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琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊 和雄(みなと・かずお)さんです。

湊 和雄さん「宜しくお願いします」

今回のテーマは「台風の影響?」です!

湊 和雄さん「2年のブランクを経て、今年は台風の当たり年ですね。台風は人間生活にも大きな影響を及ぼしますが、自然界でも同様です。台風の影響かと考えられる昆虫の姿を紹介しましょう」

どうなっているか気になりますね、VTR見てみましょう!

湊 和雄さん「リュウキュウハグロトンボはやんばるの渓流を代表するトンボです。成熟雄の美しさから、個人的に渓流の宝石と呼んでいます。これは、縄張りを守っているところ。春から秋にかけて渓流で最も多いトンボですが、今年はとても少ない状況が続いています」「渓流沿いのルートを往復3kmほど歩いても、10匹ほどにしか遭遇できません。例年の5分の1程度以下のレベルです」

湊 和雄さん「こちらはリュウキュウルリモントンボ。渓流環境でリュウキュウハグロトンボに次ぐ存在です。これは雄(上)と雌が連接(タンデム)状態で産卵しています。しかし、これまた今年はまだ5匹程度しか見ていません」

渓流性のトンボが少ないのですね?原因はなんでしょうか?

湊 和雄さん「この渓流性のトンボの少ない原因はなんでしょうか?これは通常の渓流の状態です。細い水路に清水がゆったりと流れています。この水中にトンボの幼虫のヤゴが生息しています」「しかし台風ともなると、こんな激流に変化してしまいます。これではヤゴはとてもここに止まることはできませんね。きっと流されてしまったのでしょう」

湊 和雄さん「逆に台風の影響で増えるトンボもいます。これはウスバキトンボの飛翔集団。アフリカからアジア、オセアニア、南北アメリカと世界的に見られます。そして長距離移動を繰り返します。世界で最も長距離を移動する昆虫と言われ、1世代で6000km、世代交代しながら18000kmも移動するというNASAの研究があります」

湊 和雄さん「しかし、トンボ自身の移動能力は大したことなく、風に乗ってグライダーのように滑空するのです。そのために台風の前後に大集団が見られます。そのため沖縄方言で『カジーフチートンボ』『カジーフチーアーケージュー』と呼ばれます」

湊 和雄さん「次は、チョウです。リュウキュウムラサキは八重山には定着していますが、沖縄本島には、主に夏から秋に移動してきます。これは雄ですが、雄はどれも同じように見えます。翅を開くと白い紋が4つあって、その周りが光線状態によって紫色に輝きます」

湊 和雄さん「こちらは雌です。雌は出身地によって模様が大きく変わります。その模様によって台湾型、大陸型、フィリピン型などと呼ばれています。そしてこの模様はパラオ諸島、ミクロネシア、ボルネオにルーツのある赤斑型と呼ばれるとても珍しいタイプです。八重山諸島ではたまに観察されますが、沖縄本島で見られるのはかなり珍しいことです。台風の影響で飛んできた可能性が考えられます」

湊 和雄さん「完全に翅を開いた状態。後翅の大きな白斑とその上にある赤斑が特徴です」

湊 和雄さん「ウスバキトンボは毎年熱帯域から北上します。国内では、夏には北海道まで移動します。しかし、寒さに弱く越冬は出来ません。亜熱帯沖縄ですら、石垣島でわずかに越冬幼虫が見つかった程度です。このような大移動(距離も数も)を繰り返す不思議な行動のトンボなのです」

湊さん今回も貴重な映像ありがとうございました!以上、リュウキュウの自然でした。