続いては、首里の街が熱気に包まれた祭りの話題です。首里城正殿の一般公開を前に開催された「琉球王朝祭り首里」。見どころとなったのは、14旗の「旗頭」が宙を舞うダイナミックな演舞と、伝統を未来へ引き継ぐ地域の人々の姿です。
王国時代の官職(かんしょく)を従え、ことし復元された衣装に身を包んだ国王と王妃。首里の城下町・龍潭(りゅうたん)通りをが練り歩きます。
地元・首里振興会が主催する「琉球王朝祭り首里」。催しの一つ「古式行列(こしきぎょうれつ)」は、琉球国王が国家の安寧と五穀豊穣を祈り、城下の寺を巡る参詣行幸(さんけいぎょうこう)を再現したものです。
祭りでは、王府の外交を模した「公(こう)」、祈りの世界観を表す「静(せい)」、そして、地域の文化と民衆の熱気を伝える「民(みん)」の3つの要素を表現しています。
ステージ上では、地元・首里に古くから伝わる「旗頭」14旗が天を突くように舞い踊ります。
久場川町青年会「いろんな皆さんが携わってきた中での地域の輪や、青年会で行なった準備が本当に集中して、このお祭りに挑んでいる熱い思いが伝わってきます」
沿道からは大きな歓声が上がり、復興への熱気に包まれます。
祭りの開催が1週間後に迫る中、首里久場川町の広場では、旗頭の練習が行われていました。
練習が始まったのは、4カ月前。この地域は、かつて『久場川御殿(くばがわうどぅん)』、別名・同楽園とも呼ばれ、王族の別邸がありました。
その歴史にちなんで、旗頭の「旗字(はたじ)」に掲げられた「延賢同楽(えんけんどうらく)」という文字には、「歴史の伝統を受け継ぎ、賢い人材を募り、町民が喜びを共にし、誇りに思える町を作る」という意味が込められています。
久場川町青年会 島田義愛さん「首里の人たちにとっては、各村に『旗頭』というシンボルがあります。正殿復元のこのタイミングで、村を代表して久場川の『延賢同楽』の旗を出せることは、心からうれしいです、みんなの期待を背負って綺麗な旗を上げたい」
長さ7メートル、重さ約60キロの旗頭「延賢同楽」。美しく揺らし、真っ直ぐに維持するため、旗を上げる持ち手は「ハコ」と呼ばれるサポート役と息を合わせ、チンクのリズミカルな鐘の音に合わせて、夜遅くまで練習が続きました。
久場川青年会「今までやってきた中で、一番心が昂ぶるような気持ちがあります」
久場川青年会「(正殿完成の年は)いつも以上にワクワクするだろうなと思っています」
青年会OB「年は取っていますけど、やっぱり記念の年には龍潭池の前で持ちたいですね。本部前では首里城が見えるし、自分の記念にもなると思って、48歳の記念に頑張りたいです」(Q 後輩にはどういう気持ちで持ってほしいか)「今回、龍潭通りに旗頭を並べるので、久しぶりにみんなで旗をきれいに上げて、観客を楽しませてあげたいですね」
久場川町では、未来の旗頭の担い手である「子ども旗」の練習も行われています。
久場川青年会 島田義愛会長「地域で盛り上げて、また子どもたちへと受け継いでいくことが、自分たちの使命だと思っています。そこを大事にしていきたいです」
子ども会の参加者「(首里城が)燃えた時は悲しかった、完成を迎える今、旗頭を持てて本当に良かったです。今完成し前までは旗頭をやってなかった、今年は持ててよかった」
子ども会の参加者「首里城が完成するタイミングで、私たちが旗頭を披露できるのは良い機会、とてもワクワクします」
子ども会掛け声「旗頭!がんばるぞー! オー!」
久場川青年会 島田義愛会長「首里に住んでいる人なら、正殿が燃えた時は大きなショックを受けたと思います。こうして時を経て、今また龍潭通りで旗を立てられることには、大きな意味があります。久場川の代表として、期待を背負って良い旗をもうらしたい」
そして、祭りのハイライトである14旗の道ジュネーがスタート!会場の龍潭通りでは、威勢のいい掛け声が響きます。
いよいよ、久場川町青年会の旗頭が登場。腰に巻き付けたサラシ一本で太い竿を支え、ダイナミックに舞う姿に、沿道からは指笛と大歓声が上がります。そして、通りに低く張り巡らされた電線を通り抜ける「電線くぐり」が最大の見せ場です。
島田会長「最高のスタートが切れました。さっきの見ましたか?『電線くぐり』自分たちの町しかやっていない、できて本当にうれしいです。1回で止まる予定だったんですが、楽しすぎて2回やってしまいました(笑)」
久場川青年会 島田義愛会長「地域の代表として、久場川を盛り上げる最高の旗頭の演舞ができたと思っています」
首里の城下町に日が落ち、旗頭の灯籠(とぅーるー)が夜空に浮かび上がります。熱く激しく競り合う「ガーエー」によって、幻想的な光景が広がり、首里の街は最高潮の熱気に包まれました。
久場川青年会 島田義愛会長「首里城復興の年に、こうして龍潭通りでガーエーを復帰でき自分が立ち会う本当に歴史的な一部だと思う。琉球王朝で行われた綱引きが復活して、立ち会えた歴史的な一部を見届けられたと思う。朝から含めて全部満点!、青年会の皆さんに100点をあげたい」
外交の「公」、祈りの「静」、そして、地域の文化・熱気の「民」。
それぞれの思いが重なり合い、首里の文化を未来へと繋いでいきます。「電線くぐり」の迫力や、夜空に浮かぶ灯籠の幻想的な景色など、首里の熱気が伝わってきました。
琉球王国時代からの歴史を大切に守りながら、大人から子どもたちへ、そして未来へと確実につないでいく地域の強い絆を感じました。
