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めざせ甲子園!6校目のきょうはこの夏のシード校・北山です。チームには、プロ注目の大型右腕、そして同級生とともに夢の甲子園を目指す女子部員の姿がありました。

「行くぞ甲子園」。夏のてっぺんを目指す県立北山高校。去年の夏、レギュラー9人中、7人が2年生という若いチームで、実に38年ぶりのベスト4入り。そのレギュラー陣が最高学年となった今年は、勝負の夏となる

津山嘉都真監督「甲子園で勝つということをあげてやってきていますので、それに向けて全力を出したいと思っています。」

夢の舞台での勝利に向けた戦力は、打撃力と投手力で満点と充実!

打撃では春はケガで出場できなかったキャプテンの宮里光(ひかる)が中軸に復帰。その前を打つ石川柚月や4番に座る山﨑慎ノ介とともに打線を引っ張る!

宮里光主将「春は試合に出ることができなかったので、その分も夏に全力でぶつけていきたいと思います。」

そして注目の投手陣は2人の「金城」が核となる!先発を任されるのが、高校で急成長を遂げ、コントロールを武器とする金城和尋。そしてもう1人の金城が、金城洸汰!

身長188cmの長身から投げ下ろす、威力十分のストレートと変化球との緩急で打者を翻弄!すでに多くの球団が視察に訪れているプロ注目右腕だ!そんな北山のエースには、忘れられない試合があった。

春季大会準決勝。北山は、後に優勝を果たす興南を相手に大接戦を演じたが、延長14回、サヨナラ負けを喫した金城は、悔し涙を流した。

金城洸汰選手「自分が最後打たれたのが最後の点数につながっているので、エースとしての責任の重さとかエースとしての自覚が芽生えて、あの試合は自分の成長につながった試合だと思います。」

北山のエースがさらなる成長を誓い、夏を目指す。夏に向け雰囲気も高まるチームに響く、一際高い声。上間彩花(うえま・あやか)さん。唯一の女子部員には高校野球への強い思いがありました。

男子選手に交じって、練習に汗を流す上間彩花さん。北山野球部唯一の女子部員です。

仲村周真選手「朝とかもグラウンドでみんなを待ってる。お姉ちゃんみたいな感じで。

山﨑慎ノ介選手「勝利の女神です。」(上間さん苦笑)

父と弟の影響で小学校で野球を始め、野球の虜となった上間さん。高野連の決まりで公式戦には出場できないと知りながらも、高校の野球部へ。そこにはある思いがありました。

上間彩花選手「女子野球にはない、高校野球には『甲子園がある』ので、甲子園に行きたいという思いで高校野球を選びました。」

甲子園の夢を追って入部した野球部。しかし、男子部員に交じっての練習はきつく、また、同級生たちからもなかなか認められませんでした。

上間彩花選手「(同級生からは)1年生の時はこんなきつい練習して、試合に出られなくて意味ないんじゃない?と言われたり、マネージャーになったほうがいいんじゃないって言われたり、なかなか認められなくて。」

それでも決して「選手」であることを諦めなかった上間さん。男子部員と同じメニューをすべてこなし、誰よりも全力で声を出し続けました。その姿が同級生たちの気持ちを変えていきます。

山﨑慎ノ介選手「みんなと一緒にプレーしたい気持ちが、とても強いというのが普段から見えました。」

宮里光主将「彩花が必死に声を出してやっているので、彩花がこの頑張ってきた2年間半も花を咲かせられるように、夏、自分たちベンチメンバーが頑張って返したいと思います。」

そんな同級生の存在が、今度は上間さんの支えとなっていきました。

上間彩花選手「つらいこともあって泣いた日もたくさんあって、でもその分、同級生に支えられたことが大きくて、大きな存在だよって言ってくれたり、彩花の声で勝てるって言ってくれたり、メニューをこなした時はみんながハイタッチしてくれて、それが頑張れる源でした。」

上間彩花選手「たくさん泣いたりたくさん笑ったりいろんなことがあったけど、この同級生のメンバーだったからこそ今までやってこられたし、絶対甲子園行きます(笑顔)。」

苦しい時も楽しい時も一緒に白球を追いかけてきた仲間たち。目指す夢は同じ!北山初となる甲子園だ!

山﨑慎ノ介選手「県立でも力があることを証明したいので、力を発揮できるように頑張っていきたい。」

金城洸汰選手「北山の名を全国に届けられるようにしていきたいです。」

「行くぞ!甲子園!」

北山高校ではおととい背番号の発表があり、上間さんは3年生で唯一、ベンチ入りはできませんでした。もちろん規定上入れないことはもともとわかっていたけれど、やはりとても悔しかったそうです。そうやって悔しがれるのは、ここまで本気で頑張ってきた証拠ですし、その姿は、まさに「高校球児」なのではないでしょうか。