著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

ここからはビジネスキャッチーです。”ここだけ”そして”あなただけ”という視点でサービスの価値を高めているユニークな施設が注目されています。「芸術」と「読書」という秋のこの時期にぴったりのコンセプトを掲げていました。

水平線が見える青い海心地よい風が揺らす豊かな緑、昔ながらの沖縄らしさを思わせる赤瓦の建物。一歩踏み入れた先には非日常の空間が広がっています。

南城美術館 金 元根副館長「日本文化勲章の模様が橘の花の模様になっているので、この名前をつけました。皆さんが文化勲章作品の中で珍しい唯一無二の体験ができるような、宿泊施設になっている」

芸術と読書で新たな価値を秋を楽しむ宿泊ビジネス/ビジネスキャッチー

玄関を開けるとワンピースを着た婦人の油絵が出迎えてくれるARTVILLA橘邸は県内初の宿泊できる美術館です。南城美術館の一部を改修して今年6月にオープンしました。リビングや寝室だけでなくバスルームに至るまで部屋のどこにいても絵画を見ることができます。

光が映りこまない特別なガラスの額に作品を入れることで、油絵ならではの質感までもじっくりと鑑賞できるようになっています。部屋に飾られた作品はどれも一見の価値があるものばかりです。

芸術と読書で新たな価値を秋を楽しむ宿泊ビジネス/ビジネスキャッチー

南城美術館 金 元根副館長「西洋画部門で(文化勲章)を受章されている岡田三郎助さんや藤島武二さんという二人の作品です」「美術館のオーナーがコレクションしていて宿泊者にも見せながらいろんな人にもこの作品の良さや日本の近代美術を見せるための仕組みとして作品を展示している」

芸術と読書で新たな価値を秋を楽しむ宿泊ビジネス/ビジネスキャッチー

窓の外に広がる太平洋を望む絶景も作品の一つです。窓のフレームが額縁のようになって一つの芸術作品を鑑賞しているかのようです。

南城美術館 金 元根副館長「美術館に泊まることは珍しい体験だと思います」「宿泊しながら作品をゆったり見るのもいいですが、ただ作品だけを見るのではなく」「この空間そのままを芸術としてゆっくり過ごすことが一番良いと思います」

芸術と読書で新たな価値を秋を楽しむ宿泊ビジネス/ビジネスキャッチー

ARTVILLA橘邸は貸し切り型の宿泊施設で、一日1組限定です。食事は美術館に併設するカフェを完全予約制で貸し切り、プライベートシェフが腕を振るい沖縄の食材を使った創作料理を食べることができます。

南城美術館 金 元根副館長「最近はインバウンドの人が特別に予約していて」「沖縄の食材を活かしたフランス料理やイタリア料理を用意して提供している」

客室の広さや設備のクオリティーとは異なる”休暇を過ごす時間と空間”に価値を生み出す運営を心がけているといいます。

南城美術館 金 元根副館長「南城ARTVILLA橘邸は自然とアートを共に楽しむ空間になっています」「美術館と一緒に宿泊できる体験をぜひ行ってみてください」

芸術と読書で新たな価値を秋を楽しむ宿泊ビジネス/ビジネスキャッチー

一風変わったスタイルの宿泊施設がもう一つありました。うるま市にある浜比嘉島です。昔ながらの集落が残り、ゆったりとした時間が流れています。築32年の民家をリノベーションしてできた「浜比嘉別邸」は会員制のブックホテルです。

旅行客が殺到することで島の環境を変えないようにと場所は非公開となっています。一棟貸しで特定の人のみを受け入れる戦略です。建物の中には絵本やエッセイなどおよそ1500冊が本棚に並んでいます。

芸術と読書で新たな価値を秋を楽しむ宿泊ビジネス/ビジネスキャッチー

縁側に腰を下ろすと聞こえてくる風に揺れる木々の音や小鳥のさえずりが時間を忘れて物語の世界に浸る贅沢なひとときを演出します。

大切なこと研究所 永元深智社長「本と海とお昼寝の宿というテーマでやっていて、お昼寝ができることが人生の一番の幸せな成功者だと思っている」「(世の中は)AIで楽になったのに、でも時間は無いという中で、時間を取り戻してほしいというのがこの宿のコンセプトです」

芸術と読書で新たな価値を秋を楽しむ宿泊ビジネス/ビジネスキャッチー

さらに宿泊客の好みや気分に合った本をオーナーに選んでもらうサービスもあります。

大切なこと研究所 永元深智社長「特に経営者の方や男性だと普段絵本を読まないのですが」「その選書サービスの中で、この人がこの絵本を読んだら良いだろうなという(その人に合った)本を5冊から10冊用意して、宿泊の間だったり、日帰りの場合は神の湯(お風呂)から出てきたときに読める状態にしておくと」「(悩みや)大切なもののヒントをつかめそうになったりするのが一つあります」「もう一つは夜寝る前に、子どもの頃お母さんに読み聞かせしてもらったり、子どもの頃に読んでいた記憶をちょっと取り戻す時間もできたらと思っていて」「愛と優しさにあふれた、寝る前の時間を過ごしてほしいと思っている」

また、今月には施設内にお風呂「神の湯」もオープンしました。宿泊せずに日帰りで入ることができます。薪を割り、火起こしからはじまるおよそ3時間の入浴コースです。温まった湯船に薬草や塩を入れて日頃の疲れを浄化させるような空間になっています。

芸術と読書で新たな価値を秋を楽しむ宿泊ビジネス/ビジネスキャッチー

大切なこと研究所 永元深智社長「お風呂あがりに薬草茶を3種類飲み比べできるように、冷たいお茶1つと、温かいお茶を2つ、薬草のブレンドを変えて、お風呂で心も体も清められたあとに」「風を浴びながら薬草のお茶を飲んでちょっと黒糖をかじって」「それを2・3回繰り返すと」「日常の中で抱える悩みだったり、もやもやしていることとか」「自分自身が整うと、それもいいかと思えるようになったり違う視点が持てるようになったり」「自分自身が変わるので、視点が変わる体験になるのかなと思う」

芸術と読書で新たな価値を秋を楽しむ宿泊ビジネス/ビジネスキャッチー

現在では研究や会議施設として、企業や団体向けに利用され、落ち着いた空間だからこそ新たなアイディアが生まれたという反響もあるといいます。読書と芸術鑑賞で”特別な付加価値”を生み出す新たな宿泊施設が沖縄の秋を彩っています。

ここからは取材した當山記者とお伝えします。どちらの施設も魅力的でしたがリゾートホテルなどとは何が違うのでしょうか?

當山美月記者「沖縄にあるホテルのほとんどが観光向けのホテルです。海や観光地へのアクセスだけが重視されるのではなく施設の中でどんな時間を過ごせるかということも宿選びの新たな選択肢にもなっていて地元の人も非日常を味わうことができます。また、このハイクオリティーな場所は宿泊料金だけで競争するのではなく、独自の体験を通して施設の魅力をどのように伝え体感してもらいるのかという点を重視する一つのビジネスモデルともいえます」

芸術と読書で新たな価値を秋を楽しむ宿泊ビジネス/ビジネスキャッチー

宿泊すること自体が旅の思い出になるのは素敵ですね。

當山美月記者「そうですね。今回紹介した2か所の宿泊施設は宿の中で過ごす時間に価値を生み出しているのが特徴です。橘邸は芸術に関心のある人、浜比嘉別邸は読書や静かな時間を求める人など、特定のニーズに応えることで他のホテルとの差別化につながっています」

観光客だけでなく、旅の満足度をどう高めていくのか。沖縄の観光ビジネスの今後の可能性に期待が膨らみます。ここまでビジネスキャッチーでした。