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『今、ご覧頂いた映像は先週金曜日にアメリカ軍の軍艦2隻が石垣港に入港し、市街地に出ようとする船の艦長やメア総領事と入港に反対する市民団体が衝突した時の映像です。』

アメリカ海軍は2年前に与那国の港へ入港した際にも猛烈な抗議を受け、今回も混乱が起きることは事前に予測できたと思いますが、なぜ、石垣港への入港を強行したのでしょうか?その真の理由に迫ります。

「現在、午前8時過ぎです。アメリカ海軍の軍艦が民間港である石垣港へと入ってきました。」

今月3日、大浜石垣市長や仲井真知事の自粛要請を無視する形で石垣港に入港した長崎・佐世保基地所属の「パトリオット」と「ガーディアン」。

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大浜石垣市長「はーっ 異常な光景ですね」「一日500隻もの船が往来しているこの港をこのような形で入ってくる軍艦の姿ね。」「恐怖心すら感じますね」

海中に設置された機雷を除去するこの掃海鑑に乗り組む海軍兵はあわせて170人。

今井沖縄大使「目的は友好親善と乗組員の休養ということになっています。それ以外の目的があるという説明はない」

こう日本側に説明し、民間港や空港のアメリカ軍の使用を認める日米地位協定第5条を根拠に強行された石垣港への初入港。

シュウ艦長「日本、東アジア地域全体に対するアメリカの約束を示しており断続的な米海軍のプレゼンスというのはこの地域の安保体制に対するコミットメントを示すものだ」

メア総領事「市長が反対しているのは分かっているが」「法律上、全く問題はない」

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入港に反対する市民は、このアメリカ軍の論理にきな臭さと危険を感じています。

「怖い時代の流れを石垣まで持ってきてもらいたくない石垣にそれは相応しくない」「将来、この石垣港がどういう風に利用できるかという(調査)それが絶対目的だ」

「船の艦長とメア総領事を乗せた車が市街地に出ようとしていますが、市民団体が行く手を塞いでいます」

「帰れ! 帰れ!」「何でこんなに強引なんだ。これがあなた方の民主主義か?私達は許さない」

そして、5時間にも渡るにらみ合いの後、県警の護衛を受けて、市街地に入ったアメリカ軍。初日の夜は、この激しい抵抗からか艦長以外の乗組員は一人も港から出ませんでした。基地のない石垣島。住民は今回の事態をどう感じているのか夜の繁華街で話を聞きました

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「軍のイメージはそんなに悪いイメージは持ってないから自分は」「沖縄本島でいろんな問題が起きてるじゃないですかそういうのもあるので、かなり石垣の人も敏感になっている」「怖い」「厳しいので、お客さんとかいないんで最近は入ってもらえると嬉しんですが」

軍への抵抗感が本島と比べ少ないといえるこの島では意見は大きく割れました。しかし、在日アメリカ軍の調査。研究を行うNPOの梅林さんは、アメリカ軍が将来、この石垣島を軍事的な防波堤にしようとしていると指摘します。

「中国の海軍力の増強というのがアメリカの非常に大きな関心事になっている」「アメリカとして一番やりたいことは」「中国がどういう計画をもって台湾海峡の制海権を確保しようとしているかという情報収集と、実際、機雷が敷設された時に、機雷を除去する力の確保」

将来の有事をにらんだ準備ではという問いに艦長はこう答えています。

艦長「他の港と同じように、事前に必要最低限の安全に関わる調査はした」

民間港利用の実績を着実に積み重ねるアメリカ軍。

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メア総領事「暴力的妨害をしようとした団体があったけどそれを別にして成功したと思う」「無事、寄港して接岸でしたし」「また、寄港する可能性がないとは言えない」

大浜市長「地位協定があるおかげでこういう事態を招いているのでより一層、これを改正していく運動を高めないといけない」

八重山の海が軍事的な理由で荒れることを島民は望んではいません。

結局、軍艦の艦長は、石垣港の調査をしたことを認めていましたね。そうですね。この2隻の軍艦が入港した時期はちょうど北朝鮮からミサイルが発射された時期と重なったため、特に本土からの注目度はとても低かったようですが、こうした北朝鮮や中国の脅威を逆に利用する形で日本全体をアメリカ軍の戦略基地にしようとする軍の動きはしっかりとみていかないといけません。