経済に関するニュースをお伝えするビジネスキャッチーです。今回は沖縄を代表するプロバケットボールチーム「琉球ゴールデンキングス」の経営戦略に注目しました。チケット価格から施設まで、あらゆることを見直して「集客」のあり方をイチから考え直そうとしています。
「新たな歴史が動き出した!」
先月、開幕したバスケットボールBプレミア!リーグ随一ともいわれる熱狂的なファンに支えられ沖縄サントリーアリーナ誕生以来、入場者数と売上を増やし続けてきたキングス。24-25シーズンはチーム間でもリーグ3位の売り上げを記録してます。
しかし、その売上構成は他のプロバスケットボールチームと大きく異なっています。
こちらは売り上げ額がほぼ同じ、アルバルク東京との売り上げ構成表の図です。アルバルク東京ではスポンサー収益が売り上げの7割を占める一方、キングスはチケット収入が最も大きな柱となっています。さらにグッズなどの売り上げを合わせるとその割合は半分以上に。
つまりキングスは、「スポンサー」だけではなく、「会場に来てくれるファン」によってビジネスを成長させてきたチームなんです。
沖縄バスケットボール株式会社 仲間陸人社長「ファンのお客様がこれだけたくさん会場にきてくれて、これだけすごく高いチケットもあるんですけど、たくさん買っていただいているのは、やはり沖縄ならではというか、キングスの持っている強みだと思います」
ところが今シーズン、Bプレミア開幕で大きな変化が起きています。昨シーズンまで、Bリーグの試合は主にファンが観戦しやすい、土日に2連戦で行われていました。しかし、Bプレミアとなった今シーズン、選手の身体的な負担軽減のため連戦の数が減少。その結果、ファンが会場に来やすい土日に開催される試合も減ってしまいました。
ブースター1組目「結構平日来るの大変なのかな~と思った」
ブースター2組目「やっぱり土日開催の方が有難かった(土日の方が会場のに)来やすいし平日だとちょっと、本当は土日が良かった」
沖縄バスケットボール株式会社 仲間陸人社長「平日開催が増える中で、試合だけのコンテンツだけではないという、コンテンツはたくさん作らないとお客さんに飽きられてしまうんじゃないかというところがありました」
平日開催が増える中、今シーズンから始めたのが「試合そのもの」だけに頼らない集客です。
アリーナの外に設けられた、「キングスわいわい広場」。アリーナの外に広がるこのスペースは試合開始前から、無料の遊具で子どもたちが楽しむことが出来ます。さらにアリーナの中にも、ゴーディーエリアを新設。試合前だけでなく、試合中もさまざまなゲームを楽しめるようにしました。
ファン「子供たちが遊べる遊具とかも増えて、大人だけではなくて子どもも楽しめるので足を運びやすくなったかなと思う」「仕事の関係上(平日来るのが)難しいところもあるんですけど(新エリアがあることで)たまに休んででもいいから来てみたい。次回また、平日開催があればまた来たいなと思う」「結構空き時間も有効活用して子どもも飽きないエリアだと思うので子ども連れが多いキングスのファンからしたら凄い充実した施設になっているのかなと思う」
選手のプレーを目の前で観戦できる、人気のコートサイド席。今シーズンからその料金を値上げすることに。値上げするだけでなく、利用できるラウンジをパワーアップ。キングスの栄光の歴史や、レジェンドたちのユニフォームを見ながら食事やお酒を楽しむことができます。
ラウンジ利用者「入った瞬間ちょっと涙が出そうになりました。テンションがめっちゃ上がって試合ももちろん楽しみですけど、試合始まる前に、今日の試合こんなかなとか、相手選手のことを話したりして、ちょっとボルテージ上がる感じで、飲食楽しませてもらってます」
一方最大で1000円値下げした席も。価格を改定することで、いままで観戦きたことがなかった人へのハードルを下げ、新たなファンの獲得を狙っています。
男性「安いところが増えたというのは大変助かります。お友達、モアイメンバー、仲間たちで一緒に楽しめたらいいなと思います」
沖縄バスケットボール株式会社 仲間陸人社長「一番下げたところでいうと、映画館のチケットより安いエリアを作らせていただきましたが、地元にキングスがあるところをよりたくさんの人たちに伝えたい、そしてたくさんの子ども達に見てもらって、その子供たちが将来いつか大人になった時に、いい席でみてくれたらいいなと思い、少しでも値段をさげてたくさんの人が来れるように設計しました」
付加価値を提供しながら新しいファンも呼び込む。つまりキングスが狙っているのは、単純な値上げでも、値下げでもありません。
「誰に、どんな体験を、提供するか」
チケットそのものを、新しいファンを作るための入口に変えようとしています。
「沖縄をもっと元気に」を活動理念に、沖縄に根付いた活動を大切にしてきたキングス。Bプレミア開幕で日本バスケ界が新たなステージに進んでもチームが進むべき道は、変わりません。
沖縄バスケットボール株式会社 仲間陸人社長「我々としてはやはり試合のある日もない日も、キングスが皆さんにとっての日常に入っていけるように引き続き努力していかないといけないと思っていますし、沖縄といえばキングスというところを目指して挑戦していきます」
Bプレミアという新しいステージで、キングスが変えようとしているのは、チケットの価格だけではありません。
変わるキングスの「集客戦略」に、ビジネスの視点からも注目です。
