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ことしの夏も、国内外からたくさんの人が「沖縄の海」を訪れていますが、先ほどのニュースでもお伝えしたように県内では多くの水難事故が発生しています。

サンゴ礁に囲まれた沖縄ならではの危険もあり、気が付けばサンゴ礁の内側から沖に向かって強く流されてしまう「リーフカレント」という現象が県内の海岸やビーチで見られます。リーフカレントはどのくらい危険なものなのか、記者が体験してみました。

山本真帆記者「かなりバタ足しているんですけれども、前に全く進みません!体力だけが奪われていきます!」

泳いでも泳いでも全く前に進まない、それどころか強い流れでどんどん沖へ流されていきます。

糸満市の大度浜海岸、天然のサンゴ礁が広がりシュノーケリングや海水浴を楽しもうと多くの人が訪れるこのビーチには危険な「リーフカレント」が発生しています。

「リーフカレント」とは、岸から沖に向かってサンゴ礁の切れ目などを強く流れる離岸流の一つのこと。早い時で秒速2メートル、これは早歩きほどの速度で、実際にシーマーカーと呼ばれる着色料を海に流してみると、80メートルほどの距離をおよそ2分で流れていきました。

海の危険「離岸流」記者が体験レポ

山本真帆記者「離岸流がどのくらい怖いのか、実際に流されてみて体験します」

海上保安本部のサポートのもと、リーフカレントに入ってみると。

山本真帆記者「川みたいに速いです、海なんですがちょっと速いですねどんどん沖のほうに流されていきます、はやいです」

ただ浮いているだけであっという間に沖合へ、さらに

山本真帆記者「波に抗ってみようと思います」

2回目の体験、今度は力いっぱい泳いでみますが、

山本真帆記者「かなりバタ足しているんですけれども前に全く進みません!体力だけが奪われていきます、どんどん後ろに流されていきます岸が遠いです!」「1回目流されたときより体力をすごく使うので、ただ流されていくのは流されるだけで、ただただしんどくなっていくだけだったので、より恐怖心があおられました」

海の危険「離岸流」記者が体験レポ

海上保安庁によりますと、県内には45か所もリーフカレントが発生する注意海域があります。去年までの過去5年では52人が離岸流の影響と思われる事故に遭い、4人が死亡、1人が行方不明になっています。もしリーフカレントに遭遇したらどうすれば良いのでしょうか。

第十一管区海上保安本部 交通安全対策課・山本亮安全対策調査官「離岸流の発生する幅は10メートルから30メートルがほとんどになりますので、流れに逆らわず陸岸と平行に泳いでいただく、そうすることによって離岸流の流れから外れる事ができます」「離岸流の流れから外れましたら最も近い陸岸まで泳いで戻っていただきたいです」

海の危険「離岸流」記者が体験レポ

また、年間を通して水温が高い沖縄では、沖に流されてからも浮力を確保し体力が温存できれば助かる見込みがあるため、海上保安本部では必ずライフジャケットを着用するよう呼びかけています。

ここからは実際にリーフカレントを体験した山本記者に話を聞きたいと思います、実際に入ってみていかがでした?

山本真帆記者「今回はリーフカレントが発生している場所と知っていて、さらに海のプロのサポートがある中で流されていったので、どこか安心感がありました。ただ、もし1人で泳いでいるときに遭遇していたら、あまり泳ぎが得意な方でもないので、どんどん陸から離れる恐怖心で冷静な対処はできなかったと思います」

やっぱりことし、県内での水難事故はかなり多いですよね?

山本真帆記者「そうですね、海上保安本部によりますと、ことし管内で水難事故に遭った人は70人にのぼっていて、うち17人が亡くなっています。さらにことしは去年の同時期と比べると多い傾向にあり国内外の観光客数が増加していることも要因の一つだそうです」

海の危険「離岸流」記者が体験レポ

海に入るときは、ライフジャケットの着用もそうですが、体調が悪いときは無理をしないことや、単独行動をとらないことなども身を守る対策として心がける必要がありそうです。

ここまで山本記者でした。