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年金は支払った金額とその期間によって決まります。ですから長く納めたらその分多く貰えると考えがちですが、そうとは限りません。年金制度は、個々人に格差が生じないように、また社会情勢の変化に対応して、5年ごとに見直されています。それが只でさえ複雑な制度を、さらに複雑なものにしています。

「年金シリーズ」2回目は、年金受給額の大きな決め手となる『平均値』について取り上げます。

私、東江は今年10月に定年を迎えます。30数年、出向を含めて三つの会社で大過なく過ごしてまいりました。そんな私に、那覇年金相談センターから2年前の秋に「年金相談への案内」が届いていました。しかし「相談しても年金の受け取り額が増えるわけではない」と気にも留めませんでした。ところがここに来て年金の記録問題が噴出。年金がもらえなくなる事態も想定されることから、急いで社会保険事務所を訪ねました。

『あのドアへの第一歩が、私の老後いわゆる年金生活へのスタートかと思うと複雑な気持ちです』

那覇社会保険時事務所では、二つの専用ブースをはじめ、合わせて17の窓口を設けて「年金相談」に当たっています。

「予約番号779番の方どうぞ・・・」

相談員「記録のほうですね、お出ししますので、それで確認して頂いて、疑問の点があれば」

年金相談は午前8時30分から午後7時まで行われていますが、このところ一日に400人前後、多い日には500人以上が訪れ、自分の記録を確認していると言うことです。

相談員「昭和46年3月1日からずっと現在まで記録がつながっている」

『ああ!良かったです』

記録があるという当たり前のことに「ホットする」というのは、やっぱり「オカシイし、異常なこと」と言わざるを得ません。

ところで今問題になっているのは、社会保険庁の年金記録のずさんな管理で、本来もらえるはずの年金受給額が支払われていないという事。しかし、中には新な年金記録が判明し、受給額が増えると喜んだのもつかの間、逆に減額を告げられた女性がいます。

《QABに架かってきた一本の電話》

「年金手帳を持っていったら間単に『あ!9ヶ月間働いていたのが出て来た』った言われたんですよ。そこからがおかしいんですよ。昔あなた方の時代は若い時の給料は少ないでしょうって。年金ていうのは『平均値』を出すんですよって。受け取る額が少なくなりますよって言う事なんですよ」

年金は支払い期間が長ければ、それだけ貰える年金も多いと思うのは常識だと思っていましたが、実はそうではないのです。

《新たな記録判明で受給額が減る?》

社会保険労務士・中村 敬さん「可能性としてはあると思います。厚生年金の算定方式にその原因があります」

『厚生年金の額』 平均標準報酬月額×1.031×0.985(物価スライド率)

年金の算定方法は、大まかに言ってこのようこなっています。

そして『平均標準報酬月額』は、「就職して退職するまでの期間」の標準報酬月額の合計を、その方の働いていた期間の総月数でわったものです。

標準報酬月額は、その人の月々の収入に応じて社会保険庁が設定した金額をいいます。

このように様々な数式と、あらかじめ設定された基準値が複雑に作用しあって年金の額は決まります。

さて、電話の女性の場合ですが、中村さんは次のように推測します。

中村さん「給料も高い人もいれば、安い給料で働いている人もいるわけです。その個人によって平均報酬月額というのは違うわけです。この方は若いころの被雇用者期間が見つかったということなんですが、給料が増える割合よりも、被保険者期間が増える割合のほうが多くなったケースだと思います。

年金の制度は大体5年に一度見直されていて、仕組みが複雑になっています。ですから『両親や兄弟がこうだから私も』という単純なものではありません。疑問や不安が生じたらまず、近くの「社会保険事務所」か「社会保険労務士」など専門家に相談することが一番です。

年金は老後の所得保障です。だれもが将来受給するものであり、私達の生活設計にとって非常に重要な物です。納得して受け取りたいものです。

年金シリーズ、あすは他府県に比べ、制度の導入が遅れた沖縄の年金制度。本土復帰後、数回にわたり特別措置が講じられ、より複雑化した沖縄の現状について、社会保険労務士などの年金の専門家に聞きます。