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オスプレイの事故報告書を説明するため29日、森本防衛大臣が沖縄を訪れました。ではこの事故、どのように起こったのか。模型を使って再現します。

事故に至る詳細はこうです。オスプレイはローターを真上に向けて、ヘリコプターモードで垂直に離陸しました。下にいる隊員や荷物に下降気流の影響が及ばないよう、パイロットはここでホバリングし、180度向きを変えます。

この時、真後ろから風を受ける「追い風」状態になってしまいました。航空機にとっては不安定な状況です。

さらにホバリングの途中で機首が下がっていたのに修正していませんでした。つまり、この段階でかなり前のめりの状態になっていたはずです。

そして決定的になったのが、速度が充分に出ていない段階で、このローターを決められた範囲以上に前に倒すという操作でした。これにより機体は45度から60度という急角度で頭から地面に激突。離陸からわずか15秒間の出来事でした。

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この事故の原因を今回の報告書ではこのようにまとめています。

(1) 経験の浅い副操縦士が離陸後、追い風の中に機体を置いたこと

(2) ホバリング中の機首下げを修正しなかったこと

(3) そして制限範囲を超えてローターを傾けたこと

こうした人的要因が複合して起こった事故だったとしています。今回、日本政府は独自に安全性の評価を行うとしていた訳ですが、ふたを開けてみれば、アメリカ側の報告書をなぞっているだけで、その内容を追認するものでした。

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森本防衛大臣は、今、まさにこうした説明を仲井真知事にしたものと思われますが、知事の反応はどうだったんでしょうか。中継です。

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さて、ここでこちらをご覧ください。これは、オスプレイの操縦士が左手で持つレバーです。ちょうど親指のところにあるこのダイアルで、ローターの傾きを調整します。

報告書によると、オスプレイのローターの角度は、速度によって動く範囲が決められていて、パイロットが操作を誤ってもそれ以上は動かないように設計されています。

しかし、今回の事故の速度と角度は短距離での離着陸に必要な状態なので、機械的な制御はせず、操縦マニュアルで禁止していたということです。

今回の報告書が言っているのは「人がミスを犯さなければ普通に飛べる」ということで、それを「安全」だと呼ぶのは無理があります。

今回のように人がミスをしたときに、それをカバーするのが現代の「安全」な航空機というものです。「安全」という言葉が、日米両政府と国民との間ですれ違っているように感じます。