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今を生きる私たちが沖縄の未来を考えてゆくシリーズ「#IMAGINEおきなわ」です。今回は古い建物を活用して行われるアートイベントを通して、街の活性化に取り組む女性に出会いました。個性豊かなアートに注目です!

いくつもの容器に滴る水滴、広がる波紋。雨漏り・・・? ではありません、水をさまざまな容器に落として波紋や音をつくる「水の中の記憶」というタイトルのアート作品です。そして

昔の沖縄でよく見かけた!?アーリーアメリカン風でポップな看板の数々、、、と思ったら「ハイサイ(HAISAI)に、チーゴーゴー!?」これも作品のひとつなんです。

古い畳の部屋に並べられた、いかつさの中に美しさと温かみが宿る鉄鋼による作品の数々に。一見、積み重ねられた段ボール箱?と思いきや木箱で制作されたコラージュなど、ジャンルも見た目もバラエティに富んだ作品が並ぶ現代アート展「Assemble-アッセンブル-」の舞台は何だかとてもレトロな佇まい。

#IMAGINEおきなわvol.42「アートで街を元気に!旧伊集商店に集まる人々」

それもそのはず、ここは与那原町で半世紀以上続いた「伊集商店」という店だったんです。

津波 博美さん「知念高校出身なので、ここら辺は若い頃小さい頃は栄えていたので、よく買い物とか親と一緒に来ていた、親しみがある場所」

南城市出身でアーティストの津波博美さんは、この店のもつ何とも言えない雰囲気に惹かれて今回のイベントを思いつきました。津波さん私は直接入ったことはないんですけど友達から話を聞いてどこにバナナがあったよとか。いつも目にする建物ではあった、立派じゃないですか。気になる建物ではあるんですよね。

閉店し、空き店舗となっていたこの建物がリノベーションされるという噂をきいた津波さんはいてもたってもいられず、管理している工務店に使わせて欲しいと願い出たところ、快諾!今回のアートイベントを開催する事になりました。

イベントに先立って、津波さんは経営している保育園の園児たちと「お店屋さんごっこ」をしてみました。楽しそう!

津波さん「2〜3日かけてリンゴとかおにぎりとかみんなで作ってたんですよ先生たちも大喜びで、こんなの初めて!って」

「アッセンブル」とは「組み立てる」や「集う」という意味でここを人々が集まる場所にしたいと、津波さんをはじめ8人のアーティストが各々の作品を持ち寄りました。果たして、後から後から人がやって来ます!

見に来た女性「(商店だった頃)食料品。缶詰、果物、バナナが下がってました。懐かしいですよ(笑)町おこしみたいな芸術家さんの、いいんじゃないですか、うん」

新島区長 具志堅 毅さん「(店だった時は)朝の牛乳とかパンを買いに来た、学校行く前にね。本当にうれしいですよ、こんなさびれた通りを活性化するような事業なので本当に喜んでます」

#IMAGINEおきなわvol.42「アートで街を元気に!旧伊集商店に集まる人々」

ご近所さんだけではありません。ここが実家だという伊集さん兄弟が家族を連れてやって来ました!

弟:伊集 一喜さん「実家ですね、ずっと子どもの頃からいるので。商店だったのでゴミゴミありとあらゆるものが散乱していたのでこんなに広いんだなっていう(笑)」

両親が営んでいた商店は、高齢化と母の病気などでどんどん規模を縮小していきました。

兄:伊集 健一さん「地域の方たちが支えてくれて。母の体調も見てくれながらまわりの人たちが見てくれて、いろいろ片付けもしてくれて。とても助けてもらいました、まわりの方々に」

そんな父の思い出の場所に初めて訪れた子どもたちは興味津々。

次女「ここ上がって来たの初めてです」

弟「初めて来た」

長女「こんな感じだったんだなって初めて知ったので。レトロっぽいのがあって、この家に合ってるなって思いました」

旧伊集商店は津波さんが企図した通りの「人々が集まる場所」となりました。さらに、近所に展開している作品も街歩きをしながら見て欲しいと案内された先には。

#IMAGINEおきなわvol.42「アートで街を元気に!旧伊集商店に集まる人々」

何だか秘密基地みたいな場所に到着しました。中には・・・ユニークな作品がギッシリ!「シニ・アファ~」「ニーブイ・カーブイ」!?この作品を制作したのは地元出身の画家「KIYOMASA(キヨマサ)」さんです。

キヨマサさん「面白いのが好きで、楽しいことも。外国のレトロな看板そういうのも大好きだったので、格好いいなと思うやつ自分で真似して描いたり、でも、あるもの描いてても面白くなくて、自分方言なんか好きでそれをローマ字で描いたらどうなるかみたいな」

塗装業を営んでいたキヨマサさんは、交通事故による後遺症のリハビリを兼ねて4年ほど前から作品づくりをはじめました。

キヨマサさん「パッと見かわいいとか格好いいとか思ってもらえたらうれしいしで、このローマ字を読みづらいんですけど読み切った時に笑えるそれが目的、笑えれば一番いいかな」

ワッター街の魅力を再発見して再構築、みんなが集まる空間に。ひとりのアーティストが大きな輪を広げつつあります。