2013年1月23日 18時50分

検証 動かぬ基地 vol.122 辺野古アセス・補正された評価書とは

辺野古への新基地建設のための環境アセス手続きは、今、最終段階の縦覧手続きに入っています。縦覧は来週29日までですが、法律上は、いつでも埋め立てを申請できる段階になっています。きょうは改めて、国がおよそ1年かけて補正した評価書についてお伝えします。

まず、この補正した評価書ですが、おととしの年末未明に県庁に運び込まれた、あの評価書について、579件に上る知事意見が提出されました。それに対する回答を1年かけて国が考え、書き直して再提出したものです。大変な分量がありますが、いくつかポイントを絞ってお伝えします。

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まず、埋め立てのための土砂はどうするのか、ジュゴンやウミガメへの影響はどうなのか、低周波音はどうなのかといった点です。こうした点について、環境アセスが専門の沖縄大学の桜井国俊教授にお話を聞いてきました。

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まず、埋め立てに使用する土砂についてです。沖縄だけでなく、九州や瀬戸内から、「岩ずり」と呼ばれる砕石のくずを運んでくるとしています。しかし、そこにも問題が…。

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桜井教授「外から持ってくるとですね、素性の分からないものを持ってくると、海砂であれ陸のものであれですね、ここの生き物とは違うものが入ってくると、それは、生物多様性の保全の観点からですね、攪乱するという指摘があったわけですね。補正評価書では岩ずりについてですね、持ち込む土砂について、発生源でその生物をチェックすると。いやぁいうのは簡単ですよね」

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補正評価書では、あらためて、ウミガメの産卵が毎年確認されたことが明らかになりました。またジュゴンについては、工事をしてもしなくても、絶滅リスクに「有意な差が認められない」としています。

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桜井教授「象徴的なのは例えばジュゴンですとかウミガメですけれどもジュゴンであればですね、辺野古の海でなくても他にも餌場はあるとかですね、カメもですね、確かに辺野古の海岸がつぶれることは、あそこで産卵してましたので、そこの場所がなくなるのは事実だけれども、行き場はいくらでもあるじゃないかという形でですね、開き直ってますよね」

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オスプレイの配備で、実際に耳にすることが多くなった低周波音。日本には環境基準もなく、対処の難しい問題です。

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桜井教授「飛行機を飛ばすのは実際には米軍なわけですから米軍に環境保全措置を理解してもらって、運用してもらうと」「米軍とした約束なんてのは、もうホントですね、紙くず同然なわけですよ」「米軍が理解して、運用してくれる、そのことを前提に大丈夫だと言っている、それはみんなガラガラ崩れるわけですよね」

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(草柳記者)こうした各論の部分でも、様々な疑問点が残ったままの補正された評価書なんですが、特に注目していただきたいのが、最後に書いてある「総合評価」の部分です。

(草柳記者)補正前はこうなっていました。「環境保全上、特段の支障は生じない」。この文章には大変強い批判が集まり、今回の補正でまるまる削除されました。

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(三上アナ)削除されたということは、特段の支障が生じることを認めたということになるんですか?

(草柳記者)「削除」と聞くと、そうとも取れるんですが、実は補正で書き換えられてこうなりました。「環境保全への配慮は適正であり、環境保全の基準又は目標との整合性も図られている」。

(草柳記者)桜井教授もおっしゃっていたんですが、文言の削除で、より環境保全の方向に進んだのかと思いきや、実は、配慮が適正で、整合性が図られているということですから、環境保全という観点からは、この補正をしたことで一歩も二歩も後退している、と言えると思います。

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