※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
News Photo

原油価格の高騰による様々な商品の値上げは8月に入ってもまったく納まる気配を見せていません。

食品の値上げ分がますます家計に重くのしかかっていますが、そんな中、消費者の行動にも変化が出てきているようです。

限界にまで追い込まれた消費者や業界の声です。

岸本記者「こちらのガソリンスタンド、きょうのレギュラー一リットルの値段は172円ですが、今月中に190円に迫る可能性も出ています」

わずか4か月前には120円台だったレギュラーガソリン。

白バラ洋菓子店・国頭正一郎工場長「お菓子の原料である卵、砂糖、小麦粉、もちろんバター。とにかくすべて値上がりしているので、これからどうしようかと」

酪農家・金武雅代さん「牛に与えるエサの量もギリギリのラインに落として、トントンか赤字くらいでやってる状況です」

物価高は一般消費者の家計も直撃しています。家庭用の油は3割程度、100円から150円の値上げ。

スパゲティやマヨネーズといった加工食品も今月、全国平均で5%から20%値段が上がります。

消費者「もう地獄ですよね。どうしていいか分からない」

サンエー食品担当・城田清貴さん「値上がりしてない商品はないですね」

カップラーメンは、ほぼすべて30円から40円の値上がりです。

サンエー食品担当・城田清貴さん「日清の食品は、去年までは特売に出てましたが、もう値下げが難しくなってしまって。もう今年から全然特売には入らなくなってます」

消費者の節約による買い控えも起きていますが、逆に売り上げが伸びているものもあります。それはお米です。

消費者「いろいろ食べさせたいんですけど、やっぱり基本は抑えていかないと。自炊の方が抑えられるんで、いろいろ買うよりは」「うちは3人家族なので。食費を抑えるように工夫したりとか、安いものを使って献立を考えたりとか」

また、値段を維持するかわりに、中身の量を減らしたおかず用のレトルト食品が売り場を拡大し、販売数を伸ばしています

サンエー食品担当・城田清貴さん「サイズが小さいものがよく動くようになりました。前の値段で通すには量を減らさないといけない」

価格が30年近くほとんど変動せず、「物価の優等生」とも言われる卵も今回の原油高騰で一個3円、パックで30円程度値上げ。養鶏農家は、このままでは後継者はいなくなると話します。

沖縄市養鶏組合・内間紳元組合長「復帰当時、同じ価格だったものが、みんな値上がりしている中で、卵だけはそんなに変わらないと。そういった意味で『物価の優等生』という言い方は、本当に正しいのか疑問符がつくところです」

生産経費の6割を鶏の餌代が占める卵。その餌の主原料であるトウモロコシの値上げで1トン当たり4万円だった餌は現在6万円します。

沖縄市養鶏組合・内間紳元組合長「月240トンの餌を使ってまして、トン当たり2万円ですので、月額480万円が12か月で餌代だけで1300万円経費がかさんでいます」

また原油価格の値上げは、これまで59年続いた銭湯の火を消そうとしています。1949年創業で、70年代のオイルショックも乗り越えてきた旭湯。

おととしから2回の値上げを行い、この6月からは日曜日の他に水曜も休みにしましたが、3倍に値上がりした重油代によって、廃業寸前に追い込まれています。

旭湯・上原フミ子さん「夏場でしたら5万円位の油代でしたが、今は10万,11万ですよ。ちょうど倍上がってます。でもお客さんは少ない。もう悲鳴上げてますよ。一日も早く辞めたいくらい」

政府の根本的な対策もほとんど無いまま、燃料や原材料の価格はいったいどこまで上がるのか?

カーエネクス石油販売・宮城利昌さん「年内には本当に200円近くまで上がる」

沖縄市養鶏組合・内間紳元組合長「辞めるにやめられない状況の中で、倒産に追い込まれるか、生き残れるかのサバイバルゲームの時代になってきたと感じています」

旭湯・上原フミ子さん「これ以上、上げられない。350円からは上げるのは無理。もうどうしていいかわからない」

原油高の影響は、影響が出ていない所が無いほど深刻です。ガソリンスタンドでは客離れを恐れ、セルフのガソリンスタンドが値下げしたら、経営を度外視してその値段に合わせているところも多いそうです。関係者は今後、1リットル200円になったら閉鎖するところが続出するのは間違いないとも話しています。

永田町は内閣改造の真っただなかですが、新しい内閣がこの現状をどう打開するのか注目が集まります。