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夏の甲子園への前哨戦ともなる春の県大会は県内61校が出場し、昨日ベスト4が激突しました。明日の決勝戦を前に、週末の球児たちの熱戦を追いました。

春の大会ベスト8が顔を揃えた土曜日の準々決勝。大会第一シードの八重山商工は那覇西と対戦しました。

八重山商工・伊志嶺監督「八重山商工の野球というのは、ベンチと選手が一体になって初めて結果が出るというチームですから。まだまだ出来ていないんでね」

伊志嶺監督の嘆き節が思わず出てしまう新チームは、エース當山投手の変化球の切れが増すなど、個々の成長はあるものの、攻守に今ひとつまとまりがありません。

この試合でも1対1の同点で迎えた終盤7回、エース當山投手のヒットからようやく打線がつながり、一挙3点を挙げ、続く8回にもダメを押し、那覇西を破り、準決勝へ駒を進めました。

一方、準々決勝のもう一試合は中部商業 対 沖縄尚学。強豪同士の対戦でしたが、両チーム立ち上がりに苦しみます。

1回の表、攻める中部商業は2アウト3塁、ここで4番大城亮選手は沖尚のエラーを誘い、先制点を奪います

ところがその裏、今度は中部商業が2アウトランナー2塁で、沖尚4番伊是名選手のショートゴロを悪送球。ランナーが帰り、あっさり同点に追いかれてしまいます。

両チームまったく同じようなミスでスタートした試合でしたが、中部商業にはこの大会、ある思いがありました。

実は中部商業を8年間見守ってきた上原忠監督がこの4月から新しい学校に赴任することになっていて、この大会が監督とやれる最後の野球です。

中部商業・羽地淳平投手「最後まで一緒に戦って胴上げしたい。もう優勝しかないです」

中部商業・兼城雅主将「監督さんと一緒に試合できるのがこの大会だけ。だから少しでも長く一緒にしたいのと、優勝旗をプレゼントしたいというのがみんなの目標」

この思いがチームの心を一つにしていました。迎えた4回、先頭バッターはキャプテンの兼城選手。兼城選手のこのヒットを足がかりに、持ち前の機動力も発揮した中部商業は貴重な追加点を挙げます。守っては蔵当投手、湧川投手、羽地投手の3人の継投で、沖尚打線をヒット2本に押さえ、2対1で勝って準決勝へ進出です。

そして迎えた昨日の準決勝、中部商業は打線好調の普天間と対戦。中部商業3人の投手陣の前に、自慢の普天間打線もヒット2本と沈黙。

一方、中部商業は3回までの毎回得点でヒット11本の猛攻、7回コールドで普天間を退け、決勝戦へ名乗りを挙げました。

豊見城・照屋拓巳監督「1年間投げられなくて、自分でも辛い思いがいっぱいあったと思う」

準決勝のもう一試合、八重山商工と対戦したのは24年ぶりにベスト4に勝ち進んだ豊見城。

マウンドには肩のケガで1年間投げることが出来ず、この大会で復活したエース我喜屋翼投手がいました。

我喜屋翼投手「一年ぶりなんで投げられるのが、楽しいです。八重山商工は強いから向かっていく、楽しんでいこうと思いました」

試合は、エース我喜屋投手が八重山のグルクン打線を完全に封じ込め、9回まで、0対0の投手戦となります。

9回裏、豊見城はヒットと送りバントで、1アウトでランナー満塁。一打サヨナラの場面で、5番喜納選手が倒れ、2アウト。

これをしのいで延長へつなげたい八重山商工。一方、最後のバッターに望みを託す豊見城。

豊見城・照屋拓巳監督「絶対諦める気持ちは持っていなかったもんですから、最後まで食い下がろうと」

屋我選手の打球はショートのエラーを誘い、豊見城のサヨナラ勝ち。第1シードを破り、古豪復活の雄叫びをあげました。

中部商業、豊見城、沖縄尚学、八重山商工と、夏のシード校はこの4校に決定しました。

注目の決勝戦は明日です。果たして春の頂点に立つのは豊見城か、中部商業か。両チームのドラマも合わせて見るとより面白くなりそうです。

ザ・スポーツ プロバスケの登竜門「プレトライアウト」

さて、最後はプロバスケットボール「bjリーグ」に今年11月から参戦する琉球キングスの選手獲得のためのプレトライアウトが行われ、夢を求めて選手が集まりましたが、結果はどうだったのでしょうか?

参加者「自分の力がどれくらいなのか試したくて来てみました。」「自分も元々プロを目指していた。なりたいって思ってて」「琉球キングスでプレーしたいと希望はあります」

地元からプロの原石を発掘しようと行われた琉球キングスのプレトライアウトには、15歳から35歳までの19人がでっかい夢を持って挑みました。体力テストやゲーム形式でそれぞれの技能をチェック。関係者の鋭い視線が注がれました。

県内や全国で活躍した経験を持つ選手も参加したプレトライアウトでしたが、プロの世界で戦うというレベルに達する選手は少なく、終了後、琉球キングスの木村達郎代表から厳しい一言もありました。

琉球キングス・木村達郎代表「バスケットを楽しみに来たのかという人がすごく多くて。これでお金をもらってプレーをして、お金を払ってくれるお客さんに自分のプレーを見せるっていう気持ちを感じさせてくれる人は残念ながら居なかったと思います」

『プレーで感動させ、ファンに夢を与えられなければプロではない』

木村代表の厳しい言葉から「bjリーグ」にかける熱意が伝わってきます。琉球キングスは今年11月の開幕前までに12人の選手を獲得する予定で、5月までには監督など、チームの陣容が固まることになっています。