沖縄にとって観光は経済に直結する重要な分野といえます。これは那覇空港を発着する国際線の便数です。週228便のうち99便を占め、最も多いのが「台湾路線」なのです。
その人気の路線に参入したのが「うちなーの翼」JTAです。国内外の航空会社を相手に10年越しの悲願ともいえる国際線への挑戦、その裏側を取材しました。
スタッフが見守るなか、その瞬間を迎えました。午前8時10分、就航日最初となる便が動き出しました、初めてとなる国際線定期便、うちなーの翼の新たな挑戦です。
1967年に南西航空として発足したJTAは、県内3路線、県外11路線の合わせて14路線を運航しています。華々しい航空業界ですが、ここではパイロットや客室乗務員以外の、いわば裏方のスタッフが働いています。
この日は、まもなくやってくる一大イベントに向けてプロジェクトメンバーが打合せを行っていました。
JTA路線事業部 大澤勇気 副部長「初めての国際線なので、何かあった時に何を対応するかという、プランBみたいなところ、誰が何するかを今作ってもらっていたので、その確認を全員でしたところですね」
去年8月、JTAは、那覇と台北を結ぶ初の国際線の定期便を就航することを発表、那覇空港を発着する台北便の多くは海外の航空会社で、国内企業はこれまでピーチ・アビエーションのみというなか、参入を決断した理由とは?
日本トランスオーシャン航空 野口望 社長「しっかりと継続性を持って、持続可能な会社にしていくという観点から、いろいろなことに挑戦をして」「国際線のことを考えていかないと、日本の人口もこれから減ってくるところも見えてきていますし、そういうのもあって検討し始めた、そのころからやっていたことになります、考えてはいました」
JTAでは、2014年から春節や台湾の長期休暇に合わせてチャーター便を運航し、定期便の可能性を探ってきました。
日本トランスオーシャン航空 野口望 社長「もともと台北は一つの大きな有力な候補としていました」「やはり距離が近くて、関係性が以前から琉球とは強い」「やった結果、台北側、非常に需要も強くて経済的にも状況がいいので、いよいよ定期便にということで踏み切ったというところがあります」
また、2024年度の台湾からの入域観光客数は88万2800人と海外客のなかでは最多となっています。那覇と台北を結び、毎日1往復。飛行時間は1時間半程度。短距離路線で運航コストを抑えつつ、台湾からの観光需要を取り込みます。
JTA路線事業部 大澤勇気 副部長「おかげさまで2月ですね、台湾側の春節もあるので相当予約が入ってきておりまして、計画しているよりは、お客様の予約よく入ってきています」
就航8日前、那覇空港近くにあるJTAの施設では訓練が行われていました。
研修の様子「外は火災、開けないで。Block this exit, fire outside!(中国語)火災、这个門、不能打开」
国内線から国際線へ乗務が変わる際、客室乗務員には、主に「保安、法規制」「サービス実務」「語学」と3つの領域で新たな知識とスキルが求められます。
客室乗務員 中島菜都子さん「私たちは訓練で日本語、英語の緊急時の対応は徹底しているのですが、定期国際線に向けて実際に中国語で緊急時に速やかに対応できるように訓練を実施しております」
そしてもう一つ重要なことは、必ず通過する税関や出入国管理、検疫といった3つの手続き。客室乗務員は、機内で乗客の書類作成をサポートする役割も担います。
客室乗務員 逆瀬川ちはるさん「国際線だと新しく覚えることも多くて、国と国とかの法律もあるので、そこからもう一回学びなおすと思うのと責任を感じました」
シュミレーター機内で台北路線を想定し訓練環境を設定していたのはパイロット松本祐治さん。査察操縦士として後進の育成にも力を注ぐなか、今回、那覇と台北を結ぶ初便を担当することになりました。
機長・査察操縦士 松本祐治さん「ひとりひとりの経験とか体験というのは限られていると思うんで、一人ひとりのパイロットが今まで経験したことを共有することで、安全運行に寄与するのかな、というふうに思います」
記念すべき就航当日、記念式典の最終調整に追われるJTAのスタッフ、気の抜ける時間はありません。
クルーが到着「おはようございます、おはようございます」
離陸1時間前、クルーも現場に到着しました。機長の松本さん、ちょっと緊張した面持ちです。
テープカット「那覇台北桃園、就航初便テープカットです、どうぞ!」
搭乗口付近では、セレモニーがスタート、那覇と台北を結ぶJTAの国際線定期便。旅行者も期待を寄せています。
乗客「喜びとうれしさと緊張でいっぱい」「私今度で4回目なんですが、台湾に行くの、近くなった気がします」
乗客「直行便があるということはすごく感動しています」
搭乗客には準備した記念品が配布されるなど、イベントは無事に終了、いよいよ離陸です。それぞれの思いをのせたうちなーの翼が飛び立ちました。
機内アナウンス「本日は記念すべき国際線就航便にご搭乗いただきましたこと、社員一同心よりお礼申し上げます」
満席となる165人の乗客を乗せた初便、約1時半のフライトを終える。
日本トランスオーシャン航空 野口望 社長「国際線ということもあって、気軽に行くにはハードルがあったのかもしれないですけれど、我々が飛ぶことによって、そのハードルを少しでも低くすることができて、もっと交流が頻度高く行われていけばいいなと期待をもっています」
ここからは取材した金城記者です。就航した狙いはどこにあると感じますか?
金城有佳記者「地理的優位性を生かし、訪日需要の取り込みが上げられます。歴史的にもつながりが深い台湾は沖縄から一番近い『海外』台湾からの旅行客を効率的に沖縄へ呼び込み、また、県民の台湾への渡航利便性を高めることで事業領域を拡大する狙いがあると感じました」「気になる予約率、今月は9割、来月6割と好調のよう。(10月24日までの夏ダイヤもデイリー運航を継続するということ)」
さらに広がりそう?
金城有佳記者「このほかにも県内では、去年からことしにかけて沖縄の離島と台湾を結ぶ路線が運航再開、また新規就航しています、旧正月という節目の時期に台湾路線が拡充して、沖縄と台湾がより近くなったように感じました。今後、人の行き来が活発化するなか、観光交流はもちろんのこと、ビジネス交流もさらに活発になることを期待します」
