盟店が結構あるので、使用できるところは使用する自分のブログとかでも紹介します。』

先月1か月の間に県内の様々な店の広告画面がクリックされた回数は2万2000を超えています。

店長「ブログって何って感じだったんですけど」「やはり一般的なものというか、チラシというかいろんなものがあると思うが、断然うちの店では宣伝効果が現われていると思う。」

ネットリンクでは、さらに会員を増やそうと今月から、ポータルブログの運営も開始しています。景気が悪化し、企業が真っ先に宣伝費を削る中、沖縄から誕生した新しい広告モデル。2人の社長はビジネスを沖縄の発展にもつなげたいと夢を語ります。

『どうしても沖縄に仕事を持ってきたいということなんで月間100万通を超えてまして郵送に関しては県内No1になっています。データセンター 印刷 入力センターを含めて沖縄での雇用を促進していきたい。』

『やはり今後は県外からの観光客の誘致につながるモデルだったり地域活性化モデルとして是非普及させていきたいなと』

広告の世界も、時代の変化に合わせて物凄いスピードで進化してるんですね〜。

そうですね〜アイディーズは、顧客の満足度が高いサービスを生み出したということで、経済産業省の「ハイ・サービス日本300選」に沖縄から初めて選ばれ、一方のネットリンクも、ビジネスモデル特許を現在、国に出願中ということです。今後の展開がますます楽しみですね。