2017年5月19日 18時31分

米軍の犯罪抑止対策について考える

去年起きた元アメリカ海兵隊員による女性暴行殺害事件。ケネス・シンザト容疑者が逮捕されて、きょうでちょうど1年になります。事件以降、政府は犯罪抑止対策を進めていますが、この1年間、効果はどれくらいあったのでしょうか。スタジオには上間記者です。

上間記者「事件を受け政府は「犯罪抑止対策推進チーム」を設置しました。3つの柱をもとに、このような対策が決められました」

米軍の犯罪抑止対策について考える

上間記者「警察力の強化はことし1月に警察官の100人増員とパトカー20台が配備されましたし、また、防犯パトロール隊は去年6月に結成され、間もなく1年となります」

米軍の犯罪抑止対策について考える

上間記者「防犯パトロール隊は当初、20台の車両を使って午後7時から10時までの時間帯にパトロールをしていましたが去年12月から、当初予定していた100台態勢となり、そのうち25台が、午後11時から翌朝5時までの夜の時間帯もパトロールを行うことになりました。お二人もこの青色パトロール見たことありますか?」

金城アナ「ありますよ。でもただ繁華街などを走っているだけのような気もするんですが…効果はどうなんですかね?」

米軍の犯罪抑止対策について考える

上間記者「沖縄総合事務局によりますと4月末時点で、パトロール中に警察へ通報した件数は85件その多くが路上寝や泥酔者の保護、あるいは非行少年の補導要請などだということです。また、米軍関係者に関する通報は3件にとどまっているんです」

沼尻アナ「アメリカ軍関係者などへ認知は進んでいるのすかね?」

上間記者「沖縄防衛局の担当者などは、パトロールの車両に英語のステッカーを貼ったり、アメリカ軍への報告を行っているとしていますが、まだ周知はこれからというところではないでしょうか」

米軍の犯罪抑止対策について考える

上間記者「そして、今年度政府は、このパトロール隊の事業費で8.7億円を計上し、防犯灯・防犯カメラの整備費用は先月21日までに37市町村に対して合わせて13.3億円の交付を決定しています。パトロール隊に関しては、去年7月、パトロール隊として派遣された防衛省の職員が東村高江のヘリパッド建設現場の警備にあたっていて問題となりましたよね。これだけの費用が出る中で、「県民の安全」を守る活動が果たされているのか、これからも注視する必要があります」

金城アナ「防犯対策といえは、1月に日米地位協定の軍属の範囲が見直されましたよね?」

上間記者「そうですね、これまであいまいだった軍属の範囲が高い技術や専門性を持つ請負業者などに事実上縮小され適格性を定期的にチェックする制度も設けられました。この見直しが犯罪抑止につながるのか、日米関係に詳しい沖縄国際大学法学部の野添文彬准教授に話を聞いてきました」

米軍の犯罪抑止対策について考える

野添准教授「軍属の範囲については非常に緩い規定であるということは、実は日本政府は1970年代ぐらいからずっと認識していたんですね。そういう風な軍属の規定を狭くしたということ自体は一つ進歩したということは言えると思います。けれども一番最大の問題である米軍の犯罪への対策になっているかということについては非常に不十分であるということは言えると思います」

米軍の犯罪抑止対策について考える

野添准教授「軍属に米軍の(優先的な)裁判権があるということは変わらないということ。が一つありまして、アメリカ側に大きな判断する権利、余地が残っているということで、米軍とか米軍属が犯罪をしないでおこうという抑止にはなりえていないのではないかなと思います」

沼尻アナ「昔からの懸案事項が明確化されたということは評価できるが、犯罪の抑止には踏み込めていないということですね」

上間記者「アメリカ軍による事件や事故が起こるたびに、日米地協定の抜本的見直しという声が高まります。政府がどれだけ多額の予算をかけて、防犯対策を行っても、地位協定改定という、根本的な問題を解決しない限り、県民の不安感は拭えないのではないでしょうか」

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