岸田新内閣がスタートし就任後初めて沖縄を訪れた基地負担軽減担当大臣も兼務する松野博一(まつの・ひろかず)官房長官。11月6日、玉城知事やアメリカ軍基地を抱える首長や地元住民らと相次いで面談しました。

最初に面談したのは、国がアメリカ軍の新基地建設を進めている名護市の辺野古を含む久辺三区の区長と渡具知名護市長。

渡具知武豊 名護市長「(基地)負担軽減に引き続き政府のご尽力をお願いいたします」

渡具知名護市長は基地から派生する騒音問題や夜間訓練などの解決のほか地域振興のための支援を求めました。

要請を受け、松野長官は「普天間基地の全面返還に向けて移設を着実に進めていく」と改めて国の姿勢を示しました。

「辺野古が唯一の解決策」松野官房長官来沖

松川正則 宜野湾市長「普天間飛行場全面返還合意から26年になろうかという状況になっておりますが、中々見通しがない」

松野博一官房長官「担当大臣として飛行場の固定化は絶帯に避けなければならないとの思いを強く思っております。これは地元の皆さまとの共通認識であると思います。返還までの負担軽減についても目に見える成果を一つ一つ着実に積み上げていくことが重要と考えております」

宜野湾市役所を訪ねた、松野官房長官は松川市長とともに普天間基地を視察。その後、コンベンションセンターに場所を移して、基地周辺の自治会長らと車座での対話を実施しました。

「辺野古が唯一の解決策」松野官房長官来沖

宜野湾市 我如古区 松田自治会長「昨今においては航空機からいろいろなものが落下してきたり、飛行機そのものの墜落を宜野湾市民は常に抱えて生活しております。1日も早い同基地の返還をお願いしたい」

また、基地から派生していると見られるPFOSなどの有害物質によって汚染されている水が基地の外で検出されていることについても要望が出されました。

宜野湾市 上大謝名区 大城自治会長「かなり高濃度の有害物質をふくむ汚染水が河川や湧き水から検出されており飲み水にも含まれていることから、地域住民は依然として不安を抱えています。抜本的な解決策を講じて頂きますようお願い申し上げます」

松野官房長官は、「率直な意見を伺うことができた」と述べた上で、「重く受け止め政府として懸念お払拭できるよう対応したい」としました。

そして迎えた県庁での知事との会談。知事は、改めて国に新基地建設の中断と県との協議の場を設けるよう求めました。

「辺野古が唯一の解決策」松野官房長官来沖

玉城知事「辺野古新基地建設については提供手続き完了までに約12年を要し、普天間飛行場の1日も早い危険性の除去に繋がらないことから直ちに中断し、問題の解決に向け早期に国と沖縄県の協議の場を設けていただきたいと考えております」

また、知事は普天間飛行の運用停止や国内外への移設など早期返還に向けた辺野古移設と関りを持たない負担軽減推進会議の早期に開催するよう求めました。しかし、松野官房長官は・・・

松野官房長官「日米同盟の抑止力維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせた時に辺野古移設が唯一の解決策であると考えます」

これまで通りの政府回答である「辺野古が唯一の解決策」と述べ議論は平行線にたどりました。一方、県内各地で大量の軽石が漂着している問題で玉城知事は財政的な支援を求めました。

玉城知事「一刻も早く沖縄の豊かな青い海を取り戻し、ポストコロナを見据えた観光需要の回復等に繋げていけるよう地元市町村の負担に関わる交付税措置の拡充および軽石の回収処理に関わる補助等についてご支援いただきますようお願いいたします」

松野官房長官は「県をはじめ関係自治体と連携し関係省庁で万全の対応を取りたい」と回答するだけで具体的な内容は示されませんでした。

県と議論が「かみ合わなかった」一方、基地周辺の自治体や地元との距離を着実に埋めた印象の官房長官の訪問となりました。